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小池百合子都知事が日本初の女性総理大臣になる可能性

(5/21追記)
内容に会わせてタイトルを変更しました。あと、見出しを作っていたのに目次を入れてなかったので、追加しました。

こんにちは。今日は、東京都の小池百合子都知事が日本初の女性総理大臣になる可能性について考えてみたいと思います。

元のタイトルでは、<内閣府編>のシリーズにしておりました。内閣府って、普段国民の眼に全く触れない裏方的部署ではありますが、ここが内閣総理大臣も内閣も支える部署ですし、民間企業で言えば秘書室のみならず、企画室も兼務している大事な部署と言っても過言ではありません。
女性首相が誕生したら、内閣府が一番重要です。

男性政治家が、見習うべき女性政治家のリーダーシップ

台湾、ニュージーランド、ドイツ、アイスランド、フィンランド、デンマーク、この7つの国に共通する2つの点はなんでしょうか。先月4月、米国のメディアで次々に記事が出て、わが国でも紹介され、目に触れられた方も多いでしょう。答えは、

1.女性が国のリーダーであること。

2.新型コロナウィルス対策にいち早く着手し、一定の成果を迅速に上げたこと。

Forbesの記事を挙げておきます。

この記事の著者でForbesのコントリビューターであるAvivah Wittenberg-Coxが、以下のような辛辣な発言をしておりました。(最後から3つ目の段落です)

Now, compare these leaders and stories with the strongmen using the crisis to accelerate a terrifying trifecta of authoritarianism: blame-“others,” capture-the-judiciary, demonize-the-journalists, and blanket their country in I-will-never-retire darkness (Trump, Bolsonaro, López Obrador, Modi, Duterte, Orban, Putin, Netanyahu…).

フォーブスジャパンでの、同じ記事の該当部分の訳は以下の通りです。

これらの女性リーダーたちが示した共感力や思いやりは、私たちに馴染みのある世の中とは別世界のものにも思える。米国のトランプ、ブラジルのボルソナロ、メキシコのロペスオブラドール、インドのモディ、フィリピンのドゥテルテ、ハンガリーのオルバン、ロシアのプーチン、そしてイスラエルのネタニヤフは対照的に、この危機を利用して恐ろしい強権体制を推し進め、他者に責任を転嫁したり、司法を手中に収めたり、ジャーナリストを悪者扱いしたり、永遠の権力を追求したりしている。

ちょっとニュアンスが違うかなと思いますので、自分で訳してみました。

これらの女性リーダー達とその業績を、この危機を利用して強権体制を強化し、他者に責任を転嫁し、司法を手中に収め、ジャーナリストを悪者扱いし、絶対に引退しないぞという暗黒の毛布で自国を包み込もうとしている「強い男達」と比較してみよう。トランプ、ボルソナロ、ロペスオブラドール、モディ、ドゥテルテ、オルバン、プーチン、ネタニヤフ、、、

日本での検察庁法改正案を巡る大騒ぎを、1か月前に予告してたような内容ですね。

そこも注目すべき点でしょうが、一番大事な結論は、最後に書いてありますね。

There have been years of research timidly suggesting that women’s leadership styles might be different and beneficial. Instead, too many political organizations and companies are still working to get women to behave more like men if they want to lead or succeed. Yet these national leaders are case study sightings of the seven leadership traits men may want to learn from women.

It’s time we recognized it—and elected more of it.
女性が他とは異なる有益なリーダーシップスタイルを持っている可能性については、長年の研究によって示されてきた。だが現状として、非常に多くの政治組織や企業が、リーダー職や成功を求める女性に対し、男性的な振る舞いを要求している。しかし、ここで示した女性首脳たちは、男性が女性から学ぶべきリーダーの資質を示す模範例だ。私たちは今こそ、その価値を認識し、より多くの女性リーダーを選ぶべきだ。

日本の場合は、残念ながら「男性顔負けの男性的な振る舞い」をしないと、女性初の総理大臣は登場しそうにありません。

4年前の、村田蓮舫民進党代表の致命的選択ミス

3年前に小池都知事が誕生する前、村田蓮舫参議院議員(以下、蓮舫さん)が民進党執行部から都知事への出馬を要請されていました。

それを断念したのは、都知事よりも当時の野党第一党の民進党代表の座を狙っていたからというのは、良く知られた話です。でも結局手に入れた党代表のポストでしたが、リーダーシップをろくに発揮できず、やがて辞任に追い込まれます。

「蓮舫とだけは都知事選を戦いたくない」と思っていたのは小池百合子さんでした。まともにぶつかったら、小池さんより蓮舫さんの方が圧倒的にTV映りの機会が多かったでしたから。蓮舫さんが都知事選に出馬する選択肢を外したことで、小池さんがすぐに動きました。都知事選への出馬を唐突に表明し、途中「排除します」発言で大不評を買ったものの、見事都知事の座を射止めた訳です。

蓮舫さんは、野党第一党代表の方が、女性総理への近道と思っていたのではないでしょうか。でも、その目論見は儚く消え去ってしまいました。

コロナ禍で益々人気の上がる小池都知事ですが、実はこの7月に次の都知事選挙があります。緊急事態宣言も発令中ですし、選挙どころではないのですが、東京都自民党が独自候補擁立を早々と断念したことで、小池都知事に対抗する候補者が事実上出ないであろうということが鮮明になりました。

東京オリンピックが延期になるかも知れないと言われていた頃は、それこそ貝のように国民より先に巣ごもり状態でずっと沈黙を続けていたのに、延期が濃厚と見るや否や官邸に行って早く非常事態宣言を出せと日参し、宣言後は連日記者会見を繰り返してますが、実は東京都の事態はそれほど深刻ではないとの報道が出ました。

私実は、小池都知事の特別補佐を勤めていた野田数(かずさ)氏ととある選挙で同じ席を争ったことがありまして、また小池都知事の衆議院議員時代の秘書を長年勤めていた人も知っております。その人が3年前の総選挙で、当時は自民党の別の衆議院議員さんの政策秘書だったのですが、突如秘書を辞め、お坊さんになり(!)、あろうことかその議員の選挙区で刺客として立候補し、あえなく落選したのでした。今どうしているかは全く判りません。
小池都知事の周辺の人は、壮絶な人生を送るように運命付けられているのかも知れません。

小池都知事の今後のシナリオ

なお、お断りしておきますと、小池都知事ご本人が新型コロナウィルス入院患者の数を正確に報道させない張本人であったとしても、それに対する嫌悪感は別として、今のところ、この人が日本初の女性総理大臣に最も近い位置に居ることは間違いありません。

7月の都知事選で再選を果たし、来年に延期された東京オリンピックを少なくとも形だけは成功裡に収め、国会議員に復帰するシナリオでしょう。

いや、もしかすると、東京オリンピックでの成功は早々とあきらめ、次の総選挙で知事職を投げ出し、議席を奪い返しに戻ってくるかも知れません。その時は、さすがに与党自民党にはストレートには戻らないかも知れませんが、野党共闘に参加する場合、間違いなく核の一つにはなるでしょう。例えば山本太郎氏と全面提携して、自民党を揺さぶりにかける位、小池さんにとっては造作ないことでしょうから。ともかく、情勢に敏感に反応し対応できる点では、この人の右に出る男性政治家も、わが国にはほとんど居ないでしょう。

知事職を投げ出すって、相当無責任ではありますが、都政より国政が大事ですと小池さんが訴えれば、納得する国民は少なからず居るのではないでしょうかね。
もちろん、これは完璧なポピュリズムであり、もとより小池さんにコロナ禍後の経済復興を果たす仕事は全く畑違いでしょうし、でも、小池さんのことですから、思い切った政策を打ち出すブレーンをしっかり抱えて政権運営していくと思われます。

少なくとも、政権中枢に女性が居た方が、「マスク2枚で国民の不安もパッと消えますよ」と提案されても「そんな訳ないじゃない」と言下に否定できるでしょうし、この非常時に、政府の中の人どころか中枢に居る人なのに、賭け麻雀やってたことがバレて辞任に追い込まれるような人を見抜いて、失態が発生する前に遠ざけることができるでしょうし、手許原稿やプロンプターでカンニングしながら官僚の作文を読み上げるのではなく、自分の言葉にしてから国民に語りかけることが出来るように、・・・なってくれると期待できます、たぶん。

そして、知事職を投げ出さなくても、2度目の任期を全うする頃には、自民党の力も今より更に弱っていることも考えられますので、それに合わせて復帰のシナリオを着々と練って実行することも小池さんなら出来るでしょう。

いずれにせよ、自分の道は自分でレール敷いて走れるような人材じゃないと、国民は安心して政治を任せる訳にいきません。小池さんにはぜひその点を期待したいものです。


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