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「自分事」が進めるDX&最強プレゼン

 日本のDXやプレゼン、「苦手」「うまくいかない」「難しい」。
 そんな声をよく聞きます。
 一つのポイントだけ押えれば劇的に良くなります。それが「自分事」です。

当事者目線が重要

 プレゼンテーションを聞いていて、次のような話を聞いたとしたらあなたはどう感じますか?

 「この間聞いた話ですが、2100年にアメリカの人口は4億1000万人になるらしいです。」

 どういう印象を受けますか?

 話している本人の言葉ではないですし、アメリカの60年後の人口に関心がない人も多いでしょう。4億人という数字も多いのか少ないのかもわかりませんし、「らしいです。」ともはや正しいのかどうかもわかりません。

 聞いている人も関心を持って聞けない理由は、ほぼ全てが「他人事」だからです。

 60年後、自分はいないかもしれない
 アメリカの人口に関心がない
 話している本人も何かで知った情報をそのまま話している

 真剣に聞くようになるためには話をしている本人が「自分事」で、さらに聞いている人も「自分事」になるような話し方が必要なのです。
 この話、プレゼンテーションだけの話ではありません。DXも同じです。

 よくシステム部門からDXの相談を受けます。その際、当然DXにおいては現場の変革が必要不可欠ですので「現場部門の状況や仕事の仕方を教えてください。」と確認をします。その時「知らない」との回答を受けることが非常に多くあります。

 そもそも現場の改革を行うためのDXを導入する人間が「他人事」では、変革も進みません。
 「いやいや、システム管理者としては当事者なので・・・」と仰る方もおられますが、そもそもそれらを使って変革する人たちがDXの当事者になります。運用する側の立場では単なるIT導入でありDXの当事者とは言えません。
 現場の当事者と同じ目線が必要になりますし、「自分事」になる必要があるのです。
 ただ、相手目線や現場目線と言ってもどのように手に入れれば良いのか・・・
 とおっしゃる方も多いですが、現場や相手に聞くことが一番です。

DXやプレゼンを上手に推進している人は現場を知っている

 例えば、CIOという方々がDXの旗振り役をしていることもあります。ある会社のCIOはシステム管理部門の人間をあえて現場に送り込み、そこで今のシステムに関係なくてもデジタルで現場を変えられることを考える。という宿題を与えています。
 システム部門はあくまでも導入・運用を行う部門、ではなく現場のリアルを知り、今までの延長線上では無いシステムを考え、現場を改革する。というポリシーを持っているのです。当然、システム部門の人がリアルな現場に入ることで今まで見えなかった課題も見つかりますし、客観視するからこそ、現場のありたい姿を見つけ出すことが可能になります。システム部門内で机上による「現場のありたい姿」を想像し、システム導入をするわけでは無いですから、現場にも納得感があり、かつシステムの導入効果も高まります。
 この場合、システム部門の担当者は送り込まれた時点ですでに「自分事」になっているのです。
 プレゼンテーションでも同じです。自分が当事者になることは難しくても、話す内容に関してはあらゆる背景や情報を認識し、話さなければ「自分事」で話すことができません。
 プレゼンテーションの上手い人は常にアンテナを高くもち、関係すること、しないことなどの境を設けず、日々色々な情報を取得しています。その情報を更には咀嚼し、自分の意識の中に定着させ、「自分事」で一通りのことが資料など無くても話せるようになっています。プレゼンテーションは何も今話す資料のことだけを知って入れば良い。というわけでは無く、周囲の関連する情報や世の中の動向、今後どうなるかなどの未来予想に至るまで、自分事で認識しておく必要があるのです。

何事にも自分事になることで説得力が増す

 DXもプレゼンテーションも当事者意識が必要です。喋りの上手い下手、システム知識の有無では無く、自分事として何を伝えれば相手に伝わるのか。現場の課題を自分事として捉えた際、何を変えれば良いのか。

 そのような目線を変えることが必要です。

 いくらシステムの情報に詳しくても使う当事者のことが詳しくなければ何をすれば良いかも見えないですし、自分事であらゆる情報が伝えられなければ、プレゼンテーションそのものの信頼性も上がりません。

 変革をするのも、伝えてアクションしてもらうにも、説得力が低ければ行動に反映されないのです。



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