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幸福のジレンマ

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない No2

まえがき、にてハリス先生は言います。

「ちょっと考えてみてほしい。幸福になるために必要だとされているすべてが不正解で、あなたを誤った方向に導くもの、あるいは完全に間違ったものだとしたら?

みなさん、いかがですか?

幸福になるための答えを解く心理学者や精神分析医、セルフヘルプの指導者含め、周りの人々が同じ罠に陥っている…。

そのことが科学的研究からわかってきた、というのです。

幸福になろうと努力するほど不幸になるという悪循環…

それを解くカギが、アクテプタンス&コミットメント・セラピー(ACT/アクト)にあると。効果は実証済。

アクテプタンス&コミットメント・セラピー(ACT/アクト)

心理学者スティーブン・ヘイズとその同僚、ケリー・ウィルソン、カーク・ストローサルによって、米国で開発された方法です。

その効果は、多くに療法と違って(言い切っているのがすごい…)、科学研究に基づいており、世界中の心理学者の間で急速に支援が広がっている。

私も、数年前にこの療法の存在は知ってはいました。日本の心理療法の界隈では、まだ有名で多く用いられている方法とは言えない、いや、どうなんでしょう。私の実感としては、まだ米国ほどの広がりは見せていないかな…。

日本の心理療法は、欧米の10年後を行っていると、昔、教わりました…。別に一緒にする必要もないでしょうが。

幸福が普通?

つい50年前に比べ、いまだかつてなく高い生活水準が保持される近代社会。医療も食料も、住環境も衛生環境もより良くなった。

しかし、統計を見ると、世界保健機構がうつを病気の中で四番目に重大で治療費がかさみ、最も患者を弱らせる病気とするほどに、世界は幸福とは程遠いかもしれない…。米国の統計として、二人に一人が人生のある時期真剣に自殺を考え、十人に一人は試みてしまう…。

「わたしは、幸福である」という言葉を私は、あまり聞いたことがありません。皆、何かに追われて生活しているように見える…。

幸福になるのはなぜ難しいのか?

本書は言います。

人間の能力は、ホモサピエンスが地球上に現れてから十万年の間にとてつもなく進化した。

しかし、

心は私たちを「良い気分」にさせるようには進化しなかった。

私たちが生存し、子孫を残すために必要なものは、食料、水、隠れ家、そしてセックス。だが、死んでしまえばこれらも無意味。

つまり、最優先事項は、危険を避けること。

それは必然…

人間の心は、世代が進むごとに危険を予知し避けることに長け、現代人の心は常に用心し、起こることすべてを評価・判断するようになった。

そして、もう一つの優先事項は、集団への所属。他のメンバーと同等か、貢献できているか、拒否されるような行動を取っていないか、常に考えている。

つまり、いつでも他のメンバーと比較し、自分を進歩させる方法を探し、期待に応えられない自分を卑下ししている。殊、今は、SNSで明らかに自分よりも優れた他者を知り、不毛な比較をしてしまう。

進化が、このように私たちの脳を形成したおかげで、私たちは、生まれつき、比較し、他者を批判し、自分に足りないものに注意を向け、在るものだけでは満足せず、実際には起こらない恐怖のシナリオを想像している…。

幸福って、なんだっけ?

幸福になろうとして、大分遠ざかってしまうような気がする…。

ここまでたたみかけられたら、もうなすすべがなさそう、と思ってしまう。

どうしたら良い。どうしたら、良い??

教えて、ハリス先生!!

今日の最後は、ACTの目的

「人生を豊かに、最大限に、そして意味あるものとすると同時に、人生で不可避である苦痛に効果的に対処するための手助けをすること」

そして、そのツールは、

心理的柔軟性として知られる能力を育む六つの強力な原理の使用

おぉ、奥義っぽい!!

では、また。


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