当事者の「わからない」を丁寧に説明する

障害福祉の分野で仕事をしている かえると言います。
今回の記事も、先日職場の職員研修で後援していただいた難波寿和さん(臨床発達心理士 発達障害の”当事者”でもあり、”支援者”でもある)の話の中から、自分の心の中に強く印象に残った内容を書いていきます。

「当事者は自分が困っていることがわからない」

難波さんが、発達障害の当事者(以下当事者と表記します)向けに講演会などをするとよくあることだそうです。どういうことかというと、会場にいる当事者の人たちに、

「自分はなまけていると思う人?」

と質問すると、8割近くの当事者の人たちが手をあげることがあるそうです。

どうして、なまけていると思うのかというと、

「本当はもっと一生懸命仕事だったり、作業(福祉施設)だったりを他の人たちのようにしないといけないんだろうけど、それができない自分はなまけている」

と当事者の方々は思っているそうです。

このことから、何がわかるかというと

発達障害の特性の知識を当事者自身が持っていないことがある。

本当はなまけているのではなくて(なかにはなまけている人もいるかもしれないけど)、仕事のやり方が理解できていないだけであったり、仕事のペース配分を変えてもらったりすれば、なまけているという感覚を持つことなく働くことができる可能性があるということです。

言葉だけじゃなくて、目で見てわかる仕事の手順書があればできる能力を持っているのに。

発達障害の人は目で見て理解することの方が得意(視覚優位)という知識を持っていないと、口頭指示に対して、見てわかるように仕事のやり方を書いて教えて欲しいと頼むことができないのです。

その他にも、仕事自体はできるけど疲れやすい人もいます。適度に休憩を入れながら仕事をさせてもらえれば一日通して働けるけど、皆と同じ時間連続で仕事をされられると疲れが溜まって仕事の継続が困難になることもあります。

支援者(親、学校、福祉施設など)向けの研修はよく行われていますが、「当事者向け」の研修はあまり行われていません。

そこで、

タイトル『当事者の「わからない」を丁寧に説明する』にはどうしたらよのか。

2点対応策を考えてみました。

一つは、もっと当事者向けの研修を行い、
自分たちの特性をはどのようなものがあるのか、
その特性を知ってもらうこと。そしてその特性に対して、どのような配慮があれば仕事を続けることができるのか職場に伝える方法を見つけること。

もう一つは支援者向けの研修で、「当事者自身が気づいてない自分自身があること、支援者はそれを一緒に探すこと」そして、「どうやったら今よりも、もっと生きやすくなるのか一緒に考えていく」ことの重要性を伝えてくことであると思ってます。


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