【雑感】2023年J2リーグ 第28節 対水戸ホーリーホック~これでも勝てず~

東京ヴェルディ 0-0 水戸ホーリーホック

 それにしても不思議なものでホームで勝てない。気づいたら9戦勝ち無しで7月も終わってしまった。前節の好調さもどこへやら、選手の組み合わせ、配置が変わっただけで低調になってしまった原因を考えつつ試合を振り返りたい。


スタメン

 前節・仙台に4-3の打ち合いを制したヴェルディ。活躍した齋藤が脳震盪のためこの日は欠場。山田が代わりに入る。それ以外は同じ10名で挑む。
 一方の水戸は前節・大宮と0-0の引き分け。山田、鵜木、杉浦、草野の4名を入れ替えて臨む。

前半

 日中の猛暑が残るなかで行なわれた土曜日のナイトゲーム。ヴェルディは最前線に山田が入って、染野が下がり目に位置する。染野と齋藤の時は染野が前だが、染野と山田の時は山田が前になるのかと。染野には齋藤のような役割を与えられてIHとして振舞い、ポストプレーも行ない、フィニッシャーにもなる。ただ、齋藤のようにライン間に上手く立ち、ボールを貰い、動くというプレーは少なかった。ちょっとタスクが多すぎるような気もする。

 山田は1442でコンパクトにハイラインを敷く水戸の最終ラインと駆け引きして、背後を取るように抜け出しを試みる。自陣深い位置から深澤大輝のロングフィードに抜け出して1対1の場面、そのあともマテウスから2本ほどロングフィードが繰り出される。裏抜けはあるものの前でどっしりと構えてポストプレーをしたり下がってのプレーは多くなく、染野とはキャラクターが異なる。

 染野と齋藤に求められていることを山田と染野にも求めているような気がして2人の個性が消えてしまっているようにも見受けられた。

 中盤の森田晃樹、サイドの北島や中原と前節の仙台戦のような活躍に期待され1442のコンパクトな水戸陣形を広げようと1235で幅を取るものの、取り過ぎてしまったのか選手同士の距離感が遠く、ワンタッチツータッチ、連動したプレーがあまり見られず、ヴェルディの攻撃は後方からのロングフィードに裏抜けという単調なものになってしまった。

 一方の水戸。こちらは1442から縦に素早い攻撃を魅せる。中盤DH武田を経由して攻撃を組み立てるものの流れの中からシュートにはなかなか行けない。6分にゴール前で獲得したFKから武田が強烈な左足で狙った場面くらいの見せ場で前半を終えた。

後半

 ヴェルディはハーフタイム明けから北島に代えて甲田を投入しそのまま左SHに入る。立ち上がりは水戸が押し込む。ボールを持ちながら全体的に攻め込み敵陣へ入り攻撃を仕掛けて行くも決定機までには至らなかった。

 対してヴェルディは60分すぎに平と森田晃樹に代えて、山越と綱島悠斗を投入。晃樹はコンディション不良だったと試合後に明かされた。中盤の軸をピッチから失ってしまったヴェルディ、そのあとには林が負傷をして西谷亮を入れる。前半はまだマシであったが中盤でボールを触って組み立てられる選手が不在になり、押し込んで行くも外循環のパスばかりになりU字でボールが回る。

 負傷で長期離脱中の梶川、この日欠場の齋藤、途中交代の北島、森田とライン間でボールを受けて前進できる選手たちが誰も居なくなってしまい、中央を経由しての攻撃がまるで無くなり、水戸の守備にリズムを与えてしまった。ボールよりも前に選手が多くなってしまうことが目立ちサイド起用された中原、甲田も孤立し数的不利になりなかなか仕掛けでの個の力が発揮出来なかった。PA内で脅威を出せる加藤蓮を先に投入して右サイドからのクロスに左から飛び込む攻めに集中させても良かったのではと結果論だが、思ってしまうこともあった。

 水戸には右サイド中心にカウンターから攻め込まれ、あわやという場面もあったものの何とか守備陣は耐えて無失点に抑える。

 終盤にセットプレー、右からのクロスに染野が決定機を迎えるも枠を捉えることが出来ずに結局は無得点。この日もホームでは勝てずスコアレスドローと自動昇格争いでは手痛い引き分けとなってしまった。

まとめ

 ホームで勝てず、連勝とはならなかった。守備陣は頑張り完封するものの攻撃はガムシャラさ、迫力を生み出せずまたもや無得点。選手が代わっても同じ役割を求めているようでそれが出来ていないところがあり、ベストメンバーで無いと攻撃力、得点の匂いが感じ取れないのだろう。試合後の監督インタビューで城福も語った通りに、選手層に厚みを生むことは急務だろう。それがトレーニングによる質の向上なのか、緊急補強なのかはわからないが昇格に向けて残り14戦、必須課題となる。
 順位が下のクラブからすると、敵地で勝点を持ち帰ればということでいろいろと研究してくる状況ではあるが、ここからは勝たなければいけない局面が続き、得点力がカギを握る。次節は前回対戦で逆転負けを喫した清水。ホームでの歓喜を味わいたい。