【雑感】2023年J2リーグ　第6節　対ロアッソ熊本～DF陣の3得点で快勝～

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東京ヴェルディ　3-0　ロアッソ熊本

　良い流れから先制点後、押し込まれる展開も配置換えで良い采配を見せてセットプレーから得点を重ねて終わってみたら3発快勝で3連勝。昨季ダブルを喰らった熊本相手に手を変え品を変え、リベンジを果たした試合を振り返りたい。

スタメン

　前節・藤枝に5-0で大勝したヴェルディ。北島が移籍後初スタメン。右サイドには河村が起用されシステムはいつもの1433で臨む。大卒ルーキーGK飯田とFW山田は初のベンチ入りを果たす。
　対する熊本は前節長崎に0-2で敗戦。メンバーが昨季から大幅に入れ替わったものの前節とメンバーもシステムも変わらず13133で挑む。

前半

　アウェイ2連戦を2連勝で帰ってきたヴェルディが立ち上がりから良い入りをする。この日、右サイドでスタートした河村が熊本左WB竹本の裏を取るようにスプリントして相澤を引っ張り出してクロスを上げる。前節の藤枝同様に高さで分がある阪野を目掛けてチャンスメイクをする。反対サイドからは2試合連続得点中の梶川、SB深澤大輝も飛び込む厚みある攻撃で連勝中の勢いそのままに主導権を握る。ボール非保持時も前節初得点を決めて初スタメンの北島が阪野と2トップ化してボランチ上村を消しながら熊本最終ラインへプレスをかける。中盤の選手も敵陣へ入り全体的にコンパクトな守備で熊本の攻撃の芽を摘む。

　先制点はペースを掴んでいたヴェルディだった。左サイドのスローインからパスワークをして阪野目掛けてのクロス。熊本がヘディングクリアするも走り込んだ左SB深澤大輝がボレーシュートを豪快に叩き込み2連勝中のヴェルディが先制する。

　ビハインドになった熊本が反撃に出る。多くの主軸が引き抜かれはしたものの大木サッカーの浸透度は高く昨季からの継続したスタイルを魅せる。WGの島村、松岡にWB三島と竹本が絡む。さらにCB黒木と相澤も加わり分厚いサイド攻撃をする。特に右サイドからの攻撃に深澤大輝と梶川が手を焼き、崩される場面が徐々に増えて行く。先制をしたヴェルディであるが決壊寸前になるくらい危ない気配が漂い始めた。サイド攻撃を受けて重心が下がり、先制点以降シュートまで持って行けず、マテウスも使ったビルドアップを試みるもパスコースを切る上手いプレスのかけ方をする熊本を前に前線へ繋ぐことも出来ずヴェルディは自陣でのプレーを強いられることになった。

　この状況で左の梶川とIH北島のポジションを入れ替えた。走力のある北島がやられっぱなしのサイドへ持ってくることで熊本のサイド攻撃に蓋をする。この采配はお見事であった。熊本の勢いを沈静化したことで再び盛り返したヴェルディは河村を中心とした攻撃で敵陣へ入り込む時間帯が再び増えて行く。CKからのシュートもあったものの得点には至らずヴェルディが1点リードで折り返す。

後半

　開始からヴェルディは北島に代えてバスケスバイロンを投入し、右の河村を左に回す。北島はゲームプラン通りだったのか45分間をフルパワーでプレーし攻守にアグレッシブに戦いミッションコンプリートをした。反撃に出る熊本は右サイドに粟飯原を投入。

　選手と配置を変えてギアを上げたヴェルディは右のバイロンがアグレッシブにプレーし、深い位置を取り攻撃を牽引する。サイドからの攻撃に2試合連続得点中の梶川がシュートを放つも枠を捉えられず決定機を逃す。ここは決めたい場面であった。

　前半同様にサイドに人数をかけて攻撃する熊本が大外とハーフスペースでの選手の横移動で巧みな攻撃からPA内の深い位置まで抉る。シュートまで持って行かれるも守備陣が身体を張ってシュートブロックを見せて枠内シュートは打たせずに熊本の攻撃を凌ぐ。

　状況打破するため加藤蓮と綱島悠斗を投入。左に加藤蓮、IHに綱島悠斗が入り河村がトップに回る。河村は右サイドからスタートして左にセンターと試合中に３トップすべてをこなし、もはや戦術・河村と言っても過言では無いだろう。
　追加点はその河村が獲得したFKから生まれる。セットプレーからの二次攻撃で左からバイロンがクロスを上げると平がドンピシャでヘディングシュートを叩き込みヴェルディが2点目を挙げる。

　DH林がボールカットにプレスバックと守備が冴えわたり中盤で相手を潰し、相方の途中出場の悠斗も長身を生かした守備で存在感を示す、2点リードの余裕から再度ヴェルディがペースを握ると3点目が生まれる。セットプレーから平がシュート性のクロスを蹴り込むと山越が合わせて追加点。これで勝負あり。

　マリオエンゲルス、Jデビューの山田と時間を使いながら上手く選手交代すると、終盤には前節藤枝戦同様に宮原がCBに下がり大輝を右SBへ回って5バック化して横幅を埋めて試合を締めて3-0でヴェルディが3連勝を飾った。

まとめ

　前節までの勢いそのままに先制。押し込まれると配置換えて沈静化に成功すると守備で耐えながらセットプレーから追加点、ダメ押しと理想的な試合運び3連勝を果たした。守備陣はこの日も身体を張ったシュートブロックで完封シャットアウト。しかも3得点すべてを挙げるというおまけつき。前線の選手たちは得点を挙げたかったもののプレッシングを含めてチームを献身していた。戦術兵器となっている河村や45分パワー全開の北島、バイロン、出場時間を伸ばしている綱島悠斗と選手のキャラクターを上手く使いながら90分通しての試合運びはお見事であった。
　敗戦した熊本はメンバーが大幅に変わったもののスタイルは変わらず良いサッカーをしているなという印象であった。ヴェルディの守備に得点は奪えなかったものの大木サッカーはしっかりと根付いていると実感した。
　3連勝4試合完封と良い流れが出来ている状態を維持したまま昨季2引き分けの大宮戦へ挑んでいきたい。