見出し画像

【小話】初心者向け鬱ゲーを紹介してみる試み

こんにちは、なるぼぼです。

つい先日、リアルの集まりで「推しプレゼン」なるものを実施しました。
大学のサークルでやっており、その名残でやろうという話だったのですが、まぁ色々とやってたゲームも変わってるし、せっかくだから鬱ゲーでも紹介してみるか!と一念発起。
当時は文章を書いていなかったので、不思議な気持ちでスライドを作っていました。

今回は、そんなプレゼン内容を記事にまとめながら、鬱ゲーを始めたことない皆さんに、簡単に初心者向けタイトルをご紹介しようと思います。
既存記事と重複する点もあるので、リンクを貼ったりするけどご了承ください。
それでは早速行きましょう。


1.鬱ゲーの特徴、魅力

鬱ゲーってすごいですよね。
僕は「ゆめにっき」を起点として10年ぐらい鬱ゲーと付き合いがあったりなかったりしたのですが、いまだに自分にまとわりついてくるのでもはや恐ろしいほどです。
ダークな展開やプレイヤーを嫌な気分にさせる要素が、却って魅力になるのですから、何とも不思議なものです。
僕は鬱ゲーにも変遷があると考えており、その主張がちょこちょこ出てきます。詳しくは後程。

鬱ゲー、何が魅力なんだろう?と考えて色々捻りだしてみました。
最近のインディーゲームに対しては「社会学的に学べることが面白い」とか理屈的なことが言えるのですが、昔のわけわからんことばっかやってたゲーム群には具体的なこと言えないんですよね…。
あえて表現するなら「被虐心の刺激」なんでしょうが、ただ単に俺はMだ!というわけでもないような…。
わけがわからないからこそ、理解したくなるような、いわゆる知的好奇心の刺激があるのかもしれません。

あと、最近なんか鬱ゲー人気ですよね。
今思うと、なんだかんだで「Undertale」あたりから「インディーゲーム=考えさせられるような要素がある」みたいなイメージがついて、そこから心理学的な部分と組み合わさった鬱ゲーが増えた気もするので、ちょうどいいタイミングでこのジャンルを知ったのかも。
「Undertale」もリスペクト元に「MOTHER2」とか「女神転生」とか、カルトゲームに近い熱狂的タイトルを挙げているので、まぁこうなるのも自然なのかもしれません。

プレゼン中に紹介したのですが、今はYoutubeのゆっくり鬱ゲー解説動画がメジャージャンルになってきている印象があります。
登録者10万人超えの鬱ゲー紹介チャンネルもあるらしいです。
鬱ゲーがレッドオーシャンなんて世も末だなすごい時代になったものですね。
あと、地味にタイトルパクられた話もしました。
自分の記事も、こうしてYoutuberに読まれているんでしょうか。
僕は鬱ゲー好きを公言しているとはいえ、鬱ゲー以外もバリバリ記事にしちゃうので専門的ではないのですが…。

2.鬱ゲー紹介の前に 鬱ゲー分類

皆さん、これ疑問に思いませんか?
正直鬱ゲーって他人に勧めにくくて、どこまで許容できるのか、その人のキャパシティによってトラウマにまでなってしまうと思うんです。
そういうこともあってか、僕はギャルゲ系統のサウンドノベルには今回タッチしていません。
あの系統、特にキャラクターに感情移入しやすい人だと、完全にトラウマになりかねないと思うんです。
僕がそうなので…。
「CHAOS CHILD」とか、「ひぐらしのなく頃に」、「さよならを教えて」や「フラテルニテ」あたりも鬱ゲーの天下ですが、まぁこの辺は紹介するとメンタルに異常な影響が出かねないので今回は紹介していません。

わかりやすく鬱ゲーを理解するために、僕は鬱ゲーを電波ゲーと区分けして表現することがあります。
今回はその話をちょっとだけしていました。
鬱ゲーはその名の通り鬱な要素がしっかりあるゲーム、電波ゲーはキャラの行動やゲーム全体の世界観が意味不明すぎて理解できないゲーム、と区分けしています。
Milkやニディガ、さよ教は鬱ゲー、LSDやゆめにっき、ムーンライトシンドロームは電波ゲー、みたいな分類をしています。
個人的にですが、オカルトや多重人格が流行ったPS1系統のゲームは電波ゲームが多く、社会的な問題を検出しだした現代のインディーゲームは鬱ゲーが多いという印象です。

3.電波ゲー紹介

前提はこのあたりで。
具体的なゲームの紹介です。

①プラネットライカ

こいつは記事書こうと思っているのですが、なんだかんだ書けていないタイトルです。
火星に調査に向かう主人公一行が、星の悪意に飲み込まれていくゲーム。
悪意に飲み込まれるというだけでめちゃくちゃですが、多重人格がすべてのキャラに実装されているので、誰がどの人格になっていて、何をしゃべっているのかわからなくなります。
あと普通に電波会話してきます。
何言ってるかホントにわからん事が結構多いです。
ただ無茶苦茶な癖して、キャラクターの過去に何らかのトラウマがあったことが伺えるように、電波っぽくもどこか暗いものを感じるタイトルです。
入手困難ですが、PS1を代表する電波ゲーとしては、比較的お求めやすい部類に入ると思います。
意外と鬱ゲーっぽいところもあるので、狂ってる感じが非常に良いですね。

②ゆめにっき

伝統芸能。
2000年代を代表するような電波ゲーです。
夢の中を歩き回るゲームですが、メルヘンでゆるふわな雰囲気は少なく、手足、臓器、血などのグロい部分がこれでもかと出てきます。
ただ、その表現も妙に宙に浮いているような非現実味があるため、グロさを超えて神秘性すら感じます。
肉体の美ってやつをドット絵のゲームで感じるとは思いませんでした。
主人公窓付きに何があったのか、彼女の無意識に潜む過去も垣間見ることができますが、それとは全く関係ないであろう世界もゴロゴロあって、一貫性がないのも良いです。
この一貫性のなさが「LSD」ぐらいしか感じられないので、一回経験してみると面白いと思います。

③Critters for Sale

謎のゲーム。
もうそれ以外に言うことない。

サムネのマイケルが目を引きますが、そのマイケルが出てくるところがめちゃくちゃ異常です。
マイケルの言うこと断ると殺されますし、従ったら従ったでよくわからん人にマイケルが殺されたりと、展開がぐっちゃぐちゃです。
他の話も天使とか出てきたり、急に未来に行ったりと、わけわからん話のオンパレードです。
意味わからん話まみれですが、白黒のコントラストや表情がぬるぬる変わるアニメーション、独特過ぎる世界観など、マイケルのインパクト以外にも魅力たっぷりのゲームでもあるので、是非遊んでみて欲しいタイトルです。

④ムーンライトシンドローム

電波の金字塔。

意味不明すぎるあまり、クソゲーの烙印を押されてしまったゲームです。
実際にはそっちよりも、前作である「トワイライトシンドローム」のキャラクターが平気で殺される点が批判されていますね。
前作がキャラクターの成長を描いていたのに対し、本作はそういうシーンがほとんどなく、普通にキャラが惨殺されていくので、まぁそりゃ批判も食らうよな…と思います。
ただ、本作単体で見ると意味不明な展開にじっとりとまとわりつくような不安感がしっかりミックスされており、気持ちが沈むシーンが非常に上手く作られています。
電波ゲーとしてはこれ以上ないほどにしっかりしています。
わけわからんという意味で。
お求めやすい価格もあって僕はかなりおススメしているのですが、PS1でしかないのがなんとも…。

4.鬱ゲー紹介

続いては鬱ゲーの紹介。

①Milk inside a bag of milk inside a bag of milk

まぁこれは外せない。
とある女の子の脳内に存在する人格になり、女の子が牛乳を買いに行くようサポートするゲームです。
女の子は精神に異常を抱えており、世界が赤色にしか見えなかったり、周りの人が異常存在にしか見えなくなったりしています。
そんな彼女の内面に踏み込んでいく…といった内容です。

魅力としては、お求めやすい価格、クリアしやすい時間、それでいて驚くほど緻密に作られたストーリーとキャラクターの内面性。
コンパクトに鬱ゲーの良さを詰め込まれています。
そう、とにかく鬱ゲー初心者にうってつけなのです。

ず~~~っとおススメしていますが、時々知り合いに買ってもらえたりしているので、そのたび「ようこそ深淵へ」と「やったー!」の気持ちが同居しています。
考察しがいもあるので、是非遊んでいただきたい傑作です。

②OMORI

これは鬱ゲーと言っていいのかちょっと迷いましたが、せっかくだしプレゼン時唯一Switchに入っていたので紹介。

引きこもりになってしまった主人公が、引っ越しまでの7日間を過ごすゲーム。
夢の中で友達たちと大冒険を繰り広げながら、主人公の過去に何があったのか、なぜ引きこもってしまったのか、その謎を追っていくゲームです。
ネタバレ厳禁につきこれ以上何も言えないのですが、様々なインディーゲームへのリスペクトも含めて、鬱ゲーらしさに溢れた作品…なのかもしれません。
この手のゲーム特有なのですが、基本ホンワカした雰囲気でゲームが進行するのに、ところどころで思いっきりホラーになり替わったり、精神的に悪い描写がガンガン出てきたり、高低差がすごいです。
そこを鬱ゲーと言っていいのか悩ましいですが、そこも含めての魅力だと思います。
あとブラックスペースは神です。以上。

③黒ノ十三

天下一品の鬱。

全13話中、12話でバッドエンドになるという、とんでもないレベルの鬱ゲーサウンドノベルです。
特にサウンドノベル史上最悪のストーリー「羽音」は鬱ゲーを調べた人なら一度はぶち当たる、本当にろくでもないストーリーです。
Gに耐性がない人は絶対に無理、耐性があってもあまりのむごさに普通に気分が悪くなるという、常識のはるか上を行く鬱を見せつけられます。

ただ、個人的に評価したいのが「雨に泣いている」など切ないストーリー。
切ないストーリーでありながら、どうにもやるせないバッドエンドとして終わってくれるので、ほろ苦く大人な味のするストーリーを味わうことができます。
あと、あまりにもくだらない話がちょこちょこあり、鬱々とした展開にこだわらないバラエティの豊富さもなんだかんだ嫌いになれません。
お求めにくいタイトルではあるのですが、PS1の中でもトップクラスの陰鬱さを是非感じてみてください。

④Needy Girl Overdose

現代最凶最悪の鬱。

配信者「超てんちゃん」と一緒に過ごしながら、彼女がチャンネル登録者100万人になるよう導いてあげるシミュレーションゲーム。
90年代~00年代のネットミームやメンヘラ地雷系女子で巧みにユーザーを誘惑しながら、社会的な裏の顔を思いっきり見せつけ、そのうえで新旧鬱ゲーをリスペクトしたような凶悪な鬱を次々におみまいする、バーゲンセールのようなゲームです。
こいつはシンプルにヤバいです。
表面上はかなりキャピキャピしているのですが、のめり込めばのめり込んでいくほど、彼女の中にあるおぞましさに飲み込まれていく。
さらに、彼女自身の魅力が深いことも相まって、プレイヤーが彼女の方にのめりこんでいってしまいます。
サバサバと人を突き刺していくような「乾いた鬱」、体感してみませんか?

5.まとめ

最後は力技にしちゃいました。
!使ってゴリ押しするの、昔からの悪い癖なんですけどね…。

ヤバいゲームなのでほどほどにしておいた方がいいのですが、それでもこの圧倒的な魅力は触れてみた方がいいと思うんです。
それじゃなきゃ僕は今になってPS1を買い漁るようなバカにはなっていません。
魅力たっぷりの鬱ゲーの世界、味わってみませんか?
深遠でお待ちしています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?