【雑感】2020年J2リーグ 第41節 対松本山雅~水曜日勝ち無しと負け無しの戦い~

東京ヴェルディ 1-1 松本山雅

 今節の振り返りは両者の要点を簡単にまとめてます。サクッとご覧ください。

スタメン

 前節長崎に敗れて4試合勝ち無しのヴェルディは引き続き最終ラインにはルーキー馬場晴也が入る。中盤右には山本理仁が起用。負傷した端戸に代わりトップは森田晃樹が務める。
 対する松本はエース・セルジーニョはベンチ外。杉本が起用される。2連勝で迎える一戦も基本的なシステムは変わらない。

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前半

 J史上最低気温、ピッチには雪が降り積もり、踏ん張りがききにくい悪条件の中でもヴェルディはいつも通りにボールを繋ぎながら地上戦で挑む。
  局面をみて遅攻と速攻を上手く組み合わせて効果的な攻撃が前半はみれた。ボール保持時、左SB奈良輪が1列上がり最終ラインは3バック化。中盤で井出とジョエルの2DH体制になって、理仁と潮音が1532で守る松本中盤3枚の脇に立つことが多かった。松本は2トップ(阪野、高木)+ボールサイドの中盤の縦スライドで3枚がヴェルディ最終ラインにプレッシャーをかけるがあえて自重気味のように受け取った。このようなことからヴェルディは全体を押し込んでゾーン3まで持ち運ぶ場面が多かった。

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 前半15分ごろからは、ボールサイドの松本WBが縦スライドで1列上がりスペースを埋め始めて対応をみせていき、ボールを繋いでじっくりと崩す回数は減っていった。

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 松本はボール保持時、1トップ2シャドーのように13421となり、全体が高い位置を取るヴェルディ最終ラインの背後を狙う。特に両WB鈴木、高橋とシャドー高木、杉本がサイドで絡みクロスから攻撃をみせるも決定機の回数ではヴェルディに劣っていた。

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 松本が攻撃をしたことで陣形が崩れている時や、松本が高い位置から嵌めに来る時はスピード溢れる山下中心のカウンター攻撃をみせる。先制点も見事なカウンター炸裂した。ゴールキックからマテウスが晃樹へ縦パスを入れて奈良輪がスイッチしてボールを貰う。走り出していた山下にスルーパスを通すと山下はGK圍と1対1を落ち着いて決める。

 その後も理仁がボールを握りクロス、スルーパスとチャンスメイクしてSB奈良輪、若狭がオーバーラップしてPA内へ入る回数も多く決定機を作り出していたがシュート精度に欠き追加点を奪えずに1点リードで前半を折り返す。

後半

 劣勢の松本は後半開始から高木に代えて塚川を入れる。この采配がズバリ的中する。前半は前線でターゲットとなるのが阪野1枚でなかなかボールを収めることが出来なかったが、フィジカルに優れる塚川も入ったことでターゲットマンが2枚となる。また、ヴェルディがボール保持時にPA付近までプレッシャーをかけていき、あきらかにプレス強度が上がっていく。最終ラインも押し上げることで、プレッシャーに負けて苦し紛れのラフなボールを回収して再び攻撃へ転じることが増えて行く。

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 久保田や杉本もPA内へ入っていき、クロスボールに合わせる人数が増えて後半立ち上がりから主導権を握る。マテウス中心に何とか凌ぐ展開であったが、66分に鈴木が中盤でボールカットするとそのまま持ち上がりクロスにファーサイドで塚川がヘディングシュートを落ち着いて決めて試合を振り出しに戻す。

 ヴェルディは佐藤優平、小池を入れて反撃に出るも勝ち越し点を奪えずにこのまま1-1でタイムアップ。
 どうやら、『松本は水曜ナイター勝ち無し、ヴェルディは負け無し』でこの試合を迎えたようだが、引き分けによってその記録を更新することになった。

まとめ

 前半に関しては良い攻撃の形が作れていた場面が多くかったが、課題のフィニッシュの質に悩まされた。一方で後半は松本の圧に負けて、試合を落ち着かせることが出来ずにリズムを失い必然となる失点を喫した。今季を象徴するような試合内容になってしまったと考える。
 雪のなかで開催されたこの一戦はDAZN実況解説の方も言っていたように、選手やクラブだけではなく審判団やサポーター、運営などあらゆる人たちにとって秋春制移行を検討するにあたり一つの参考材料になっただろう。
 波乱のシーズンも残り1戦、様々なニュースが飛び交っているが良い形で締め括れることを願っている。