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ブランディングには「換言力」が必要です

32万部突破の『言い換え図鑑』がおもしろい

仕事に疲れると会社近くをぶらぶらと30分ほど歩き回ります(概ね16時ごろかな)。立ち寄るのが多いのは、会社から10分ほどのところにある「リブロ東銀座店」。小ぶりの書店ですが、選書が気に入っています。

先日、目に止まったのが『言い換え図鑑』(大野萌子著)。副題は「よけいなひと言を好かれるセリフに変える」、何と32万部突破だそうです。早速、購入したのですが、おもしろい。失言癖のある方にはおすすめです。

「言い換え」はブランディングにも通じます。言い換えよりも「換言力」といった方がいいかもしれません。僕らはこれまで「編集力」「翻訳力」を使ってきましたが、どれも一つの概念を別の言葉に置き換える力です。

ブランドを正しく伝え、理解、共有するのは本当に難しい

ブランドは日本語にするのが難しい言葉です。らしさ、イメージ、アイデンティティなど、その一面だけが語られがちです。また、各立場によってもとらえ方はさまざま、大企業と小さな会社では取り組みが大きく異なります。

ブランドは人の記憶のなかに存在するので形がありません。そのため特定の人は熱烈に支持しても、他の人にとっては「何それ」が往々にしておきます(これが小さな会社でもブランドになれる理由でもあるのですが・・・)。

カタカナにアレルギー反応を示す人も少なくありません。日本語で説明してほしいと何度も言われました。「言っていることはわかるけれどもねえ・・・」もよく耳にします。ブランドを正しく伝えるのは本当に難しい。

「言葉を置き換える」、「文字や絵にする」、「誰かに語る」

さらにブランドの軸である「ミッション」は、本質性が強いため、どうしても抽象度の高い表現になります。ミッションに関わった人は語れても、他の人にとっては「?」が発生し、これが大きな壁になることがあります。

現場の第一線の人たちが共有しなければ、ミッションはお題目、絵に描いた餅で終わります。この重要でわかりにくい概念を共有するには、高いレベルの換言力、編集力、翻訳力(いい方は何でも構いません)が必要です。

どうしたらこの力を高められるのでしょうか。正解はありませんが、「言葉を置き換える」「文字や絵にする」、そしてこれが大事なのですが「誰かに語る」ことです。経営者やブランドリーダーには欠かせない取り組みです。



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