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【書籍編】愛するということ(エーリッヒ・フロム)

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エーリッヒ・フロム著「愛するということ」について思いついたことなどを綴ったものをまとめました。
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#母性愛

【読書感想文】愛するということ 2/3 「母性愛の難しさ」

【読書感想文】愛するということ 2/3 「母性愛の難しさ」

前回記事で「精神的な態度は使い分けることはできない」という意味合いで「分業はできない」ということを紹介したが、今回は本書の特筆点の2つ目、「母性愛の難しさ」について述べていこうと思う。

母性愛の難しさこれだけ聞いてもさっぱりわからないかと思う。

「母親が子供に対して等しく最大限に無償で捧げるものであるだけに、そのどこに難しさがあるのか?」
文中の一文を見るまでは疑問符が残っていた。

母親は子

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「"与える"という行為の強さ」の話

「"与える"という行為の強さ」の話

エーリッヒ・フロム曰く、様々な愛の形の根底には「友愛」というものが存在し、すべての他者、つまり自分以外の「無機物の物体」も含めたあらゆる存在に対して向けられる「その人の人生をより良いものにしたい」と願う、人間のごく基本的な感情の一つである。

その友愛にまつわる能力は6歳前後、日本では小学校入学の前後に成長が始まる。

それまでは母親からの無償の愛、「母性愛」によって受動に終始していたが、子供特有

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