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お探し物は図書室まで

久しぶりに読後感の良い小説を読んだので
記録しておこうと思って書きました。
まとまった感想というよりは、
雑記のように書いてます。

今の自分の生き方になんとなく
もやもやしていたり
不満を持っている人たち5人の物語

ふとしたキッカケで
コミュニティーハウスの図書室で本に出会う

図書室には、「小町さゆり」さんという大きな体格の司書がいる
本を探しに来た人たちは
「エクセルに詳しくなりたい」
「起業を学びたい」
「娘が興味を持ちそうな絵本」
「習い始めた囲碁の本」
などを探しに来ている

小町さんは何冊か関連する本を紹介するのだが
なぜか一冊だけ、探している本とは
関係がなさそうな本をピックアップする

その関係がなさそうな本から、登場人物の5人は
自分のこれからの人生のヒントを得ていく

5人の性別や年齢職業は様々

朋花(女性 21)婦人服販売員
諒(男性 35)家具メーカー経理部
夏美(女性 40)元雑誌編集者
浩弥(男性 30)ニート
正雄(男性 65)定年退職

それぞれの5人の物語がちょっとづつ、重なる部分も魅力的

本の中に出てきた印象に残った言葉

「そういうのって、狙ってどうこうできることじゃないじゃん。だからまず俺に必要なのは、目の前のことにひたむきに取り組んでいくことなんだろうと思った。」

「婦人服販売員が『たいした仕事じゃない』のではなく、私が『たいした仕事をしてない』だけだった。

「どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ」

「私が起こした点が予想もできない場所につながったんだ」

「何をお探し?」「ひとつでいい、こんな俺の存在を許してくれる安らかな居場所を」

「誰かの人生の中で心に残るような絵が一枚でも描けたら、それは俺の、れっきとしたい場所になるんじゃないか」

「人と人が関わるならそれは全て社会、接点を持つことによって起こる何かが過去でも、未来でも」

「作る人がいるだけじゃだめなのよ。伝えてて渡す人がいなきゃ」

「本もそうなの。作り手の狙いとは関係ないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を読んだ人が自分自身に紐付けてその人だけの何かを得る」


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