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梅雨の日の、他人格

あーもったいない!

みなさま、こんな素敵なこと、毎日やってらっしゃる???

あーもったいない!

わたくしの場合、これは全くのストレス発散であります。

いっときはね、毎日やって整えておけばストレス感じないんじゃないかって、やってた時ありますけどね。逆にやらないとダメな自分な気がしてね、それがストレスになっちゃいまして。

そうじ、のことですよ。

雨降ってるじゃないですか、そう思っていると突然お日様が顔出したりして、まったくさだまらないお天気です。こんな時だからね、大掃除したんですわ。

カーペットやソファーカバーが、湿度を含んで何やら不穏な香りを発するから、思いっきり引き剥がして縦型洗濯機の穴に突っ込みます。

洗濯機。あれって、洞だと思いません? 決っして誰にも言えない秘密を持っている者が、誰かに言ってしまいたくて苦しくなったら、森へ行って穴をほって秘密を吐き出し埋める。あの穴、洞みたいだと思いません?

その穴、ウォン・カーウィ監督の『花様年華』という映画に出てくるんです。主人公は、ま、森じゃなくて、どこかの寺院の石の壁にあいた穴に向かって、アパートの隣人と不倫している秘密を囁くのですけどね。

そんな感じで、洗濯機に今日の、今年の、コロナなになってからのモヤモヤを突っ込むわけです。そして半乾きのそれを大胆に、階段の踊り場から下に向かって広げます。ふありと、洗剤の優しい香りが吹き抜けを通じて家全体に広がります。

華子の秘密もこれで永遠に秘密のまま。洗濯機の洞が担保します。

次は床。劇落ちくんワイプを装着して、ワイパー掃除。真っ黒な埃が出番とばかりに白い凹凸にこびりついて。ふわふわのダスターも、グレーの親戚を連れて太る。

汚れがつくほど、掃除はしがいがあるってもんです。


みなさま、毎日掃除をしてらっしゃる皆様は、何を甲斐にお掃除なさっていらっしゃるのかしら。

やっぱりうっすらと、埃が浮いてくるまで、じっと待っていなくちゃいけないんですわ。やりがいを感じるためならね。

あら、お気に召さなかったかしら? そしたら、無視か、オミットしてくださいまし。ええ、結構よ。


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