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「今の」蓮舫さんに送るエール

こんばんは。
今日もお疲れ様です。



1. 今回の都知事選だけは、私も真剣に頑張りました

蓮舫さん、落選してしまいました。
60年以上都民でありながら、実はこれまで都知事選には全く協力して来な
かった私ですが、今回だけは真面目に取り組み、公示日の前後併せて10,000枚以上のチラシを近隣に配り、事前の選挙区内決起集会には八王子の自宅から立川の市民ホールまで電動アシスト自転車往復漕いで駆けつけ、地元の
北野の市民ホールでの決起集会にも初めて顔を出し、選挙期間中は1,000軒
以上に電話かけまくり、最寄り駅で街宣すると聞けば飛んで行って応援も
しました。トップ画像は、政策発表日が急遽早められたため、手持ちの
チラシすべて、手書きでサインペンで訂正を入れて配りました。ずっと書き続けたため、右手死亡(笑)。今のところ、腱鞘炎は避けられた模様。

私の中では、60年以上都民をやってきて初めて、美濃部亮吉さん以来、
やっと政治家らしい政治家が出馬してくれたと思いましたから。
しかしこの選挙、そこまでやりましたが、現職が勝つだろうとは薄々勘づいておりました。

どうして判ったかって?
電話かけてみれば判ります。
1,000軒の家に電話したと書きましたが、そのうち(期日前に)「蓮舫さんに
入れたよ」と言ってくれた人は、1,000人中たった4人。蓮舫さん以外に投票した、と答えた人は、その10倍以上の50人近く。こちらは「蓮舫の選挙事務所の者です」とはっきり名乗っているので、誰に入れたかはハッキリ答えてくれない人がほとんどでしたが、そりゃあ小池百合子か石丸伸二のどちらかでしょう。
「まだ投票には行ってないが、もう誰に投票するかは決めている」と答えたほとんどの人も、蓮舫さんに入れてくれそうなニュアンスで語る人も、
ほとんど居ませんでした。
さらには、「まだ誰に入れるか決めてない」人達には、それはもう全力で
蓮舫さんに投票する意義を極力短く語る努力をする訳ですが、そこは今までの電話がけでも感じたことのない強い抵抗を受けました。

つまり、トータルで見て蓮舫さんが現職の小池百合子に追いつき追い越す感が全く掴めないままでしたから、この1,000軒への電話がけが統計学的に
正しいとまでは言えなくても近似値的に近いサンプルとすると、総有権者数1,153万人(6月19日東京都選挙管理委員会発表)中では蓮舫さんに期日前投票したのはたったの4万6,000人、石丸伸二に投票したのは蓮舫さん獲得票の
約1.3倍でしたから6万1,000人で、残りは小池百合子の期日前得票で
39万8,000票。
あいにく期日前投票結果の詳細は分けて発表されないで当日票と合算で発表される訳ですから(ですよね?)実際の期日前得票数はこの計算通りでは
なかったかとも思いますが、趨勢として小池百合子が圧倒的に優勢、というのは電話かけててあらかじめもう結論が出ていました。

なお、1,000軒中600軒は留守電で、実際は周囲に居るのでしょうが、こちらの吹き込む留守電メッセージを聞いた挙句さっさと消去してしまうのが大半だったでしょう。比率にしてそのうちの2/3位は、投票にも行かなかった家です。

それでも、投票箱が閉まる直前まで諦めずに頑張りましたけどね。
(なお言わずもがなですが、投票日当日は選挙活動は出来ませんので、公職
選挙法で認められている、落選運動と棄権防止電話かけ、いわゆる追い出し電話が出来ます)

2. 蓮舫さんが勝てなかった理由

あくまでも私個人の意見ですが、参議院議員を辞職して都知事選に臨むと
いう、蓮舫さん自身の決断が遅すぎました。

5月27日、つまり7月7日の投票日まで残り40日しかない日程で、出馬表明をした蓮舫さんですが、さすがに40日は、短過ぎました。

せめて、半年前に立候補を決断・公表していれば、なんとかなっただろうと
思います。

いや、もっと言えば、8年前の都知事選に立候補していれば、その時に蓮舫さんが都知事選に出馬しない旨を発表するのを待って小池百合子は立候補を表明したのですから、そもそも女性初の都知事に、出馬していれば蓮舫さんはなっていたのだと思いますが、自らそのチャンスを棒に振りました。

蓮舫さんはその時、民進党の代表になって、その先女性初の総理大臣を目指したかったというのは、覚えている人は多くないかも知れませんが、有名な話です。

その希望を蓮舫さんは叶えて民進党代表に就任するのですが、あいにく、
民進党時代の蓮舫さん、さしたる実績も残すことなく辞任します。

蓮舫 - Wikipedia

東京都知事選挙は、日本中の選挙で、最も得票数を稼がないと当選できない選挙です。
冷たい言い方になりますが、それを40日間でクリアするのは、よっぽどの
戦略と戦術、地盤もカバンも看板も用意して臨まないと無理です。
まぁ、蓮舫さんだから40日間で128万票も獲得できたとは思います。

また、5月27日の記者会見から7月7日投票日まで40日間しかなかったのですから、政策は一刻も早く作って公表すべきでした。公示日に発表していたら残り16日しかない、という単純な事実に最初に気づくべきでした。
途中で2日早めましたが、それでも遅すぎです。

さらに言えば、発表してから世間のウケが悪いことに気づいても、遅かったので手遅れです。

政策を練ったメンバーの問題もありますが、公表されてないので私も
コメントを控えます。
ただ、都知事選は参議院議員選挙や統一地方選挙と同じで、任期満了時に
しか通常選挙をやりませんので、立候補してから泥縄的に政策を立案するのではなく、例えば参議院議員でも東京選挙区の議員は、普段から政策を立てておいて、実現するまで使い回しすればいいのです。福祉とか生活補助とか多摩格差とか少子化対策とか。それに今回はPFAS問題とか浮上してきたものを、適宜追加すればよいのです。

蓮舫選対のメンバーは、自分達で政策練ってて、そのことに気づかなかったのですかね?

会社の事業で、常日頃そうした準備を怠っていると、最悪事業存続の危機を招きます。
会社の事業と違って、都政の政策の準備もれは決定的かつより深刻です。
会社組織だったら当然やっておくべきことを、政党がやれないのでしたら、政治の場から退場してもらうしかありませんね。

3. 「今」の蓮舫さんに起こることが心配です

さて、現状の不備の指摘をしてもキリがありません。先のこと、次のことを考えましょう。

でもその前に、「今」の状態の蓮舫さんに起こることで気がかりなことが
あるので、それを先に書きます。

参議院議員になってからの蓮舫さんは、20年間、ずっと参議院議員でした。

民主党が政権を取る前から、そして野党に転落した後も、今回まではずっと無敗でした。

政治家は、落選すれば「ただの人」に転落してしまいますが、蓮舫さんは
今回、政治家になって初めて落選し、ただの人になってしまいました。

7日投票日の落選報道で、蓮舫さんは今の気持ちを聞かれて、

失意泰然

と答えてます。

中国の四文字熟語に慣れ親しんだ世代なら、それで十分意味は通じますが、もし私が蓮舫さんのブレーンなら、「このタイミングでその言葉はダメ」とアドバイスするところです。
極めてシンプルな答えだから、切り取られる心配もなく、でもその言葉は
例えば下記の引用の様に、ちゃんと説明を付けて伝えるべきでした。

「得意淡然」「失意泰然」――。私の大好きな言葉です。それぞれ、「とくいたんぜん」「しついたいぜん」と読みます。「得意のときに驕(おご)り高ぶることなく、失意の時にはゆったりと構えていなさい」というような意味で、もとは明代の中国の崔後渠という人物による『六然(りくぜん)』にある言葉です。

「得意淡然」「失意泰然」 (bonjin-ultra.com)

この言葉は、言葉の意味をちゃんと判る人にしか伝わりません。
コミュニケーションの基本として、相手が知らない言葉を相手が判る様に
説明せずに発してはいけません。

私も選挙の落選経験があるので判るのですが、自身の落選を知った瞬間に、冷静にそうした言葉が出てくるのは、政治家として、人として極めて立派だと思います。
でも、蓮舫さんのそうした人格を褒める言葉は、ネットを探しても誰も発言していません。
日本人は、ここまで品格と教養を喪失してしまったのかと、私は天を仰ぎ
ました。

そして、日本のすべての男性の政治家に問いたい。
あなた方は、自分が落選した時、あるいは落選する時、蓮舫さんのこの言葉に勝る言葉を吐くことができるのか。
出来ないお前らは皆、蓮舫さん未満だ。

落選してただの人になってしまった実感は、その事実を知った瞬間には実はあまり強く感じられないものですが、投票日から1週間経ち、10日経ち、
1か月も経つと、じわじわと強烈に襲ってくるのです。
そして、本人が冷静で居れば居る程、周囲もだんだん気を遣わなくなって
きて、一人孤独に陥りがちです。
気持ちは停滞してふさぎ込みがちになり、思考力は衰え、夢も希望も見つけにくくなってしまいます。
私自身、その期間は選挙後の後始末を一生懸命やってた筈なのですが、その頃のことは、今思い出そうとしてもちゃんと思い出せません。
あまりにも強いストレスから逃れようとする、人間の防衛本能の様なもの
なのかも知れません。

蓮舫さんは、投票日から4日目、以下の様な投稿をX(旧Twitter)にしてます。

こうした投稿自体には問題はないですが、こうした投稿が途切れた時、
蓮舫さんの周囲の人達は、ぜひ気遣ってあげてください。

「あの時、本当に自分は全力を尽くしたのだろうか」という虚無感は、10年経っても容赦なく訪れてきますから。

4.「今の」蓮舫さんに送るエール

昨年Open AI社のChat-GPTが世の中の注目を集めて以来、AIシステム向けの半導体製造メーカーであるNvidia(エヌビディア)が今年、史上3社目の時価
総額3兆ドル(480兆円)企業となったのはすっかり有名ですが、同社CEOのJensen Huang (ジェンスン・ファン)は台湾出身です。家族でタイに移住し、さらに米国西海岸に移住を重ね、AMD等のコンピュータ向け半導体企業で
働いた後、Nvidiaを創設して30年もの月日を重ねて今日の偉業を達成して
います。

もっと身近な例で言えば、プロ野球選手の王貞治さんは、蓮舫さんと同じくお父さんが台湾国籍、お母さんが日本国籍です。台湾国籍のまま、王さんは国民栄誉賞第1号を受賞しています。

蓮舫さんは、今では日本国籍を取得しているのですから、出自のことで批判されるいわれはもうありません。

小池百合子に圧倒的な差をつけられたという報道がほとんどですが、小池
百合子自身も、1,153万人有権者全体の25%しか得票していません。
選挙に関心がない都民、「こんなクソ暑いのに、投票なんか行って
られるか」という選択をした都民が、合計で460万人居り、残念ですが
これが一番の多数派、サイレントマジョリティーです。
我が国に民主主義を根ざす闘いは、まだまだこれからです。

その小池百合子も、日本初の女性総理大臣になるという野望を捨ててない
限り、3選された都知事の椅子を、好機と見ればあっさり投げ出すこと
でしょう。
もし、途中で投げ出さず、任期満了まで都知事を勤めると、その時点で小池は75歳。そこから総理大臣を目指すのは、かなり目標が遠ざかったと言えるでしょう。
その4年後の自分の現実に小池本人が気づいた時、それで自分の政治的
キャリアのさらなる進展をあきらめてしまう様な珠では決してないと、
私は思います。
そうした彼女の視野や心に、都民を幸せにするとか、日本国民全体を幸せにするとかという視点は、全く感じられません。

蓮舫さん、途中で闘いをやめない限り、貴方にはまだ時間があります。
政治的感覚を磨き続けるために、途中で衆議院に鞍替えすることも、私は
賛同します。4年間、現役から遠ざかっていたら、さすがにそれは貴方だけの問題ではなく、我が国の損失です。落選により精神的負担を乗り越えて、一皮も二皮も剥けた状態で、衆議院の予算委員会で、またあの勇姿を見せてください。

そして4年後の都知事選は、ぶっちぎりで当選しましょう。
私もまた、全力で応援します。

頑張れ。

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