寿司日乗569〜575
2024年6月17日(月) 晴れのち雨
昼、肉まんを蒸篭で蒸す。いい匂いが換気扇に吸われるのを躊躇う程い〜い匂いなのでクンクンしていると近づき過ぎて熱っ!となりを繰り返し肝を冷やす。何をやっているんだろうか。こういう所は子供の頃から変わらないものですね。
肉まんは酢醤油で食すのですが、東京に出てきた年の冬、肉まんに酢醤油がつかないことがかなしかった。カラシをチョンと渡された私の所在ない表情はたいへんマヌケだっだと思うのですが、酢醤油は九州だけだと知り(西日本?)カラシで食べた肉まんは東京の味がしました。
夜、新宿。Tさんと久しぶりに約束をして飲酒。
近況など話しながらデザインや広告の話からバブル時代の話になり、お金があるから生まれる無駄があるという内容から知恵やアイデアの話、途中参加HとU君(デザインを生業としている)のお師匠さんの話がこれまたはちゃめちゃでしかし仕事は素晴らしいわけで、最終的に仕事と人間の距離感、在り方について思うところがあり気づくと日付がかわっていた。
2024年6月18日(火)曇
やる気ゼロ。いや、マイナスからのスタート。
腹立たしい気持ちが丹田辺りに溜まっている。
終日作業をしながらもニッチもサッチもいかないだけの1日。
2024年6月19日(水) 晴れ
ジェームス・チャンスの訃報。ジワジワと悲しいというよりなにかこう……終わりを告げる音がしますよね。自分の経てきた時代に句点が打たれていく音ですかね。クサクサしても何にもならない、豆腐を無心で捏ねて昼飯。
夜、リハーサル。身体も頭も気怠くリポビタンDを飲むも、リハ後に元気になり帰宅後ワインを飲みながらBTSのライブ映像をガン見してひとり大興奮する深夜。
2024年6月20日(木)晴れ
都知事選の看板にゲスの極みのようなポスターが連続して貼られていた。私は腹の底から込み上げる憤りを地団駄に変えていました。なんて幼稚な……怒りが込み上げる。有権者の判断材料のひとつとなるものに、将来を託すため真剣に考えている最中になんだアレは。品位を損なうものでしかない。
怒りに支配されてしまうことも愚かだと思い帰宅後映画を観て逃れる「千夜一夜」田中裕子の演技、もといあの声が私を律する。素晴らしい俳優だと改めて思うなど。
2024年6月21日(金)雨のち曇り
U.F.O.CLUBにてライブ。
ご来場頂いた皆様ありがとうございました。
6月に入ってからというもの、脳みそがグジグジしているのでよくない。が、仕方ない。人間そういう時もある。自分に言い聞かす。
終演後、会場で飲酒。のち、居酒屋にて三輪二郎と飲酒。道中、田端さんにバッタリ会う。カメラを向けられれと反射的に笑顔になるが、笑っているからといって人は常に穏やかな心持ちではないよななどと冷静に思うなどする。
2024年6月22日(土) 晴れ
終日、棒になるだけ。
棒になりながらふと、ナンシー関のことが頭に浮かび、「ナンシー関のいた時代」を観る。ひとつの芸(書くでも、話すでも、歌うでも撮るでもなんでもいい)が、他人の心の隙間にカチッと食い込む程のモノを作れる人の思考よりも、日々目に映るものの、何 を見ているのかに興味が湧き、あとはただふて寝。
2024年6月23日(日)雨
昼、求道会館へ。
旅辻 〜浮×畠山美由紀〜
疲れた心身に染み込むような2時間。
浮さんが畠山さんについてMCで話していた内容に膝を打つ。「わかる…わかるよ…わかります」独り言。
歌というのはなんなんでしょうかね。浮さんの歌は今、現在に光をあてるかのようで、畠山さんの歌には包み込んだ過去に光をあてるようなぬくみを感じた。畠山さんの「歌で逢いましょう」を(念願の)生で聴けた。ワタクシは背筋を正して聴きながら、悲しいとか嬉しいとかそういうものではなく、否応なしに流れてくる涙を拭うことなどせず聴いてました。5分程の歌の中にだけ存在するものは一体なんなんでしょうか。自分にとって突然涙が流れてしまうような歌はいくつかあるのですが、毎回驚きます。日々、積み重なる感情の地層の下に押しやられた忘れちゃいけない大切だったもの、大切なものを突いてくるような歌。いい曲を書こうと思う夕刻。
のち、寿司を食べ帰宅。
本郷辺りは緑も多く、街並みもいい。落ち着く。
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