【雑感】2021年J2リーグ 第10節 対V・ファーレン長崎~課題と収穫の綱引き~

東京ヴェルディ 1-1 V・ファーレン長崎

 東京都への緊急事態宣言の発令によりビジター席の設置が見送られ、完全アウェイでの試合となった今節。前後半でまるで別チームのような戦いで何とかもぎ取った勝ち点1。その要因を試合を振り返りながら考えてみたい。

スタメン

 前節・京都に0-2で敗れて2連敗中のヴェルディ。中3日の試合となったが出場停止明けの佐藤優平が復帰した以外は同じメンバーで臨む。
 一方の長崎は前節・山形に3-1で快勝。カイオ、ルアン、エジカルの外国人選手たちの強烈な個が噛み合いつつある。GK富澤は今季初出場、最前線にはエジカルが復帰する。

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的中した悪い予感

 前半の入りを見てて前節の京都戦と変わってないなというのが第一印象だった。1442でブロックを敷く長崎に対してヴェルディは左SB福村が高い位置を13133へ可変する。連勝中は2DH+トップ下でワイドの選手も内へ絞り距離感を近くしていたが、このところは再びフロントボランチがハーフスペースでワイドが大外へ張る事が多く悪いときの予感しかしなかった。
長崎の2トップルアンとエジカルはアンカー山本理仁をマーク受け渡ししながら加藤へプレス、SH名倉と澤田が対面する平と若狭へプレスかけていく。理仁へのパスコースがほとんど消されるためブロックの外側でボールを回すことが多かった。理仁へパスが通ったとしても速い潰しでボールを前進させることが出来ない。

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 SHの裏(=カイオ秋野の脇)で梶川と優平がボールを貰おうとするも窮屈な中盤になかなかボールが収まらず、攻撃らしい攻撃は最終ライン加藤から左サイドで張る福村への大きな展開くらいだっただろうか。またしてもシュートまで持っていけない展開が続きストレスを感じる前半になる。

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一方の長崎は昨季から継続された攻撃の形のような印象を受けた。秋野が最終ラインへ下がり、SBが高い位置を取る。ヴェルディはSBがPA幅に収まるくらい最終ラインをコンパクトにしてゴール前を固めるためにSHが大外を埋めるようにスライドが間に合わないときは長崎にスペースを使われる。

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 SHが下がると中盤のスペースが広くなり、調子を上げているカイオに自由を与えてしまう。その結果として前半立ち上がりから何回もシュートチャンスを許すことになり、前半28分に右サイドからの攻撃にカイオが攻め込み、混戦からのこぼれ球を見事に蹴りこみ長崎が先制する。

 今日も先制点を許したヴェルディ、時系列は前後するが20分過ぎに四方八方からのプレッシャーに苦しむアンカー理仁を右へ回して梶川とポジションチェンジする。視野の広さとボールを前進させることに長けている梶川の方がこの日は分が良かった。理仁も右サイドで張ることで身体の向きをピッチ内側に向けたままで得意の左足でボールを操れるため徐々にリズムが生まれる。

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ここまで大外から縦方向への突破しか出来ていなかった両翼の小池と山下も斜めに切れ込む動きが出来始めてようやくシュートが生まれる。終盤には小池と山下の左右を入れ替えて変化をつけていく。0-1でビハインドで前半を折り返す。

とにかく走って走りまくる

 後半からヴェルディは負傷した平と理仁に替えてンドカと石浦大雅を投入して優平をアンカーに配置する。

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 1442で守り速いプレスからビルドアップを許さなかった長崎であったがルアンに疲労の色が見えてきてプレスが緩くなっていくとンドカ、加藤、優平が自由にボールを扱える時間が増えていく。小池が中へ絞り凌我と2トップ気味になり左大外には福村が右は山下が張り前線の選手たちをめがけて後方からロング、ミドルパスが次々と蹴りこまれる。まるでアメフトのクォーターバックからのタッチダウンパスのようであった。
 途中出場の大雅も持ち前のポジショニング感覚を生かしてフリーでボールを貰い縦パスを入れることが目立ち、スプリントを繰り返す前線の選手たちのおかげで深さを取ることが出来て主導権を握ることに成功した。

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 自分たちのペースで三度迎えた左サイドCKからンドカがヘディングで競り合い、こぼれ球を小池が豪快に蹴りこみ同点に追いついた。

ベールを脱いだンドカボニフェイス

 疲労が見えるルアンに代わり富樫が入り、カイオがギアを上げたかのように力強いプレーを見せてゴールへ迫り再び活力が生まれる。ここで存在感を示したのが後半頭から投入されたンドカだ。過去2年間の水戸での活躍ぶりを見ていればその実力は十分に分かるだろう。
 新天地でのサッカーに苦労して9節までは出場がたった1試合と宝の持ち腐れであった。この日も負傷した平に代わり急遽出場したが、落ち着いたプレーを見せた。不安視された足元のプレーも確実にこなし、ショートパスでのビルドアップや最前線目掛けてのロングパスを入れる。最大の個性であるヘディングの強さは攻守にわたり大きな武器となり、攻撃時にはセットプレーのターゲットに、守備時は空中戦の競り合いにほぼ勝ち頼もしい存在でこれからの活躍にも期待出来るプレーぶりだった。
 試合の方はそのあとお互いにチャンスクリエイトしながらも決め手に欠き、1-1の引き分けに終わる。ヴェルディは低調な前半の戦いぶりから何とか追いつき連敗を2で止めた。

まとめ

 3連戦を0勝1分2敗勝ち点1で終えた。戦前の予想した力関係がそのまま反映されたような結果だった印象だ。前節と変わらず不甲斐ない戦いぶりになった前半は3年目を迎えるチームとしてはかなり厳しいものを感じた。連勝中のサッカーとは配置とやり方が異なり、むしろ悪い時のサッカーに戻してしまったことが招いた結果と捉える。
 後半から出場したンドカはようやく回ってきた出場機会でインパクトを残すことが出来たのではと思う。やはり水戸時代にレギュラーを張っていた実力者は欠かせない戦力になるだろう。
 前線の選手たちのスピードを生かしたシンプルな攻撃に戻したことで息を吹き返したかのように迫力が出ただけに良い面と悪い面が両極端の試合内容となった。GW連戦も順位が近いクラブとの対戦が続いていく。


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東京ヴェルディを中心にしたサッカーメモ、雑感を記します。