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5/8 漫画がくれる想像力

ハッシュタグ企画の存在は知りつつも、5つをどう選ぶか非常に悩ましく思い筆が進まずにいましたが、ようやくこの5つ(正確には4つ+1つ)に決めました。

「鬼滅の刃」「東京喰種」「東京喰種:re」「闇金ウシジマくん」

個人的にはですが、この4つに共通するのが「理不尽さ」なんです。「理不尽さ」というのにも色々あって、例えば「鬼滅の刃」だとこんな感じです。

・いきなり家族を殺される、妹を鬼にされる
・鬼がとんでもなく強い(傷治る、腕生える等)
・一方で鬼殺隊は柱であっても傷ついたらそのまま
・主人公が◯◯になる(ネタバレ自粛) などなど

「東京喰種」、「東京喰種:re」でいえば、

・喰種は人を食べないと生きていけない
・しかし、喰種にも家族がいて仲間がいる
・もちろん、人間にも家族がいて仲間がいる
・どっちが正しいかは、どっち側から見るかに依る などなど

「闇金ウシジマくん」でいえば、

・騙す理不尽
・力(暴力や権力)のある者が通す理不尽
・金が生む理不尽             などなど

作中には数数えきれないほどの理不尽が溢れています。我々が生きる世界にだって日々幾千もの理不尽が生まれているし、「漫画から理不尽への対処法を学んだ」とか、そんな綺麗な話にはならないんですが、こうして他人の物語を通して他者・隣人への想像力というのを我々は手に入れるのだと思います。

社会が変化していくとともに、漫画も変化していきます。昔は勧善懲悪的なヒーローを描いていれば多くの読者が満足していたものの、これだけ世の中が複雑化してインターネットが発達しSNSが浸透した世界においては、単純に善悪という二元論で物事を片付けられないし、望むと望まざるに関わらず他人の物語が自分の生活に流れ込んできます。

ちょっと、次の漫画に関連するのですが「左ききのエレン」において主人公の朝倉光一が次のように言われるシーンがあります。

人は本来自分のことが好きで、自分のことに関心がある生き物です。それは自然なことなのですが、TwitterはじめSNS(特に匿名SNS)がそれを歪な形で増幅してはいないかと思うのです。他人に意味不明のリプライを飛ばして自己肯定感を高めてしまう人、まるでネット上の自警団かのように一方的な正義を振りかざして悦に入ってしまう人など。

SNSは自分と他人を繋げるためのプラットフォームでありますが、他人の物語に触れるためのものでもあります。今日何食べただの、今日どこどこに行っただのです。SNSをやっていると我々は感覚が麻痺してしまうのか、その辺を忘れがちだと思います。

漫画のように、他人の物語を読んだ時には「そうか、この人はこう考えるのね」とか「こんな想いをしてるのね」とか、相手に軸足をおいてみるというのが大事かなと私は思う訳なのですが、なかなかどうしてそれが難しいのだと感じています。

最後に紹介する漫画「左ききのエレン」は広告代理店を舞台にした漫画です。業界の人は読んでいて「あるある」と1コマ1コマ頷きながら読んでいることと思いますが、個人的には辛い時の思い出が蘇ったりして複雑な気持ちになりながら読んでいます。以下のシーンだって、新人であれば誰もが通る瞬間だと思うし、あの現場のスピード感や圧迫感というのは思い出しても吐きそうになる感じです。

「左ききのエレン」の場合、他者への共感というより、昔の自分と向き合ってる感じがして何とも言えない感じなのですが、とにかく「自分以外の誰か」に思考の起点を置くことの重要性を漫画を読むたびに感じます。

今回、たまたまこの5つを挙げましたが、色々な漫画を読むことで他人の物語に対してもっと興味を持っていきたいし、それを通じて他者への想像力というのをより高めていきたい。いま正に世の中がリモートワークで、人と対面で会わない状況が続いています。画面越しに顔も見られるし声も聴けるけど、どうやって相手の感情や思考を想像していくか、いま正に試されている時でもあります。想像力をネガティブに働かせてしまうこともあるけれど、想像力を通じて世界を良い方向に持っていけるように、これからも漫画を読み続けたいなと思いました!

はい!最後に個人的に好きなシーンでしめます!


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