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シン・鬼十則 ~鬼十則ってなんだったんだろう~

コングロマリットにおける唯一の共通項

父ちゃんが昔勤めていた会社には、鬼十則っていうドグマというか、教義があってね。かつて個人商店主の集合体(組織の体をなしていない≒ガバナンスが機能してない)と揶揄されるその破天荒な会社の型破りな社員に唯一共通した行動原理、共通項みたいなもんだったんだ。

ガバナンスと鬼十則

その会社は上場を経ても尚、その文化を頑なに堅持していたんだけれど。産業の新陳代謝に乗り遅れてしまって、リーマン・ショックや大震災も重なり、業績がどんどん悪化、立脚している産業の構造的不況は誰も否定できない様相に陥ったんだ。

そしてね、どうしたかと言うと、どんどんガバナンスの整った「まともな会社」になってったんだ。つまり、トップダウンの指示の通る、組織としての体をなした、会社という組織体にどんどんなっていったんだ。主には野放しだったコスト削減を目的としてね。
タクシー券廃止したら業績予想を上方修正したなんていう嘘か本当か、笑い話もあるくらいだ。

切れ味の良すぎる包丁の様

そして、ゆっくり、しかし確実に、歪みが溜まっていったんだろう。「まともな会社のサラリーマン組織」に「鬼十則」は劇薬過ぎたのかも知れない。どうかは知らないけれど、取り返しのつかない痛ましい事件がおきてしまった。

今、鬼十則は存在そのものが否定され、消えてしまった。過去を否定し、積み上げたものを拒絶し、悪い面ばかり気にして、上辺を取り繕って、臭いものに蓋をしてしまったんだ。

鬼十則は間違っていたか?どう思う?グーグル先生に聞いて、一度読んでご覧。
何か、伝わるものはないかい?心に響くものはないかい?

当たり前だけれど、本質は何も間違ってなんかいないんだよ。
間違っていたのは使い方であって、中身じゃなかったんだ。
包丁だって、使い方を間違えれば人を殺めることが出来てしまう。どんなに素晴らしい、隣人愛を説いた宗教だって、指導者が道を誤れば、たちまち聖戦が始まってしまい、沢山の血が流れてしまう。

鬼十則の使い方

使い方の何が間違っていたかだって?
そんなのは簡単さ。
鬼十則を作ったあの会社の第4代社長は、この標語をそもそもなんの為に作ったかに立ち帰ればわかるんだけれど、あまり知られてないから、ここで君達に伝えておくよ。
鬼十則は、第4代社長が、"自らを律する為に創った言葉"なんだよ。誰かに強制したり、されたりするものでは、全くないはずのものなんだ。あの会社の社長から直接聞いたんだから間違いない。

独立自尊、自主自律。そう、ガバナンスの整っていない、個人商店主の集合体と呼ばれたあの会社から、かつて20世紀に於いては、次々と新しい産業や業界、新事業が生まれ育った、その根源というか、源流が、ここにあったんだ。

世界には素晴らしい信念や格言、標語や教義が溢れているけれど、間違いなくその中の一つであり、かつては世界的大企業も学びに来るような存在で、英語訳が作られたりしている。

鬼十則の使い道を見つけて欲しい

父ちゃんとしては、覚えておいて欲しい。
鬼十則を。
君たちが大きくなったら、実践してほしい。
誰かに強要されたら、その人からは距離をとってほいし…。
しかし、鬼十則を自ら実践したいと思える、君たちの人生のテーマを見つけて欲しい。
見つけたら、決して離すなよ。殺されても離しちゃいかん。目的完遂までは。

君たちの人生が充実と輝きに満ちた素晴らしきものであらんことを!

君たちの生きる2020年以降のこれからの時代にこそ、求められる考え方であり、生き方のはずなんだ。


もちろん、父ちゃんもまだまだ現役だぜ。


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