日々是ちゃいな

肩書き:会社員:年齢(秘密):経歴:鹿児島生れ。大学から中国語学習開始。きっかけ:中国…

日々是ちゃいな

肩書き:会社員:年齢(秘密):経歴:鹿児島生れ。大学から中国語学習開始。きっかけ:中国語で「牽牛織女」を聞いて感動した。実績:某国立博物館中国語ボランティア。中国美術書の翻訳。現在の活動:趣味に没頭中。趣味:中国語学習、書道他。 中国文化や中国語に関することを発信します。

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自己紹介

日々是ちゃいな 出身地:鹿児島県生まれ 好きなこと: 中国語、書道、篆刻(てんこく=印づくり) 旅行、神社仏閣巡りなど。 中国語との出会いは高校時代の漢文の授業です。先生が「牽牛織女」を中国語で読んでくださり、その美しさの虜になってしまいました。 同時に部活で書道部入部しました。書く楽しさと印づくり楽しさを知ってから、今も続けています。 大学では中国法を専攻。そこで、教授から中国語の発音を徹底して叩き込まれました。今でも中国語を学習できているのは、この時の基礎があったからで

    • 寒山寺詩碑(2)

      前回は兪樾(ゆ・えつ※注釈は寒山寺詩碑(1)を参照)の寒山寺詩碑の概要を書きました。江蘇省の巡撫(江蘇省のトップ・皇帝直属の大官)である の依頼によって、兪樾が書を補い、石に刻んだというところまででした。 今回は、兪樾の署名の下に小さく刻まれている字の話しから始めます。 「兪樾」と署名の左下脇に小字で「乙丑汪定執敬觀」と刻まれている字の話しから始めます。 「兪樾」と署名の左下脇に小字で「乙丑重陽汪定執敬觀」の9文字が彫られています。乙丑(きのとうし・いっちゅう)は1925

      • 寒山寺詩碑(1)

          楓橋夜泊   唐 張継 月落烏啼霜満天 江楓漁火對秋眠 姑蘇城外寒山寺 夜半鐘聲到客船 (読み下し) 月落ち烏啼いて 霜 天に満つ 江楓漁火 秋眠に對(たい)す 姑蘇 城外の 寒山寺 夜半の鐘聲 客船(かくせん)に到る (大意) 月が沈み、烏が啼いて 辺りは霜が降りた寒さに満ちている 江(かわ=割と大きな川、小川ではない)辺の楓や 漁火(いさりび=魚をおびき寄せるための明かり、かがり火)が うつらうつらとして眠れない私の眼に飛び込んでくる。 もうそろそろ夜明けだと思っ

        • 吾唯足知?吾唯知足?どちらが正しい??

           吾 矢ロ隹  疋(足のロを除いた部分と考えてください) 京都にある世界遺産のお寺の蹲(つくばい)で有名なこの言葉、どちらが正しい?と思ったことありませんか? インターネットで検索しても、どちらも出てきますね。 そしてその多くが、どちらも「吾 唯(ただ)足るを知る」と読む、という解説がされています。 ですが、個人的見解としては「吾唯知足」が正しく、「吾唯足知」(つまり蹲を時計回りに読む)は、読み方としては誤りだと思います。人情的に時計回りに読みたくなる気持ちはわかります。

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          水調歌頭 宋詞

          中秋節の代表宋詞 詞は音楽にあわせて歌うもので、唐詩のように定型句ではないため、長短句ともいわれる。この詞は蘇軾が山東省の密州という地域の太守をしていた時の作。お役人同士で酩酊大酔し、ふと故郷(四川省)にいる弟、蘇轍を思いだし詠んだものです。作曲家 梁弘志が曲をつけ、鄧麗君が哀愁ある歌声で歌ってヒットしましたが、90年代に入ってフェイ・ウォン(王菲)がカバーして、遠距離恋愛のカップルの心をつなぐ歌として有名になりました。中華圏でこの曲を知らない人はいないくらいです。 明月幾時有? 把酒問靑天。 不知天上宮闕, 今夕是何年。 我欲乘風歸去, 又恐瓊樓玉宇, 高處不勝寒。 起舞弄淸影, 何似在人間! 轉朱閣, 低綺戸, 照無眠。 不應有恨, 何事長向別時圓? 人有悲歡離合, 月有陰晴圓缺, 此事古難全。 但願人長久, 千里共嬋娟。 明月 幾時よりか 有る? 酒を 把りて  靑天に 問ふ。 知らず  天上の 宮闕は, 今夕 是れ 何れの年なるかを。 我 風に乘りて  歸去せんと欲すれど, 又た恐る  瓊樓 玉宇の, 高き處  寒さに勝(た)へざらんことを。 起舞すれば  淸影 弄(したが)ひ, 何ぞ似ん  人間(じんかん)に 在るに! 朱閣に 轉じ, 綺戸に 低くして, 照らされ  眠ること 無し。 應(まさ)に 恨み 有るべからざるも, 何事ぞ  長(つね)に 別かるる時に向(お)いて圓(まどか)なる? 人に  悲歡 離合  有り, 月に 陰晴 圓缺  有り, 此の事  古(いにしへ)より 全(まつた)きこと 難(かた)し。 但だ願はくは  人 長久にして, 千里  嬋娟(せんけん)を 共にせんことを。

          水調歌頭 宋詞

          水調歌頭  宋詞

          唐詩朗読_登鸛鵲楼_

          ちょっと舌かみました( ´艸`) やはり発音が難しいですね。 この詩は王 之渙(おうしかん 688-742)鸛鵲楼(かんじゃくろう)という楼閣に登って詠んだ詩です。「海に入りて流る」とは黄河の流れる勢いがつたわってきます。句末の「更上一層楼」は現代中国語でも「さらに上を目指して頑張ってください。」という励ましの意味で、手紙では良く使われます。 登鸛鵲楼  王 之渙 白日依山尽(白日 山に依りて 尽き) 黄河入海流(黄河 海に入りて 流る) 欲窮千里目(千里の目を 窮めんと欲して) 更上一層楼(更に上る 一層の楼)

          唐詩朗読_登鸛鵲楼_

          唐詩朗読_登鸛鵲楼_

          文化人の名前

          名前が多すぎてわからない 日本でも中国でも、文化人はいくつも名前を持っています。俳句をする人なら、俳号、たいていの芸術家は雅号(雅な呼び名)を持っています。1つやふたつなら良いけども、複数持っている人もいます。で、本人が生きているうちは良いのですが、鬼籍に入って、後世の人から呼ばれるときに、非常に困ることになります。個人の伝記などでは必ずしも、本名で書かれるとは限らないからです。また、美術本で書画を紹介するときに作者略歴も紹介しますが、本名であったり、雅号であったりします。

          文化人の名前

          漢詩の読み方3

          漢詩のリズムを決める平仄(ひょうそく) 平仄(ひょうそく)とは、中国語でいえば、中古音(後漢以降~宋くらいまで)での音の分類を言います。平(ひょう)とは、発音をしたときに、息が詰まったりしない音、 仄とは息が詰まる(つまり、長くは安定して発音できない)という意味です。 現代中国語と中古音の四声について 中国語には四声といって、発音のリズム(声調)があります。もちろん、唐時代の四声と、現代中国語(普通話)の四声は大きく隔たりがあります。まったく異なるので、現代中国語(普通話

          漢詩の読み方3

          論語について

          論語 冒頭部分の読み方も異説あり? 子曰く「学びて時に之を習う、また楽しからずや。朋有り遠方より来る、また楽しからずや。」 ※朋有り遠方より来る の部分は「朋遠方より来(きた)る有り」と読む説もあります。個人的には「朋有り」のほうが中国語で読んだときに、すっきり調子よく読めるような感じがします。 孔子の生きた時代を反映していない 中学や高校で習った方も多いと思います。論語は孔子の言行録として纏められたと言われていますが、孔子の死後200年以上経てから、漢代にまとめられたの

          論語について

          床の間のある生活

          床の間(とこのま) 現在は集合住宅が多くなり、「床の間」がかなり減りました。 室町時代が起源とされる床の間は、空間を彩る場所(演出空間)として 利用されてきた。いまは「床の間」といっても、わからない人も いるかもしれません。 床の間がある部屋は、その家で最も格式が高い場所と言っても良でしょう。 日本家屋の中で、客を迎える客間に床の間があることが多です。 家の洋風化が悪いわけではありませんが、床の間がないと、少し寂しさを感じるのは、わたしだけでしょうか。 床の間に使う掛け軸

          床の間のある生活

          印章

          印章とは何か 皆さんも良く使う印。俗にいうハンコ(判子) 木や竹、石などに彫られるもので、印章ともいいます。 本来「印」という字は権力者の手が人(人民)の頭を押さえつけ 跪かせる姿を文字にしたものだと言われます。 印は権威、信用の象徴である。個人名に○○印とあり、文書に押されていれば、その文書は○○の文書として公式のものとなる。どちらかというと 個人の証明の意味合いが強いです。 これに対して「章」も印ですが、こちらは古来「役職+章」という用い方が多い。もちろん、「役職+印

          漢文や古典は何の役に立っているのか

          漢文や古文は不得意でしたか? 中学や高校で「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」 「国破れて山河在り 城春にして草木深し。時に感じては花にも涙を濺ぎ 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす。」などと暗誦させられた方も多いと思います。学校を卒業したら漢文や古文を使う、読む機会は殆どないと言ってもよいでしょう。よほど専門で学習するか、趣味で学習を続けているかのどちらかでしょう。 漢文や古文を学ぶメリット 学校では授業のコマ数や単位

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          漢詩の読み方2

          鬼と会ったら帰れ 漢詩だけでなく、漢文を読むときにも「鬼と会ったら帰れ」と言われます。 え、鬼なんていないよね?と思うことでしょう。 これは漢詩、漢文を読むときに、「ヲ、ニ、ト」という送り仮名があったら 下から上に返って(返読・へんどく)読むという、ルールを面白く言ったものです。 返って読むのはレ点(かりがね点)、一、二点、上中下点、甲乙丙点、天地人点と呼ばれる「訓点」です。大体の漢文は多くても甲乙丙点までしか出てきません。天地人点が出てくるのは稀です。訓点は該当漢字の左下

          漢詩の読み方2

          漢詩の読み方

          漢詩が読めない 書道や詩吟をしている人でも、漢詩を詠み、書き下して、訳をできる人はそうはいないと思う。書道をしている人でも漢詩の形式は知っていても、即座に読み下せる人はそうはいないものです。試しにどこかの書道展に行って見てください。書道の作品、「なにがどう良いのかわからない!読めない!」と、思ったことありませんか?出品者が偶々側にいて、解説してくれることもあるかもしれませんが、まず稀でしょう。訳こそないものの、原文がついていればまだいいほうです。 漢詩が唐詩で、唐詩が漢詩

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          上級者と初級者

          上級者と初級者の区別は何を基準としているか どの外国語を学ぶにしても、初級とか上級とかいう言い方をする。 上級者と初級者の基準は個人によっても異なるので、一概にこうだとは言えない。 発音が滑らかで、話すのも流暢で、意志の疎通も図ることができる。 検定試験も高得点・・・なるほど上級者にはちがいない。ただし、それは「語学上」という条件が付くと考えている。 外国語を学ぶということは、その国の考え方や文化を学ぶことである。 単に話せる、すらすらと文章が書けても、その国やその国の

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          中国語の使役表現

          使役表現に使う漢字 日本人を悩ませる中国語表現の1つが使役表現です。 使役とは「AはBに~させる」と訳されます。 中国語では主に使shi3、让rang4(譲)があります。 このほか教jiao4、令ling4、叫jiao4もあります。 漢字の原義を知っておくと納得できることもある。 では、この5つは何が違うのでしょうか。 使shi3=使いする 我使她去买东西。(私は彼女を買い物に行かせる) 让rang4(譲)=譲る、相手にモノや有利な条件、利益を与えること 这里不让停车。(

          中国語の使役表現