難しいことを簡単に
私は最近キャッチフレーズ「難しいことを簡単に」という言葉を使っています。
今回はそんなお話です。
デジタルは「難しい」
経営者の方々や一般の方々にデジタルのイメージは?と伺うと「難しい」という回答が多くあります。なぜ難しいのでしょう?
「デジタル」という言葉を聞くと「パソコン」「スマホ」がツールとして思い浮かべたり、たくさんある「アプリ」を思い浮かべる人もいるでしょう。
多種多様な機器がアプリがあり、それぞれに使い方が異なったり、扱いが乱暴だと壊れやすいことなどに起因市「怖い」という言葉や「難しい」という言葉がセットになっているように感じます。
それ以外にも原因があります。
それは「専門的な用語を使わないと表現できない」ことです。
知らない言葉はイメージできない。
皆様も学校で勉強を習ったこともあるかと思います。
当然ながら授業で学習に必要な用語をいろいろ覚えてきたかと思います。
どれだけ新しい用語を覚えて来たでしょうか?
きっと、全ての言葉が「知らない言葉」だったのではないでしょうか。
この知らない言葉を授業という「学習」の機会を通じ「知っている言葉」にしていき、皆様の知識として定着してきたのです。
当然ですが、授業の中では知らない言葉を知らないままにしていることはなく、背景や考え方などを含め、丁寧に先生から学んています。
ところが近年登場した「デジタル」については「学校では学んでいない」言葉がたくさん登場します。知識の中にベースとなる情報がないのです。
つまり、ある程度年齢層の高い一般人にとって「デジタル」は未知のものであり、ベースとなる知識しかないイメージできないモノなのです。
イメージが持てないと理解できない
デジタルにまつわる用語については、新聞やWebメディアなどで見かけることは多くあります。しかしながら、そのデジタル自体のイメージが無い中で「用語そのものについての解説」を行われても、基礎となる部分が抜けていてはイメージすることが難しく、意味を覚えても理解はできません。
つまり、デジタルについては「知らないこと」を前提に背景も含め説明を受けないと自分ごとにすることができないのです。
一方で、業界の関係者やコンサルタントと呼ばれる方々は時折専門用語を使います。業界内としては「普通に認識している」のかもしれませんが、業界外の人にしてみれば「謎の言葉、基礎部分もわからない」ことになります。
時折業界関係者は専門用語を使うことで「すごいこと」と思わせるような話術をすることもありますが、「すごい」とは思われても「理解」はできないため、説明を受けた人が「自分ごと」にならないのです。
一般人にもわかる説明をする必要性
ではどうすれば「デジタル」を知らない人に「デジタル」を知ってもらえるでしょうか?必要なのは「基礎知識の補完」です。
デジタルについての基礎知識がなければその補完説明を行う必要があります。
例えば最近話題のランサムウェア、サイバー攻撃の一種でファイルが人質に取られ、業務遂行ができない状況にまで追い込まれることもあります。
業界関係者であれば、上記の話である程度の想像ができます。
でも、デジタル自体を知らない人からすると
「ファイルが人質って何?」「なぜ業務ができなくなるの?」
と疑問に思ってしまいます。
例えば、「普段メールなどでパスワード付きの圧縮ファイルを受け取ることもあると思います。このファイルは特定のパスワードを入力することで中身を見ることができます。ただ、そのパスワードが送付されなければ中身を見ることはできません。攻撃を行う人は皆様のパソコンの中にプログラムを送り込み、データを片っ端から圧縮していきます。皆様のパソコンには業務に必要な書類や撮影した写真など業務を行うために必要なものがたくさん入っていると思います。それらを全てパスワード付きファイルに変えられてしまいます。そしてその変えられたファイルの入っている場所に脅迫状が残っています。「パスワードが欲しければここに連絡してお金を払ってね」と。」
業界関係者からするとそこまで説明しなければならないのか?と思ってしまいますが、セキュリティ関係者以外には「人質?」「業務遂行ができなくなる」の背景が分からないから理解ができないのです。なぜできないのかというと
「知らないから想像できず難しく考えてしまう」
のです。
つまり、難しいことを簡単にするためには「相手と同じ目線でより具体的にイメージできるような言葉の補完が必要」になるのです。
私が普段行なっている講演は常にこの「相手と同じ目線」にすることを行なっています。知らないことをそのままにしてお話を進めても「知った風」になることはあっても「理解できない」ためです。
「理解」できなければ「アクション」にもつながりません。
複雑なロジックではなく「より相手目線に立った簡単な説明」が今こそ必要です。
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