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眠れない暑い夜は

やっといい季節になりました。
え?こんなに猛暑なのに?と思われるかもしれません。
だから、なのです。

昼間の猛暑をひきずり、夜もまだ暑い。こんなとき、ダイニングキッチンはまだ冷房はオンのまま。
静かで、ひんやりした台所は、天国です。
家人はそれぞれ自室でのんびり、それぞれの時間をたのしんでいる。じゃまされず冷蔵庫の掃除ができます。

まずは、食糧庫の戸棚をさらいます。古い缶詰をあけ、流しに放り込む。
かぱ、じゃー。かぱ、じゃー。
リズム良く、汚れ物を放り込む心地よさ。明日はゴミの日、臭くならない朝のうちに集積場へはこべばセーフ。

ようやく冷蔵庫に着手。からしやら醤油やら、小さなパックの、いざという時の貯蓄を、夜の判断力があまあまな今、これぞとばかりにゴミ箱へ。
使いかけのお肉やソーセージ。おかずののこり・・・。
それらをいちいちためつながめつ考えます。
すると、あ、これとこれであしたはオムレツ、なんていうアイデアが湧いたりします。

冷凍しておいた卵白の、ひと瓶いっぱいにたまったのは、
こんどの休みの日、ふわふわパンケーキにつかおう。
そんなことを考えていたら、下の段の目立つところに置いたブルーベリーを発見。これを焼いたパンケーキに添えたらさぞや美味しいことでしょう。

家人が旅先でかってきたなんとか味噌というのもあった。
味噌だから日持ちするけれど、ちょいと味見しただけで終わってる。
ぐうぜん隣においてあったのがレタスの使いかけ。
これと味噌がなんとかならないか。
思案をめぐらていると、肉味噌にしてサラダのトッピングという案がでた。
からっからに凍ったひき肉は、発掘するまでもなく居所をしっている。
よし!あしたの一品はこれに決まり。

冷蔵庫を制する主婦は、家庭を制する、
と、賢人が言ったとか、いわなかったとか。

某国立大学の学長が、「家庭は理論が通じる場所じゃない。才ある人はとっとと外に出てはたらくべし」といったとかいわなかったとか。

理論は通じなくても、家庭はまわさなくちゃならん。
話が通じなくても、子は育てなくちゃならんし、つれあいは育てにゃならん。ならん、ならんの女の生活。

「ならん」の始末は、夜の台所で。
気前よく、気持ちよく、家庭の不文律を壊して、
いらないものを始末する。
涼しい冷蔵庫の始末する。

冷房かけて許されるこの時期、
お盆の嵐の前の、心の洗濯。
やすむばかりが選択じゃない。捨てることで、洗いましょ。

なんだか、すてましょ音頭になってしまいました。
でも、早朝に鍋を磨く人、
夜中に床を磨く人、
みんな女性、お母さんです。
きれいにして、自分もすっきりする。
こんなすてきなことがあるでしょうか。

しずかな夜に、しずかな片付け。
暑い夜だからこそ、眠れなければ、冷蔵庫の片付けを。

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