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水調歌頭 宋詞
中秋節の代表宋詞 詞は音楽にあわせて歌うもので、唐詩のように定型句ではないため、長短句ともいわれる。この詞は蘇軾が山東省の密州という地域の太守をしていた時の作。お役人同士で酩酊大酔し、ふと故郷(四川省)にいる弟、蘇轍を思いだし詠んだものです。作曲家 梁弘志が曲をつけ、鄧麗君が哀愁ある歌声で歌ってヒットしましたが、90年代に入ってフェイ・ウォン(王菲)がカバーして、遠距離恋愛のカップルの心をつなぐ歌として有名になりました。中華圏でこの曲を知らない人はいないくらいです。 明月幾時有? 把酒問靑天。 不知天上宮闕, 今夕是何年。 我欲乘風歸去, 又恐瓊樓玉宇, 高處不勝寒。 起舞弄淸影, 何似在人間! 轉朱閣, 低綺戸, 照無眠。 不應有恨, 何事長向別時圓? 人有悲歡離合, 月有陰晴圓缺, 此事古難全。 但願人長久, 千里共嬋娟。 明月 幾時よりか 有る? 酒を 把りて 靑天に 問ふ。 知らず 天上の 宮闕は, 今夕 是れ 何れの年なるかを。 我 風に乘りて 歸去せんと欲すれど, 又た恐る 瓊樓 玉宇の, 高き處 寒さに勝(た)へざらんことを。 起舞すれば 淸影 弄(したが)ひ, 何ぞ似ん 人間(じんかん)に 在るに! 朱閣に 轉じ, 綺戸に 低くして, 照らされ 眠ること 無し。 應(まさ)に 恨み 有るべからざるも, 何事ぞ 長(つね)に 別かるる時に向(お)いて圓(まどか)なる? 人に 悲歡 離合 有り, 月に 陰晴 圓缺 有り, 此の事 古(いにしへ)より 全(まつた)きこと 難(かた)し。 但だ願はくは 人 長久にして, 千里 嬋娟(せんけん)を 共にせんことを。