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寿司日乗153〜159

□2021年3月30日(火) 晴れ

韓国の音楽を調べたり聴くなどして1日が終わる。小学生の頃、조용필(チョー・ヨンピル)は演歌歌手というイメージが強かったのだが(日本訳詞で歌っていた「釜山港へ帰れ」のイメージが強かったのだと思う)その矢先、Hさんにチョー・ヨンピルの事を色々と聞き、早速聴くとイメージとは程遠く、韓国では素晴らしい作品を今でもずっと出し続けている音楽家なのだと知り聴いている。2013年に発売された「Hello」というアルバムを勧められ驚いた。「釜山港へ帰れ」のイメージしかなかった私にとっては衝撃的だった。1曲目、サウンドに70年代ブリティッシュ感もあり、なんといってもPOP「チョー・ヨンピルほど全ジャンルのサウンドを自身の作品に取り入れてしかもそれが素晴らしくいい。凄い人です」というようなことをHさんさから聞いていたが、いやはや感動している。音楽でまだ感動なんかするんだなと自分にも驚いている。もっというとこれからどんなものを作っていくか考え悩みあぐねていた突破口になる出会いに感じ、感謝さえする始末。

□2021年3月31日(水) 晴れ

疲れている。昼、阿佐ヶ谷Roji。Yちゃん、S君、Yさん、Kちゃん、O君等と会話の中で少しだけ自分の悩みを吐露しながらも口にした次の瞬間すぐに嘘に変わる。本当に思っているのかも口にすると怪しくなる。大切なことほど言葉で交わすのはやめようと思ってしまう。夜、友人とライン呑み。深夜1時過ぎ就寝。

□2021年4月1日(木) 晴れ

朝、原稿を郵送。後、渋谷へ。3ヶ月振りなぎ食堂再開。料理を仕込みながら心地よい疲労感がある。夕方、昨日からの右目充血と圧迫感が気になり眼科へ。強膜炎と診断される。以前も書いたけれど、人様にはあまり変化のあるように伺えない地味な怪我や病気程、本人のダメージって大きくないですか。私だけなのだろうか。今年に入って足、耳、目、腰など身体に些細なダメージが出てきているのだけれど、それに対し落ち込む自分と、自分の身体を愛しむ気持ちが増しているこの矛盾。しかし悪い気はしない。年々無理のきかなくなってくる身体と自分の精神がここにきてやっと同じ比重になってくれているというような感覚。バランスがいい。なんだろうか、この感覚。

□2021年4月2日(金) 晴れ

午前起床。14時まで韓国語の学習と作業など。ギターで作曲していたものを鍵盤に変えてみるだけでコードの「感じ」が可視化されてとても新鮮。メロディに対する意識も随分と変わる。しかし作りながら「これ、私が歌うのだろうか、歌えるのだろうか」という不安も生まれる。毎日、毎回この繰り返し。16時、四谷三丁目。アーバンママ臼井さんと食事。臼井さんと話していると10代の頃、釣りをしていた時のあのシンとした心持ちで居れる。
18時、アーバン。いろんな人がいて、いろんな顔があって、同じ時間を共有していてもその中でも細部まで違う感情がそれぞれにあるというようなことを考えておりました。お酒を嗜まない人からするとお酒はただ酔うためだけのもの、みっともない、コストパフォーマンスの悪いものに思うかもしれませんが、酒は酔うためだけにあるもんでもないです。他人との関係性を曖昧にするためだけのものでもないし、会話を円滑にするためだけのものでもない。じゃぁ何ですか?と問われるなら「まぁ、一杯いきますか」と誘ってみて、一緒に嗜み、別れたあと1人になって感じ入る気持ちなど味わってみて欲しい。酒に限らず、何かを心ゆくまで集中して、動いて考えて、経てからでないと旨さの判らない1杯があり、1本があり、1日があるよなと思ったりもした夜。「で、それらを知らなくてもいい人生もあるんだよな」独り言。

□2021年4月3日(土) 晴れ

夕方まで棒の様に横になり韓国ドラマを観るなどする。会話の頭とお尻以外の言葉もわかる様になってきたが、まだまだだなと独り言。18時、以前Mにゃんに誘ってもらっていた企画へ。東高円寺。久しぶり、少し大きな音で音楽を聴いて随分気分が良くなる。Sさん、Fさん、Mさん、I君、バンドメンバーなどしっかり会うのは久しぶりの人も多く楽しかった。話をするよりただ踊っているだけで幸せな時間が持てるのはやっぱり、いい。
22時前には帰宅。民放で「北の国から初恋87」をやっている。「北の国から」は単発2時間もよいですが、ドラマ(全24話)を観るといいと思う。号泣しながら就寝。

□2021年4月4日(日) 晴れのち雨

韓国語の学習。単語をひたすら書いていく。口にするだけの1日。休憩中、テレビで第97回日本選手権水泳競技大会・競泳競技「ジャパンスイム2021」をやっている。女子100mバタフライ池江璃花子選手の泳ぎを見て泣いていた。スポーツなんか本当に興味がなかった自分が選手のバックグラウンドを少しだけ知り、それで涙できるんだから自分の軽さに驚く。と同時に池江選手の凄さを泳いでいる僅かな時間だけで感じることができ、その人が放つ色んなものを経て凝縮し形成された強さを垣間見て圧倒される。無意識だったが気付くと拍手までしていた。

□2021年4月5日(月) 雨のち曇り

13時、下北沢。メンバーの録音に参加。見たことのなかったダイナミックマイクが美しかった。15時半、茅場町。友人に届け物。そのまま一緒に音楽など聴き、外に出て散歩。風が強かったが気持ちがいい。隅田川まで歩きマスクを外し深呼吸。潮の匂いは今日しなかったが水辺の匂いは髄の芯まで満たされる。後、中華屋で晩飯と晩酌。友人の家に戻りまた音楽など聴くなどして帰宅。思いがけずいい1日だった。ありがとう。
懲りもせずまた1週間が始まります。


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