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狂雀士の徒然麻雀録その13◉接客業

東3局に親の第1打が南、南家の第1打も南ときて私の手は南切り以外あり得ないような手格好だった。
私は(仕方ないな)と思いながら①を捨てた。後ろ見してたアルバイトの子もその意図は分かったと思う。この店には四風子連打のルールが採用されているからだ。
従業員がお客さんの親を流していいのは勝ち確定のオーラスだけだ。それが接客業というものである。
次巡。私の手は南切りしかあり得ない手であったがここで③を捨てた。この意味を後ろ見しているアルバイトの子に後で聞かれた。良い所に気付く。
結局3巡目には南を切るのだが安全性を考えて持ってたわけじゃない。
ではなぜ前巡捨てていないのか?

仮に私が2巡目に南を切るとカンのいいお客さんは

ああ、従業員規制か。対等の立場で勝負してると思ってたけどやっぱり所々ハンデ背負ってやってるんだ。

ということを察されてしまい、(悪いな)という気持ちにさせてしまう可能性がある。
また、仮にその局を親がツモっても
本来なら無かったアガリで勝ったに過ぎない。と思ってしまうのも良くない。気分良く勝って欲しい。

そういった気持ちにさせないのもサービスの1つと私は考える。

もちろんこのサービスは誰にも気付かれない。気付かれてはいけないのだから当たり前だ。
感謝されることは絶対にない。

それでも私は3巡目に南を切る。

これが麻雀における接客なんだよとアルバイトの子に教えたのだった。


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