異次元その25◉アガれる機会の貴重性
早いテンパイをしたからと言って早いリーチが最良とは言い切れない
その大きな理由に麻雀の仕組みの見落としがある。
誰もが知っていながら深く考える人はあまりいないルール
それは1局にアガれる回数は1回だけ。という、アガれる機会の貴重性についてだ。
例えば麻雀が誰かがアガっても局は終わらず流局までアガリ牌が来る度に毎回アガれるルールだとしたら多くの手は最速で作ったリャンメンテンパイ即リーチが最良の手段となるはずだ。
しかし、麻雀は1局1回しかアガれないルール。その貴重な1回をせっかくアガれそうな手が来た時に3巡目リーチピンフのみなどで可能性を早々に見限り安手であとは裏ドラに任せるなんてしてるのが最良の手段となり得るだろうか?
もちろん結果的に最良であったという場面は多々あるが、その判断は雑であるし、それ以降にこの局にどのような動きがあるかも分からないうちから無防備になるには価値が低すぎると言えるかもしれない。
それでもこれが最終形でこの手を最高打点にするにはここにリーチを加える以外無く、それで勝負で後悔ないという時もある。
だが、そうではない時もある。
毎局流局はしないが多くの局は12巡目くらいまでは続く、そこを信じて焦ることをやめれば落ち着いて最適な形になるまで信じて作り直す余裕が生まれると思う。
可能性を自分から見限らず、焦ったリーチはせず、チャンスを確実にものにした時、最大限まで勝てる可能性が高まるのである。
逃したチャンスは2度と来ない。チャンスとは貯めることの出来ない貴重なものだという認識を持つこと。
魔神の父から一言
☆☆☆★★
「1局にアガれる回数は1回だけ」なんてことを聞いても,多くの人は「そんなこと当たり前じゃん」と思いスルーしてしまうことでしょう。しかしこれを「早いリーチが最良とは言い切れない」根拠としてしまうのが,狂雀士さんの面目躍如といったところでしょうか。
以前桜井章一さんが「千点の手は千点で,満貫の手は満貫で和了れ」とおっしゃっていて,成程と感心したことがあったのを,ふと思い出しました。
この項のもう一つの魅力はさりげなく「麻雀の仕組み」という発想を登場させていることです。これは「この世の仕組み・成り立ち」をにらみ,「そもそも世界とは」「そもそも人とは」について考える,哲学者狂雀士さんの片鱗が表れています。
ただここではそういったことをさらっと触れているだけなので,いつかより重厚な項をたててくれることを期待しています。
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