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タフティングガン“以外”のタフティングツール

はじめまして、つちやと申します。
「タフティング」と呼ばれるファブリック製造技法を軸に据えて、制作・調査・制作支援を行うことを目的としたNeutuft(ノイタフト)という活動を主宰しています。

昨今、単に「タフティング」と言った際、多くのかたがイメージするのは、「タフティングガン」と呼ばれる手持ちの電動工具を用いて制作する風景かと思います。
しかし、本来「タフティング」は繊維を何らかの手段で生地に植え込んで、ファブリック製品を製造する“製法全般”を指す言葉です。そのため、タフティングガン以外にもタフティング製法を再現できる道具が何種類か存在します。

本記事では、電源を使用しないアナログツールを中心に、タフティングガン“以外”のタフティングができる道具を、タフティングガンと比較した際のメリット・デメリットも交えつつご紹介します。


自宅ではじめるホームタフティング入門

自宅やワークスペースで“個人的に”タフティングを楽しむ、いわば“ホームタフティング”を行う人が増えてきました。本マガジンでは実践にあたって必要な知識・情報をまとめています。

1.ニードルパンチ

筒状のニードルをピンと貼った布にプスプス刺していくことでパイルを作ることができるツールです。
パイルの形状はループパイルになります。
ループの先端を仕上げのタイミングでカットすればカットパイルになります。

パイルの高さの設定をかんたんに変えられる商品が多いです。
かなり小回りが効く一方で、制作時間はとてもかかります。
作業音はほとんど出ず、怪我の心配もないため機械が苦手な方でも安全です。

2.マニュアルタフティングツール

手動のタフティングツールです。
左がループパイルタイプ、右がカットパイルタイプになります。

仕組みはタフティングガンと全く同じです。
進行のスピードを自分の手でコントロールできるため、ニードルパンチほどではないですが、小回りが効きます。
作業時の振動はそこまで出ないものの、「パチン…パチン…」という作業音がそこそこ出ます。(特にカットパイル)

3.ダネラ

デンマークの工芸品「ダネラ」もタフティングの一種と言えるでしょう。

ダネラもニードルパンチ同様、筒状のニードルをプスプス刺していくことでパイルを作ります。ダネラはツールの持ち手についたリールを回すことで先端のニードルをピストン運動させます。

道具を組み合わせることで表現の可能性が広がる

タフティングガンを使用しての制作は環境的な制約が多いです。
例えば、タフティングガンは作業台などの振動音も含め、電動工具としての作業音がそこそこ出ます。
必要な道具もある程度大掛かりになるため、収納スペースと防音を考慮した設備が必要になります。

また、タフティングガンは大きな作品を素早く作ることができる一方で、繊細な作業には向きません。
実際にわたしも制作の中で、細かい部分はニードルパンチで打ち込み、広い面積はタフティングガンで打ち込む、など要所要所で組み合わせて使用することが多いです。

道具や製法にはそれぞれ良いところもあれば悪いところ(得意なこと/苦手なこと)があります。
それぞれのツールを知っておくことで、制作スタイルにあった道具を選ぶことができますし、各製法の向き不向きを補いながら、表現の可能性を広げることにもつながるかと思います。

おわりに

以上、本記事では電源を使用しないアナログツールを中心に、タフティングガン“以外”のタフティングができる道具をご紹介しました。これからタフティングをはじめたいという方に参考になれば幸いです。

なおNeutuft(ノイタフト)では、毎週末に都内のアトリエでタフティングワークショップを開催しています。
Neutuftのワークショップは、製法上の特性を良し悪しを含めて体験していただけるように設計しています。
また、本記事で紹介したツールについて、アトリエ所有のものについてはワークショップ時に試すことも可能ですのでご興味があればお声がけください。

小規模な内容とはなりますが、ご興味を持たれた方はよろしければオンラインストアの方で受付を行っておりますので覗いてみてください。

Neutuftとは?

Neutuft(ノイタフト)は、タフティングを中心に“DIYによる創作活動をより身近にできたらな”という思いで始めた「制作支援」を軸とした活動です。

タフティングについてもっと知りたい方は

自宅やワークスペースで“個人的に”タフティングを楽しむ、いわば“ホームタフティング”を行う人が増えてきました。実践にあたって必要な知識・情報を下記のマガジンで不定期投稿しています。
よろしければチェックしてみてください。


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