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旦那が腹膜偽粘液腫に罹患して1年7ヶ月で天国に行きました 5【抗がん剤治療・副作用について】

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今回は、旦那が経験した抗がん剤治療、それに伴う副作用についてお話していこうと思います。この記事で最後になります。

抗がん剤治療の詳細

手術で腫瘍を取り切れなかった旦那は
抗がん剤で腫瘍を小さくして騙し騙し生きていくしかありませんでした。
旦那が実際に使用した抗がん剤は以下のとおりです。
前までの記事にありますように、全身化学療法をしていましたが病院を変えて腹腔内化学療法を行っています。

  1. 【全身】2020年9月〜2021年3月 XELOX(ゼロックス)+Bev(ベバジズバブ) 、カペシタビン錠 腫瘍マーカーCEA 初回7977.5ng/ml⇒最後2674.9ng/ml

  2. 【全身】2021年4月〜2021年5月 GEM(ゲムシタビン)+CBDCA(カルボプラチン) 、アプレピタントカプセル 腫瘍マーカーCEA ⇒最後3164ng/ml

  3. 【全身】2021年6月〜7月 IRIS(ティーエスワン、イリノテカン)+Bev 腫瘍マーカーCEA ⇒最後3507ng/ml

  4. 【全身】2021年7月〜9月 ロンサーフ配合錠→好中球が減った為休薬期間あり 腫瘍マーカーCEA ⇒最後1889.8ng/ml

  5. 【腹腔内】2021年10月〜11月 初回シスプラチン・ドセタキセル 2回目以降フルオロウラシル 腫瘍マーカーCEA ⇒最後2883ng/ml

1~2は、3週間毎の静脈点滴投薬・数日間の服薬。全10クール。
3は、2週間毎の静脈点滴投薬・2週間服薬/2週間休薬。全3クール。
4は、5日間の服薬/2日休薬×2 のち2週間休薬。全2クール。
5は、週に1度腹腔内に投薬。全5クール。


全身化学療法の副作用について

全身化学療法の場合、静脈から入れる抗がん剤と口から飲む抗がん剤のセットの組み合わせがほとんどでした。
抗がん剤投与前には病院から必ず薬の説明・副作用についての説明があります。それと詳しく書いてある冊子等が渡されます。副作用の症状もいろいろ書いてありますが旦那が発症したものもあればしないものもありました。やはり、個人によって違うのだと思われます。

旦那が一貫して抗がん剤の副作用として訴えていたのは下痢・食欲不振・嘔吐です。
下痢の症状は結腸を失った事も大いに関わってきていますが抗がん剤からの副作用の影響も多く感じました。
大体投薬後から1週間位は特に症状が酷く。大変辛そうでした。
その場合は、本人が食べれる物、食べたい物を優先して食べるという形でした。病院からも指導があったりしますがなるべく繊維質ではないものを食事にとるようにということでした。

上記の抗がん剤1の時に、副作用としてあったのが手足のしびれです。
症状は抗がん剤の回数が重なる毎に酷くなりました。
寒さや冷たいものを触ったりするとしびれが強くなる為手袋や分厚い靴下が手放せませんでした。
違う抗がん剤に変わった後、少し時間はかかりましたがしびれの症状は治まりました。

抗がん剤3では、脱毛の症状が起こりました。
これまでの抗がん剤にも、脱毛という症状が書いてありましたがこの薬の投与が始まって少し経ってから顕著に脱毛の症状が出ました。
こちらの薬も効果があまり認められなかったのですぐ違う薬になり少し経って症状も治まりました。

最後に抗がん剤4では、好中球(白血球の一種)の値が少なくなり休薬せざるをえなくなりました。今までの抗がん剤治療で旦那自身の身体もどんどん弱くなっていました。

大きな副作用としては以上4点ですが、
静脈点滴の時に起きる血管通や、
発熱や脈拍が早くなるなどの症状もありました。

基本的に副作用についても抑える為の薬や予防する為の処置がされます。 


腹腔内化学療法の副作用について

腹腔内ポートを設置し腹腔内化学療法を行っています。

この腹腔内化学療法を行ってから、お腹は膨らみ腹水等が余計に増えているように感じました。お腹の中に抗がん剤を入れると"腹膜炎"が起こる為正常な反応だということでした。

基本的な副作用は上記の全身化学療法と一緒で、食欲不振・嘔吐が主なものでした。
今までの全身化学療法から1年以上行っていた為食欲不振・嘔吐もかなり辛いものになり、最後には水分を摂取しても吐き…点滴をすることになりました。今から思えば、もうこの時には腸閉塞の症状がでていたのではないのかなと思います。

そして、嘔吐が続いた関係で設置した腹腔内ポートの穴が腹圧で大きくなり腹腔内ポートから腹水・粘液が漏れ出てくるようになりました。
ポート設置の手術後からお腹が赤くなったり腹腔内ポートが感染したことも関係していたようでしたが旦那も私も驚きました。対処方法は、ガーゼやテープなどで患部を塞ぐだけでした。


静脈から入れる全身化学療法に不可欠なCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)について


長く抗がん剤治療を受ける上で「CVポート設置」は旦那の身体の負担を少なくしてくれました。

直接血管に抗がん剤を入れていると、薬の強さから血管が耐えれなくなり「血管痛」が起こり、病院からすぐCVポートの設置を勧められました。
2ヶ月経ってからの手術となりましたが、旦那は早く手術しておけばよかったと言っていたくらいでした。

あと、最後の最後…ご飯を口から食べれなくなった時の栄養点滴をいれる際にも大活躍してくれました。CVポートには感謝しかありません。

最後に

抗がん剤をし続けないと生きれなかった旦那。
副作用もかなり辛かったのに頑張っていました。
腫瘍マーカーは徐々に減っていきましたが、
お腹が膨らんできたり不安は消えませんでした。
もちろん、お腹の膨らみがおさまっていた時期もありましたが主治医曰く「腫瘍が消えたわけではない」ということでした。
徐々に腫瘍マーカーが増えたり、減っても下げ幅がかなり狭く、薬を変えていくしかありませんでした。
そんな中、腹腔内化学療法へ治療を切り替えましたが旦那の努力も空しく無念の結果になりました。

今でもあの時こうすればよかったという無念さはなくなりませんが…このnoteを読んで、参考または教訓にして頂けたら嬉しいです。

私が旦那の病気の事に関してお伝えできることは以上です。拙い記事を読んでくださりありがとうございました。

そして、今現在腹膜偽粘液腫に立ち向かってる方・大きな病気と闘ってる方が少しでも快方する事を祈っております。

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