テキスト版:昭和40年男の梶原一騎論

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ノート

第八回「巨人の星」(その2)(2014年10月号より本文のみ再録)

『巨人の星』は正しく評価されているだろうか?
 筆者が以前より抱えていた疑問に対する考察から前号は始めた。「いわゆるカッコよかないが、むしろカッコわるい試行錯誤のくり返しの中から磨かれて底光りする真のカッコよさ」「はためは滑稽だろうが、バカに見えようが、本人は一生懸命な男の美でありロマンである」(※1)
 上記の言葉が示すように作者が『巨人の星』で描きたかったのは、当時あったオトナたちの結果万能の

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押忍!(大山倍達)
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第七回「巨人の星」(その1)(2014年8月号より本文のみ再録)

今、『巨人の星』は正しく評価されているだろうか?
劇画原作者・梶原一騎の名を一躍世間に知らしめたといえる本作品を取り上げるにあたり、頭にまず浮かんだのがこの疑問だった。筆者が出した結論を先に言えば❝NO❞だ。
 確かに知名度は高い。2014年の現在も原作マンガは書店に並んでいるし、テレビアニメも地上波や衛星放送で流れている。昨年はアニメ放送45周年を記念してブルーレイボックスが発売され、数年前には

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俺は猛烈に感動している!(星飛雄馬)
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第六回「初恋物語」(後編)(2014年6月号より本文のみ再録)

初恋ー
だれもが一度は
その果実をかじる
しかし その果実の味が
同じであることは絶対にない
神はそれをやさしさで
与えたもうたのか
あるいは残酷さでー
(ジャン・コクトー)
 物語冒頭で引用された一文である。多感な思春期の連載当時、マンガやドラマでこうした愛や恋・青春に関する詩や文章に出会った時、それを忘れないようにノートに書き写したり、切り抜いたりして必死に暗記していたことを覚えている。恋に恋

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第五回「初恋物語」(前編)(2014年4月号より本文のみ再録)

今回取り上げる『初恋物語』は、百を優に超える梶原一騎作品において知名度ではややマニアックな部類といえる。しかし、連載期間(80~81年)に多感な思春期を過ごし、恋愛のノウハウをメディアから学んでいた昭和40年男にとっては、思い出深い一作である。そこで今回は『初恋物語』について語っていこう!

※『初恋物語』作品データとあらすじ

ラブコメマンガ全盛に苦戦した時代

 『初恋物語』が週刊少年マガジン

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第四回「タイガーマスク」(後編)(2014年2月号より本文のみ再録)

1月21日は梶原一騎の命日である。没後27年。僕ら昭和40年男に多大なる影響や数多くの思い出を与えてくれた梶原作品の数々を、この連載を通じて可能な限り紹介していきたい。そして、これをキッカケに一人でも多くの方に作品に触れていただきたい。さて、今回は前号に続き『タイガーマスク』について語っていこうと思う。

※『タイガーマスク』作品データとあらすじ

主人公の命を狙う敵組織❝虎の穴❞の魅力

 『タ

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第三回「タイガーマスク」(前編)(2013年12月号より本文のみ再録)

今回取り上げる『タイガーマスク』は、本連載第1回で提示した梶原マンガ世代別分類でいう“第三世代”(※1)の初期作品である。昭和40年男にとって雑誌の連載(※2)が3〜6歳、テレビアニメ放送(※3)が4〜6歳だから、リアルタイムの記憶はおぼろげなものでしかない。むしろ、後に繰り返されるアニメの再放送に関する記憶がほとんどだろう。
 ちなみに筆者の、最も古い記憶は、保育園の友達宅にあった当時の大ヒット

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第一回「あしたのジョー」(2013年8月号より本文のみ再録)

僕らが物心ついた頃には、梶原一騎はすでに劇画界の大御所だった。ヒットメーカーとして少年誌だけでなく青年誌にも連載の場を広げ、数多くの作品がテレビアニメ化や映画化されていたのだ。マンガから、テレビから、そしてスクリーンから幾多のドラマを浴びるようにして育った僕らは(好むと好まざるとにかかわらず)梶原作品から何らかの影響を受けている。大人になった今でもその影響を自覚させられる場面があるという人も多いの

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第二回「侍ジャイアンツ」(2013年10月号より本文のみ再録)

2013年のプロ野球界で、投手と打者の“二刀流”選手として注目を浴びる北海道日本ハムファイターズの大谷翔平。彼の活躍を目にする度に私はある人物を思い出してしまう。それは番場蛮だ。今から40年以上前の野球マンガ『侍ジャイアンツ』に登場した彼は、早すぎた“二刀流”選手だった。豪速球と幾多の魔球を投げる投手であるだけでなく、一本づり打法でここ一番チャンスに強い打者である番場蛮の、マンガやアニメでの大活躍

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