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事実を見つめ抜くと、事実が語り始めます

経験を重ねれば重ねるほど強くなるのが先入観

先日、取引先との会話のなかで「事実を見つめる」ことの大事さをあらめて感じました。「言われなくても、そんなことはわかっている」という声が聞こえてきそうですが、本当にそうでしょうか。

僕らは、事実を見ているようでいて、自分に都合のよいところだけを見て、先入観で判断する癖が身についています。結果的には過去の経験に基づく対策を立てるのですが、これが通用しにくくなっているのがいまの時代です。

先入観とは「これはこういうものだ」という思い込みです。刷り込みといってもいいかもしれませんね。経験を重ねれば重ねるほど、先入観は強くなります。子供の方が事実をつかまえていることって結構ありますよ。

汚れているという判断はどんな事実からきているのか

例えば「テーブルの上が汚れているのできれいにしてください」といわれたたとします。普通は「雑巾で拭く」。しかし、汚れているのは、その人が見て判断したことです。汚れそのものに先入観が入っているかもしれません。

ましてや、雑巾を手にした人も「汚れ=ゴミや埃や手垢」という先入感で判断して行動します。いわゆる自動思考ってやつですね。テーブルの汚れの事実はおいてけぼりです。実は油染みや傷かもしれないのに・・・。

僕たちは「テーブルの上をきれいにして」を、すぐにゴミや埃や手垢と紐付けし、過去の経験から雑巾を手に取りますが、油染みや傷は雑巾ではきれいにはなりません。仕事の現場にも似たようなことが実に多いのです。

「なるほど、これだ!」起きている事実の肝を見つけ出す

事実はいろいろなことを教えてくれます。複雑に見えたことが実はシンプル、たやすいと思えたことが実は根深い・・・。ていねいに事実を見つめ、関係をつなぎ合わせることが、「考える」ことの本質だと思うのです。

事実に基づき、考え抜くと、「なるほど、これだ!」と思えるような瞬間が訪れます(たぶん)。起きている事実の「肝」が見えるのです。こうなるとしめたもの、具体的な対策がおもしろいように浮かび上がってきますよ。

思うようにいかないときや、あれこれやっても成果が出ないときってありますよね。そんな時こそ、先入観を一度脇に置き、事実を幼子のような目で見つめましょう。やがて事実がゆっくりと語り始めます。そんな体験をぜひ!


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