目標設定の要諦2
こんにちは。ホワイトボックス(株)コンサルティング部の阿部です。
以前、目標設定の要諦について記事にしたことがありました(https://note.com/19720622/n/n3f92b90dd33b)。
今回はこの時に書けなかった続きを書いてみたいと思います。
▼前回の記事の要約
目標を設定するためには、まずは方針を打ち出し、方針にのっとり目標を立てていく必要があります。なぜ方針が必要かというと、方針のない目標では方向性が定まらないからです。ルールがないと逸脱してしまうようなイメージでしょうか。
方針
↓
目標
という流れが最初のステップになることを、前回の記事では説明しました。今回は、設定した目標に向けて行動するための「アクションプラン」について考察してみたいと思います。
▼PDCAを廻す前にやるべきこと
物事を達成するためにPDCAが大切なことはよく言われます。Plan - Do- Check - Action(Adjust)という一連の循環のなかで、計画と行動を振り返り、修正していく流れがPDCAですが、このPDCAのPの前にやらなければいけないことがあります。
私たちはそれをASCSと呼んでいます。ASCSはそれぞれ、次の頭文字をとってそう呼んでいます。
▷到達点=Attatinment(A)
年、月、週、日単位を考慮して目標=到達点を決める
▷現状確認=Staite(S)
現状はどのような状態であるかを分析する
▷乖離の確認=Confirmation(C)
到達点と現状の乖離(できていないこと)を確認する
▷解決策=Solution(S)
解決のための代替案(解決策)をいくつか考える
方針に沿ってたてられたそれぞれの目標は、それを達成するための行動が伴わなければなりません。行動の実効性が課題という目標を時々耳にしますが、実効性を担保するためには、「現状確認のためのWH」と「アクションプランのための5W2H」でそれぞれ考えることが有効です。
▼現状確認のためのWH
現状確認のためのWHとは、What(何が課題になっているのか)とHappen(その課題のために何が起きているのか)を整理することを言います。
あることを目標としたのには、それなりの理由があるはずです。その目標を達成するためには現状で課題になることがあるはずです。
今の現状をWhat、つまり何が課題になっているのかについて整理し、次にHappen、つまりその課題のために何が起きているのかの2つについて整理したうえで、現状との乖離を確認(Confiration)し、解決策とするためのアクションプランをつくることが有効です。
▼アクションプランのための5W2h
5W2Hについては、改めてここで説明するまでもないでしょう。Why-What-Who-Where-When-How-How muchを5W2Hと言います。
ここで、行動を担保するためにもっとも重要な要素は”WhoとWhen、How”です。この3つをしっかりと決めておかないと、行動主体がグダグダになりかねません。アクションプランを、誰が、いつまでに、どのように行うのかについて決める必要があります。
▼戦略と戦術
ところで、皆さんは戦略と戦術ということについてどのようにお考えでしょうか。時折、両者が混同して語られているように感じることがありますが、この2つは明確に違うと私は考えています。
戦略とは配分であり、戦術とは局地戦です。戦略でいう配分とは、戦力であったり、時間であったり、武器・兵糧の配分を練ることであり、戦術は戦略に則ってその場その場で最適な戦い方を選択することをいうのだと理解しています。
上記で言えば、目標やこれに伴うPDCAをどのように廻していくかは「戦略」ですが、PDCAを廻すための要素5W2Hはそれぞれ「戦術」です。
目標を達成するためには、戦略となる配分をまず考慮し、次に戦術を考慮する必要があります。
戦術は、標準化されていればいるほど戦力としての期待が大きくなることは想像に難くありません。標準化は、マニュアルやパスということに置き換えることができます。戦術による最大の戦果を期待するには、標準化ということも視野に入れておくことが良いことも付け加えておきたいと思います。
▼おわりに
組織目標は、組織を活性化させるための有効な方策の一つだと理解しています。しかし、目標の達成如何の評価をどのように考えているかといったことを明確に伝えておかないと、目標が小さく現状をあまり超えない範疇のつまらないものになってしまうことがあります。
野心的でチャレンジングな目標による高い成果を期待したい場合は、目標と成果が必ずしも評価に直結させないことを明確にしておくことも必要です。
今回考察したような事柄を、メルマガにして定期的に配信しています(自分の考察の場であったりするので、必ずしも読者の皆さんが読みたい内容にはなっていないこともありますが…)
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阿部 勇司
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