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弓道の動作美学と身体の調和

弓道の動作美学と身体の調和
弓道において美しい姿勢は重要な要素です。身体と心の調和を追求し、動作美学的な側面から見た弓道の奥深さや、身体と心が一体となったときの感覚に焦点を当て考察しています。

射法八節は、弓道の基本動作で、「足踏み、胴づくり、弓構え、打ち起こし、引き分け、会、離れ、残心(身)」の8つから成り立っています。これらの動作は組み合わさり、一貫しているため、注意深く行う必要があります。

最初に、足踏みでは矢束程度の幅で足を開き、的を見定めます。次に、胴づくりでは足踏みを基にして背筋を伸ばし、上半身を整え、身体の軸を作ります。足踏みと胴づくりによって身体のバランスが整ったら、弓構えで取り懸けをし、手の内を整え、物見で狙いを定めます。打ち起こしでは、矢を水平に保ちながらやや上に持ち上げ、引き分けでは、水平を意識して矢を引きながら左右のバランスを崩さないように注意します。(弓道の基本より)

筆者の射位

会では、狙いが定まり、弓矢が伸び合った状態です。離れでは、矢を放つ瞬間に身体のバランスを崩さず、身体の中心から左右に開くように伸ばします。残心(身)では、射が終わっても気を緩めず、左右対称な姿勢を保つことが重要です。

射法八節は弓道の基本であり、一つ一つの動作が終始関連しているため、丁寧に行う必要があります。弓道は年齢や性別、体力の差に関係なく多くの人と競技しながらコミュニケーションが取れ、自己の体力に合わせられる素朴で親しみやすいスポーツです。私が76歳で交野市 球技連盟 弓道部に入部した理由は、後期高齢者となり心身の鍛錬になると同時に、日本の文化や歴史に触れ、美しい姿勢を保ちながら無心の境地を味わいたかったからです。

最初は弓を引くことが容易だと思っていましたが、実際には射法八節の動作をゴム弓で丁寧に練習しました。的前以外の練習を重ね、有段者から基本の大切さを学びました。的中にこだわるよりも射形が整っていれば的に自然と中ることを理解し、課題を克服するために有段者や指導先生を仰ぎながら技術と精神面の向上に努めています。

「引く矢束」と「引かぬ矢束」についても理解を深め、気力の充実による離れまでの持ちこたえや、縮むことなく機熟し、矢を放つタイミングを自然に感じ取る能力で自覚し矢を放つことを目指しています。「引かぬ矢束」の修練が肝要であり、早気やもたれに陥らず伸合いに徹することが言われています。

日置流では引く矢束引かぬ矢束にただ矢束放つ離れにはなさるるかな

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弓道は美しい姿勢と精神の向上が求められるスポーツであり、その魅力に引かれて挑戦しています。今後も一本一本に心を込めて技術と精神を磨き、真の射を追求していきたいと考えています。弓道の真善美を体得したいと考えています。

交野市 球技連盟 弓道場より


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