プロジェクトで一番楽しい段階=プロモーション
こんにちは。ホワイトボックス(株)コンサルティング部の阿部です。
昨秋、クライアント先で新たに人間ドックをはじめるプロジェクトがはじまりました。メニューづくりや金額の決定、システムの選択などといったことをおよそ半年ほどかけて積み重ねてきて、ようやくスタート地点が見えてくるところまでやってきました。今日はこのことに関して、どんな風にプロモーションしていこうか? というところまで辿り着いたところでした。
関連する資料などを調べてみると、いわゆる健康診断を含め、人間ドックを受診する人の割合は20代~70代まで、いずれの年代でも毎年増加の傾向にあることが分かりました。健康意識の高まり、といって良いと理解しています。
こうしたなか、人間ドックをはじめるというアナウンスをどのようにしていくか、ということが今日の議論の一つでもありました。インターネットはもはや欠くことができないツールとして存在しますが、フライヤーやブローシャ―という紙媒体にも今だ大きな効果は期待できると信じています。ここで、プロモーション戦略に欠かせない考え方について、整理しておきたいと思います。
▽マーケティングの4P
マーケティングは4Pが基本です。Product(製品)、 Price(価格)、 Place(場所)、 Promotion(プロモーション)の頭文字をとってマーケティングの4Pと呼ばれています。
今回のように、人間ドックのプログラムを考えるといった場合、placeはすでに病院という場所が既定されています。Productは製品=サービス=メニューと置き換えてもよいでしょう。
これまで、メニューとそれぞれのメニューで行う検査項目をつくり込んできました。Pliceについても同様に議論を重ねてきたところで、あとはいよいよPromotionというところまでやってきました。
ある意味、このプロモーションというのを考えるのが一番楽しいフェーズかもしれません。ところで、このプロモーション。これにも抑えておくべきポイントがあります。
▽AIDMAはもう古い?
AIDMAというモデルがあります。
Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→Action(行動)という段階を踏んで人は購買行動を起こす、という消費者の購買心理をモデルにしているのがAIDMAモデルです。プロモーションをどのように行うかにあたっては、このAIDMAに当てはめながら方法を練っていくことが有効です。
Attention(注意)は、相手の注意を引く段階です。どのように相手の注意を引くか、について考えます。このとき、ProductやPriceが興味を引くに値するものでなければならないことは当然なので、AIDMAはマーケティングの4Pを基礎として、展開するモデルであることが分かります。どのように注意を引くか。販促グッズを考えること、訴求方法(紙媒体、電子媒体、SNS)、などが最初のフェーズ。であり、いわゆる「認知」の段階です。
Interest(興味)のフェーズでは、興味をもってもらう工夫が求められます。InterestからMemoryのフェーズはいわば「感情」の段階にあります。そのProduct(service)によって受けることができる利益(メリット)、とくに顧客がまだ気がついていないメリットを消費者に訴えることで、より相手の興味を引くことができます。
Desire(欲求)のフェーズでは、顧客の欲求を満たすようなものであることが求められ、この欲求に強く訴えかけることができれば、消費者にMemory(記憶)される、というプロセスを経ていくことになります。
上記のような、認知・感情という段階を経て、消費者は行動(Action)に移る、というのがAIDMAモデルです。
▽モデルの色々<実践
私はAIDMAモデルがなんだか一番しっくりくるのですが、これ以外でもAIDAモデルやAIDASモデルなどが提唱されています。
これはそれぞれ、
AIDA=A(Attention),I(Interest),D(Desire),A(Action)
AIDAS=A(Attention),I(Interest),D(Desire),A(Action),S(Satisfaction)
ですから、あまりここで議論してもしょうがないと思います。自らがしっくりくるモデルを例に考えることで、いずれにしても迷うことは少なくなるように思います。
学者でない限りは理論に拘泥するより、実践のなかで肌で感じ、必要とおもうことを修正しながら行動していくことがなにより重要です。自分の考えと違う些末な部分を取り上げ議論するよりも、フレームから外れていなければ微調整をしながら作戦を実行していくことが大切なことだと理解しています。
▽おわりに
市場調査や競合の調査からはじまって、どのようなメニューにしようかと思案し、価格を決め、サービス提供までの手順を作成するというのは骨の折れる作業です。せっかく考えた内容が否定されると、費やした時間が無駄になったような惨めな思いになることも少なからずあることと思います。
こうした時間を経て、メニューが一通り決まると、「さて、どのように世に訴えかけていくか」という前向きな話しになっていくことになります。なので、このプロモーションをどうしていくか、ということを考えている時間が、あらゆるプロジェクトのなかで一番楽しい時間なのではないかと思っています。
2021年5月24日 阿部 勇司
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