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勝手に振り返る 2022年シーズン東京ヴェルディ~監督、選手編~

 今回で4回目を迎える年間の振り返り。開幕8戦無敗のスタートダッシュ成功したと思ったらそこから13戦1勝と大失速。負け無し、勝ち無しが超極端なリーグ戦で途中でまさか城福監督就任なんて思いもしませんでしたね。天皇杯ではJ2降格後、はじめて上位カテゴリーに勝利してあれよあれよとベスト8進出と痺れる戦いぶり。そんな浮き沈みの激しかったシーズンを振り返って行きましょう。

9位 勝点61 16勝13分13敗 62得点55失点 得失点差+7


監督

堀孝史 勝ち点26 6勝8分7敗 36得点36失点
 昨季途中に守備コーチから監督に就任。強度の高いサッカーを見せて開幕8戦無敗でスタートダッシュ成功するもスペースを突かれ始めて失点が増えてその後は勝ち無しの状態が続き途中解任。火中の栗を拾う形で大役を務めてくれたことには感謝。またどこかで!

城福浩 勝ち点35 10勝5分6敗 26得点19失点
 シーズン途中から監督就任したのはかつてライバルクラブを率いた熱血漢。天皇杯では川崎F、磐田を撃破してベスト8進出、一時は勝ち無しの時期があったが選手の適正をよく見極めてシステム変更後は破竹の勢いで6連勝を果たして年間9位フィニッシュ。勝利のラインダンスが最後までよく判っていなかった事実を最終戦終了後のスピーチで暴露した。

GK

1 マテウス 20試合19失点
 
アクシデントで出遅れてしまい、前半戦は出番に恵まれなかったが城福体制からは守護神として好パフォーマンスを披露。抜群のシュートストップ力は天皇杯でも圧巻でJ1王者・川崎F撃破の立役者に。能力の高さはJ1でも十分に通用することを証明してみせた。来日したブラジル代表のGK離脱により練習メンバーとしてセレソンに緊急招集されたことも今季のトピックス。

21 長沢祐弥 5試合9失点
 第3GKの立ち位置であったが、GK陣の不調もあり出番が回ってきた。7節の琉球戦ではスタメン出場して初めての勝利を味わい、ようやくJ2のスタートラインに立てたような感じだった。DFラインの問題もあるが、出場したすべての試合で失点を喫したのは高い授業料になってしまった。20代半ばに差し掛かり、キャリア選択の時を迎えようとしている。

31 高木和徹 15試合24失点
 長崎から加入していきなり古巣との開幕戦でスタメン出場。たまにやらかすプレーありながらもセルフビッグセーブを何度も披露。序盤戦はレギュラーを張っていたが複数失点で守備崩壊を招いたことと堀監督が退いたことでその後は出番を失いシーズンを終えた。

41 佐藤久弥 2試合3失点
 8節・大分戦でプロ初スタメン初出場を飾る。デビュー戦で完封勝利を挙げてとてもはしゃいだことが印象的だった。そりゃ人生で一度きりのことだから当然だろうけどね。次の熊本戦もスタメン出場するも敗戦でチームの今季初黒星になったことで再び序列を下げてしまった。夏には仲が良い新井がポルトガルへ移籍したことでプライベート面がちょっと心配。

DF

2 深澤大輝 32試合3得点
 
開幕戦で本職ではない左SB起用されたことを日向坂46影山優佳に取り上げられてちょっとだけ時の人になった。チーム事情もあり右も左もこなすことになったが、プロ2年目でだいぶ板についてきた。PA付近まで高い位置を取ることで流れの中でのシュート、得点も増えてきて逞しくなってきた緑の漢。実家通いJリーガーとして知られている。

3 ンドカボニフェイス 32試合3得点
 持ち前の空中戦に加えて左右両足でのパス、リーダーシップも増し、頼れるディフェンスリーダーはJ2屈指の選手になったと言っても過言ではないだろう。何度も繰り広げた相手エースとのパワーバトルは迫力満点だった。石浦に「判り易いキックフェイント」と暴露されてからはボールを持つたびにニヤけて見てしまうのはここだけの話し。

5 平智弘 11試合1得点
 コンディション不良もあり昨季に続いて出場試合が少なかったシーズン。終盤にようやく復帰してコンスタントに出場したがやはり寂しさの残る形になった。在籍7年で古株で主将を務めるだけに再起を期待したいばかりである。

15 馬場晴也 31試合0得点
 
長髪に髭面と21歳にはあまりに見えない風貌に対戦相手も驚いたという。若き日の丸を背負うその才能にはCBからはじまりSB、DHと様々なポジションで起用されてその適正が試された。最終的にはDHに落ち着き、力強く粘りある球際激しい守備とかつてのラモスを彷彿とさせるような見た目でピッチ上で存在感を示した。結局、得点を挙げられなかったことが心残りだろう。

16 山越康平 20試合1得点
 大宮を契約満了になったことで明治大コネクションとして加入した長身DF。CBのはずが開幕直前の相次ぐメンバー離脱でまさかの右SB起用が続いた。城福体制になってからは本職のCBでの起用に戻り過密日程となった夏場はターンオーバーを敷いた布陣で見事に役割をこなして獲得して良かったと思わせる心強さがあった。

22 佐古真礼 4試合0得点
 6節・山形戦で念願のヴェルディデビュー。DFということもありなかなか出番には恵まれなかったが天皇杯ではJ1川崎F戦でもスタメン出場して貴重な経験を積んだ。試合に出ていなくてもベンチで大きな声でチームを鼓舞する熱い緑のハートを持つ。

23 谷口栄斗 34試合1得点
 
開幕2戦目の栃木戦でプロデビューを飾る。右利きながらも左足でも鋭いボールを蹴れて、試合途中には左SBもこなす器用さを見せる。守備時に相手に簡単に入れ替わられてポカすることが何度かあり、まだ粗さも見られもう少しJ2で鍛えよう←

26 加藤蓮 30試合3得点
 プロ1年目ながら身体能力、一対一の守備力の高さを存分に見せたSB。裏抜けの上手さもあり、試合途中にはSHへ一列上がるオプションもこなす現代的なサッカー選手。プレーに確実性がついて数字を残せるようになってくればワンランク上へ上がれそうな気配がする。

28 山口竜弥 4試合0得点
 アクシデント、怪我もありほとんど試合に絡めなかったシーズン。出場したわずかな時間では力強いドリブルと負けん気の強さ溢れるプレーで違いを作ることが出来る選手だけに先ずは試合に出場し続けることが目標になるだろう。そういえば、オペラ風歌唱も全然聞けなかったなぁ。

32 宮本優 9試合0得点
 
とにかくマッチョ、胸板が厚すぎるマッチョな身体つきが印象的なファイター。テクニックはまだまだも、小柄ながらも当たり負けしない体幹の強さとスタミナは魅力的で来季以降が楽しみな逸材。SB、SH、DHと守備的なポジションを複数こなせることも監督からしたらだいぶ楽だろう。

38 アルハン 1試合0得点
 鳴り物入りで入団したインドネシアのスーパースター。加入発表されたことでヴェルディのインスタグラムフォロワーが爆発的に伸びて日本のプロスポーツチーム1位(約46万人)にまでなった。左利きのSBであるが、出場した唯一の試合では右サイドアタッカーに起用されてカットインする動きを見せた。試合前日に通訳がやらかして、けん責処分を喰らったことはチームにとっても苦い思い出。

MF

4 梶川諒太 39試合1得点
 
年齢を重ね、かつての元気印もチームの精神的支柱へ成長。得点こそ1点のみだがチームトップの8アシストを記録。中盤の真ん中で起用されていたが終盤はSHへ回って献身的なプレーで牽引しトップの出場時間を記録。同じくらい小柄な阿野真拓が期限付き移籍してしまったが、ラインダンス時に隣に並ぶボールボーイと身長が良い勝負な時がある。

6 山本理仁 17試合1得点
  泥臭さと力強さを身に付けてようやくプレースタイルが固まり一際存在感を示す。世代別代表や怪我で出場時間は限られてしまったが出場した時には違いを見せる活躍ぶり。若い頃から将来嘱望されているタレントはとうとう夏にJ1ガンバ大阪へ移籍。これからどんな道を歩むだろうか。幸あれ。

7 森田晃樹 34試合4得点
 プロの世界でも当たり負けしないフィジカルの強さもついてきて、持ち味のテクニックがさらに際立ったシーズン。上位陣相手にも引けを取らないパフォーマンスでそろそろかという予感が漂い始める。小柄ながらもヘディング練習をしていて仙台戦では見事にクロスからヘディングで合わせて得点を挙げた。

8 井出遥也 7試合0得点
 結婚も発表して今季にかける意気込みがあったもののまたしても怪我での離脱により物足りないシーズンを過ごす。ボールを持った時の迫力、違いを生むプレーは相変わらず素晴らしいだけに本当に勿体ない限り。来季どうするんだろう?

9 杉本竜士 31試合6得点
 
キャリアハイの6得点を挙げた”行儀が良いヤンキー”。若い選手も増えてきて年長組になり、後輩を指導する場面も見られヤンチャな頃を見ていたサポーターたちには涙ものだろう。怪我からの早期復帰が待ち望まれる。

10 新井瑞希 27試合5得点
 
堀前監督に重宝され、ボールを持ったらとにかく仕掛けるスタイルを築き、ドリブル数はダントツのリーグ№1。クロスやミドルシュートも決まるようになりJ2でも存在感を増すと、夏にまさかのポルトガル1部へ期限付き移籍。25歳になり残りサッカー人生を考えると勝負かけた移籍だろうから応援したい。

14 石浦大雅 20試合1得点
 オフのトレーニングの成果もあり当たり負けしないプロの身体付きになり開幕からトップ下に入り、攻守で献身性あるプレーを魅せる。19節大宮戦で嬉しいプロ初ゴール。お調子者の性格もゴール後には思わず涙する場面も。その後は離脱期間もあり出場機会を伸ばすことは難しかったが来季こそは飛躍の年へ。

17 加藤弘堅 27試合0得点
 
昨季よりは出場数を減らしてしまったもののピッチ内外では変わらず模範になる素晴らしい選手。山本理仁の移籍後はDHにどっしりと構えて落ち着き有るプレーで見るものに安心感を与えた。自身が帯同していなかった試合での勝利後のSNS上への写真には撮影した河村へ苦言を呈すこともあった(笑)

18 バスケスバイロン 28試合3得点
 
青森山田時代に高校サッカー選手権で名を馳せた逸材。粗削りながらも強靭な肉体を活かしたプレーと強気な姿勢はアクセントを加える。ラテン系らしく情熱的な性格でチームを鼓舞するあたりは早くからサポーターの心を鷲摑みした。将来性豊かなレフティは日本への帰化申請もしており、今後が注目される。

19 小池純輝 29試合3得点
 序盤に得点を決めることが出来ず、それが影響したのかそのあとも低調なパフォーマンスになってしまいたった3得点に終わり昨季の17得点から大きく減らしてしまう。ピッチ内外でも影響力高い名誉生え抜きは隔年ストライカーになってしまうのか正念場を迎える。

20 阿野真拓 17試合0得点
 プロ3年目を迎えたシーズン。これまでよりも出場時間を伸ばし、プロのプレー強度にも慣れてきてドリブルで相手を切り裂く場面も見せてきたが出番に恵まれなくなった夏に福井ユナイテッドへ期限付き移籍。まだ若いだけにプレー機会を求める健全な判断だっただろう。

24 奈良輪雄太 15試合0得点
 天皇杯ベスト16磐田戦での値千金の決勝弾には全ヴェルディサポーターが涙した。今季のハイライトの一つに間違いなくなるビッグプレーだろう。コンディション不良もあり出遅れてしまったが、ピッチに立てばプレー判断の鋭さ、献身性は健在でシーズン終盤は右SBのレギュラーを奪取した。

25 稲見哲行 12試合0得点
 怪我で出遅れなかなか試合に絡むことが出来なかった前半戦。26節大宮戦でデビューすると、フィジカルの強さを活かしたダイミナミックなプレーで中盤のサイズ感を補う。人呼んで”緑のバルベルデ”はパス組み立てに参加するよりもボックストウボックスで縦横無尽に走り回るプレースタイルが向いてると思っている。

33 橋本陸斗 3試合0得点
 
プロ2年目を迎えた今季も昨季と変わらず出場数は少なく、ほとんど試合に絡めなかった。早すぎたトップ昇格にも思えてしまい、クラブとしてもどうしたいのかを示す時期になっているだろう。

34 西谷亮 9試合0得点
 ユースからの昇格1年目から試合に絡んだルーキー。三竿健斗と山本理仁を混ぜたようなプレースタイルだろうか。懐の深いボールテクニックには大器の匂いが感じられて今後がとても楽しみな若武者である。

FW

11 端戸仁 5試合0得点
 高いポテンシャルはあるものの怪我の影響もあり、わずか5試合の出場。夏にJ3鹿児島へ期限付き移籍をする。加入4年間でフル稼働したことがなく使い勝手が悪く、ちょっと扱いにくい選手の部類になってしまった。

13 阪野豊史 10試合3得点
 開幕前の大怪我で大きく出遅れたが、その後の懸命なリハビリで終盤に戦列に復帰。ゴールへの嗅覚の鋭さはさすがストライカーの一言で短い出場ながらも勝点に貢献する活躍ぶりを見せた。インスタに上がっている広い家は一体どこなんだろうか?

27 佐藤凌我 40試合13得点
 
2代目武田修宏と言わんばかりのPA内でのポジショニングの良さでワンタッチゴール量産する貴公子。今季はポストプレー、ドリブルの向上、思いっきりよいミドルシュートも決まるようになり選手としての幅が広がりさらなる成長を遂げた。まだまだ進化は止まらない!

29 河村慶人 28試合3得点
 
開幕2戦目でいきなりプロ初得点を挙げて上々のスタートを切ったがそのあとは怪我に苦しむ。怪我からの回復と指揮官の交代でエッサッサの日体大魂はもはや馬のごとく90分間走り切る無心臓ぶりで信頼を勝ち取るとCFにSH、時にはSBまで1試合でこなす。アクシデントなどでチームの台所事情が厳しい時にもそのマルチぶりは大いに助け、数字以上の貢献度を見せた。

30 染野唯月 16試合4得点
 夏にJ1鹿島から期限付き移籍で加入。当初はスプリントや守備などのチームプレー面での強度不足を露呈してしまい不安があったが徐々にチームにも慣れ、J2のプレー強度にも適用していくことで自分のスタイルを見せて行く。足元のテクニックも優れているが、空中戦の強さが際立ちセットプレー守備時の跳ね返しや得点の大半がヘディングシュートと意外性があった。ちょっと抑え気味のゴールセレブレーションも印象的だった。

では!