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引き算で「ふさわしさ」の線引きをする

「無駄なものがない」というと功利的に聞こえるかもしれませんが、僕らのが取り組んでいるブランディングでは無駄を取り除くことについて、こんな風に考えています。それは「ふさわしくないものがない」ということです。

古いポスターが貼られたままの店、雑多な置物やオブジェが並んでいる店、店主の私物が我が物顔で置かれている店・・・気が付くと、店には足し算が増えていきます。日常の延長ではそれに違和感を感じなくなります。

足し算が統一され、店らしさになっているのならばまだしも、多くは目的もなく貼られ、集積されているだけです。集積と編集は大きく異なります。世界観は後者の編集という視点から生まれるのは言うまでもありません。

レコードとスマホから感じるパドラーズコーヒー の世界観

京王線の幡ヶ谷駅から歩いて7分ほどの住宅街に「パドラーズコーヒー」というカフェがあります。この店で流れている音楽の音源はLP盤のレコードです。CDでも有線放送でもなく、LP盤のレコードが同店らしさです。

「忙しくてもレコードをかけ直すのが僕らの仕事のリズムです」とオーナーの松島さん。店内にスマホ用の電源が設置されていないのも、「スマホばかりを見ていて、会話がないのは好きではない」という理由からです。

ブランドの世界観である「らしさ」は引き算から生まれます。らしさに合わないをものを取り除いていくと、自社のふさわしさの線引きができます。この線引きができると、次に何を足していけばいいののかが見えてきます。



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