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親の入試(学科以外)戦略ってどう思いますか?

今まさに受験シーズンですが・・
皆さんは、親が子どもの入試(学科以外)に関して戦略を以って臨むことについて、どう思われてますか?
過保護?
子どもの人生は親のものではない、と思う?
或いは、してあげられる親としてあげられない親が居るのに狡い、禁止されるべきだと苦々しく思う??

ある意味そういった分野にも関わるニッチな情報を、「低年齢留学」とか「ボーディングスクール」で検索してここ覗いて下さってる方々(概してお子さんたちを行く行くは世界的な有名校へ入れたいという進学思考が強い親御さんたち)へ無償でシェアして行くことが、私がこのnoteを書き始めたきっかけの一つでもあります。
最近もまた考えさせられることが有り、皆さんに改めて問いかけてみる次第。

息子は10歳まで香港のインターナショナルスクールにお世話になっていたので、私が日常的に交流する親仲間は今でも香港で出会った外国人(香港人・中国人・その他外国人エクスパットのご家庭)が多いです。彼らは概して非常に戦略的で、新しい情報にも常にアンテナを張り、生き馬の目を抜くような思い切った決断力と実行力が有ります。香港に残ってらっしゃる方々も何人かはいらっしゃいますが、お子さんの進学に合わせて親子で本国へ帰られた方や、学校はそれぞれですが、お子さんをボーディングに出してらっしゃるケースも少なからず有ります。一般(彼らの中での一般)的には、お子さんが中高をその国で過ごしている理由は、その国の大学に進学させたいからと考えて先ず間違いは無いです。中高を選ぶ理由がその先の大学進学ありきなのと同じように、ご家庭によっては小学校を選んだ理由もまたその先の中高へ繋げるためだったということも有る。まだ低年齢などの理由でお子さんだけで行かせられない時には、ほとんどのケースに於いてお母さんがキャリアを(生活を)投げ打って着いて行かれてます。
こういう攻めの教育戦略みたいなのは、私は自分が香港で初めて目の当たりにしたもので、ちょっと前までは香港や中華系教育事情に特有のものかと思っていたのですが、のちに日本、特に東京あたりのお受験事情では全く同じかそれ以上に熾烈な競争と戦略が存在しており、また、中華系のみならずインド系、民族的なものでは無いですがアメリカ社会でも半ば「国際進学競争の常識」のようになっているということが、分かって来ました。典型的な「お作法」みたいなものが存在してる。
私は基本的に、友人としてお付き合いしてる方々は皆、尊敬してるからこそお付き合いさせていただいてるので、彼らが私や息子に対する大変な好意と優しさを以って伝授してくれた「子を有名大学へ入れる親戦略」みたいなものに対して、否定する気持ちは全く有りませんが、呆気に取られてちょっと引いてしまうようなところは有ります。また、せっかく教えてもらってもうちは出来ない、と思うところが多いです。ただ、たまたま別の理由ではありますが、息子は実際インターナショナル校に属していたし、今もまたイギリスのパブリックスクールの末席を汚しておりますので(ここで自虐表現する必要は全く無いんだけど日本人的に書いてみた)、何かとそういった上昇志向の高い親仲間から気にかけていただける次第。
大変貴重な育児人生を過ごさせていただいております。みんな優しい!

また彼らのご子息御令嬢たちは、実際にかなりの確率で有名校への入学を果たしてるので、結果として彼らの戦略は非常に正しく、イコールで結べる程の強い関係性(この戦略を取る≒有名校入学は確実)が有るといった意味でも、深く尊敬してます。
こういうノウハウを持った人たちが居るというのはすごいことだと思う。人生は、社会は、正統性をもが、ゲームなのか!という驚き。

ただ、繰り返しになるけど、私と息子はそれを実行出来なかったし、恐らくこれからもしないので、ある意味で宝の持ち腐れです。だから尚更役に立てることが出来そうな方に向けてシェアしたいのかも。
何かポリシーがあって実行しないというよりも、簡単に言うとそういった戦略が息子の境遇にそぐわないのですよ。息子はとても変わった子だし、親の私もバタバタしたやつだし。
実行したい方々へシェアするのは本当に構わなくて、むしろその方が(何らかのノウハウが存在するという事実を誰かが述べていった方が)社会として良いことなんじゃないかとすら思っています。そんなスタンス。

以前もこの手の話題に触れたか、書こうと思って消したんだったか忘れてしまいましたが、実在する若いお嬢さんのことなので具体的なお名前等は書きませんが、
田舎の学校に通っていた問題児が、親や教師からの妨害も受けながらアメリカの名門校へ入学した
という内容の本人による告白や出版物が、大変な話題になったことがありました。

当初は、同じ年代の若者たちの憧れでもあり、同じ年代の子どもを持つ親の希望でもあり、地方に暮らす日本の子どもたちが置かれている環境への問題提起でもあり、さまざま視点から、ご本人に対する尊敬と称賛の視点で受け止められていたのですが・・
のちに、非常に身近な立場の関係者から実態は本人の主張とは少々違っているという告発文が発せられ、また、ご本人を知るいくつかの関係先からも、特に隠すでもない事実の確認が取れて来たようで、ネット上では逆の形で炎上するような事態となりました。
簡単にまとめると、入学は偉業でも何でもなく、戦略あっての当然の結果であるということについて反感を覚えた人たちが多かったようです。
親に相当なお金をかけてもらって、学校にも校外活動に時間を割くことを受け入れてもらい、またおそらくは人種マイノリティ枠も考慮されての結果であることが本人の告白の中に全く言及されていないのは、意図的ではないのか、本の中に語られた通りの物語を信じて、自分にも/我が子にも同じ可能性のスタートラインに立っていると思ってしまう人が出ることに責任は感じないのか、等と言った厳しい意見もたくさん出ていました。また純粋に、そういった「戦略」が実際に存在していて、そのいくつかの「戦略」を上手く利用して結果を勝ち取った人物が賞賛を受けていることへの不快感も多く見られたように思います。

この批判開始&炎上が起きた当時にもコメントされていた方がいらっしゃったように思いますが、私はこれ・・「やっぱそうだよね〜」「アメリカの有名大学(特に文系)ってもうずっとそうなってるでしょ」みたいな感想の方が先に来てしまって、そもそもご本人の主張とか告白本の取り上げられ方の方に薄っすらとした違和感があったので、実態が明らかになった時の方が逆に腑に落ちた感じです。そして、そういう子どもたちはいーーーーっぱい居て、というよりもむしろ有名大学へ入学したという時点で「大前提としてお勉強が良く出来る子で、親子でそうとう戦略を頑張って来たんだね」ということでしかない。本当の意味で、大学がたまたま世界の宝を見つけたようにして選ばれた生徒さんや、なぜ合格したんだか分からないけど奇跡的に入学出来た、みたいな生徒さんは、それこそ上下2%も居ないんじゃないでしょうか。特に下の方が紛れ込んでくる可能性は低いと思われます。

ああそうだ、期待して読んでくれてるかも知れない方達のために、どうやって大学進学に有利なアピールポイントを作るかを書かねば!
音楽コンクールで受賞するとか、数学オリンピックで金メダルだとか、そういう実際の能力に基づいた本物のアピールポイントでなく(笑)親が戦略として子に稼がせてあげられる方のもの。上に書いたお嬢さんのケースでもそういうものがあったと聞いていますが、入学志願の自己紹介レターや面接で自分の人間性や実行力を語る上で、もはや有名校入試には不可欠ともなっている経験に、下記のようなものが挙げられます。あまりにも皆んなやってるので、私なんかもうこれ大学側だって茶番だって分かりきってるんじゃないかと思うのですが、逆に誰でもやってることをやらないとマイナスの印象になるのかも知れず・・その辺は、謎です。

・チャリティ活動参加経験
自国内でも、チャリティ活動を行う側と援助を受ける側の関係がが分かり易い安定した団体があればそれも可かも知れませんが、多くの場合に於いては海外の貧困国での活動が印象的で目立ちますし、また、貧困国にはそういった海外からのチャリティツアーを受け入れる団体が充実している(全くの営利目的の可能性もありますが、世界の若者の目がその国の貧困に向けられたというだけでも意義があるという理屈や、仮に数%でも寄付したらそれはチャリティだということも出来る)ので、そういったものに参加すれば、発展途上国で身の危険に晒されることなく、入試に有利な経験を得られます。もちろんツアー参加費は親が払う。

・チャリティクラウドファンディング主催
これは最近のトレンドみたいですが、元々欧米文化では時々行われていた、個人が何か目標を立てて活動することによって(注目を浴びることによって)不特定多数の方々から集金をし、その総額を寄付するといったチャリティ風習の、クラウドファンディングバージョン。クラウドファンディングという手段が簡単だからチャリティ活動を主催できる心の綺麗な子どもたちが増えている、といった美しい側面も有るのかも知れないですが、ここにグレーな需要が出始めており、クラウドファンディング会社がいくつかのチャリティー活動のメニューを提示して(示唆して/お薦めして/勧誘して)主催者になりたい人へのインフラ提供をする、クラウドファンディング側は寄付の形に便乗して手数料収入があるためウィン&ウィンのビジネスとなる、といった図式。

・ボーイスカウトやガールスカウト、キリスト教系団体への参加
これはもう王道ですが、やはり実際に面倒くさい活動がついて回ることと、宗教の場合はそれを戦略として割り切れるかどうかといった問題にもなりますので、なかなか実際にここまでやろうというお家は少ないです。しかし伝統的な名門校へのアピールとしては、効果は絶大と思われます。
香港人にはここまでやっている人たちも居る。もちろん誰も「お受験のために親子でキリスト教入信したわ」とは言いませんが、タイミングやその後の活動を見ていて首を捻りたくなるケースもありますし、ある意味小さなお子さんがいらっしゃる若いご家庭の社交の場のような役割も果たしているので、信仰の前には鶏が先か卵が先かといった問題は野暮なのかも知れません。
ボーイスカウト・ガールスカウト系に関しては、こういった団体での経歴が、規律を守り上下関係を大切にできる人物像の証明ともなり、またチャリティ活動も頻繁に用意されているので所属しつつ経験を積めるし、更に、ジュニアからヤングジュニア・シニア等々へ組織が上がってゆく中で、大変貴重な社会的コネクションが築けます。これ、私が子どもの頃はまだ周りに何人か参加してる子もいたのだけれど、日本では今はあまり活動が盛んじゃなくなってるのでしょうか。もしお子さんが海外へ進学される可能性を考えてらっしゃる方で、戦略的なものが欲しい方がいらっしゃれば、アジア人としてはキラリと光るアピールとなり得ます。ちょろっとピアノが弾けますとかダンス習ってますとかよりも、良い印象かも知れない。

・オーケストラや合唱団への参加
これもそれなりに大変なことではあるのだけれど、個人で習い事してますというのだとよほど受賞歴があるとかでなければ目立つことでもないのと引き換え、オーケストラや合唱団の一員として定期公演やツアーに参加した経験があれば、アピールとしては少し強め、特に自己紹介などで言及すれば自分が団体の中で役割を果たすことのできる人間であることを強調できます。ラグビーやサッカーを一生懸命やってましたというのでも良いんじゃないかとは思いますが、私の周りを見ていると、ラグビーやサッカー(女の子はチアリーデイングとか)などはお子さんたち本人が好きでやっているケースがほとんどだけど、オーケストラや合唱団系はややお受験対策の色合いが強いと感じているもので、あえてここに挙げてみました。
入学してからも、校内オーケストラや合唱団のメンバーには奨学金を受けているような子たちが多く集まっています。これまた、鶏が先か卵が先かの話となるのかと思いますが、学校側から見てこういった活動に参加している子どものイメージが大変良いということを利用したいのであれば、それもまたアリなのではないでしょうか。

・伝統芸能系の何か
これは特に、アジアの子どもたちが海外の有名校に出る際にはかなり目立つアピールとなると思われますが、残念ながら香港のママ友たちのトレンドの中にはありませんでした。香港にも土着の文化芸能や風習の保存運動はあるのですが、むしろそういったものに経済的に恵まれた階層の人たちは興味が無いようで、上に書いたオーケストラとか、全編英語の児童劇みたいなのの方に熱心であるという、やや皮肉な状況があります。
日本は流石に、国土も広く、人口も多く、また文化を育む歴史も長く、もしも運良くお子さんが地域の伝統文化保存事業などに参加することが出来れば、目を引くアピールとなると思われます。また、最近は賛否分かれてきましたが、海外の有名校では依然として人種比率への配慮がなされているところも有るようなので、海外へ進出してくるアジア人の中ではまだまだ少数派である「日本人」としての民族アピールが出来れば、ポイントは高いかも知れません。一昔前は、折り紙で入学出来たとか笑い話のようなことも言われていましたが、今は流石に、無いでしょうね。
尺八吹けるとか、雅楽で舞えるとか、そういうのが有ったら目立つとは思います。

・表彰経験
これも並べて書くと何とも嫌らしいですが、実際にちょっとしたことであっても親が子どもの手柄にしてあげることで報道から取り上げてもらい、表彰されたり、それが進学時の良いアピールポイントとなることはあります。
純粋に狙ってできることではないと思いますが、それらしきチャンスに遭遇した場合に、スパッと上手く行動する親と(上に書いた「生き馬の目を抜く」みたいな方たち)そうでない親は居るもんだなという感想。ちなみに、私自身はボーっとしてます。息子も、ボーっとしてます。

etc.
というような、いろんなやり方がありますという話。

大きい学校だと自己PRなんかも下読みする人たちがいらっしゃって、何段階か経て残った生徒たちの中から更に選抜が行われるのでしょうが、おそらくもうお金さえあれば積める類の経験はバレつつあるというか、どの子も似たり寄ったりの経験を言うようになってきてるんじゃないかなと思います。例えば、スタンフォード大学の入学希望者に、カンボジアでチャリティ活動したことのある人なんぼ居てんねん?とか、ルワンダ難民キャンプに毎年こんなに多くの若者たちが関わって来てるのか?とか。戦略的には(笑)もうそろそろ新しいものを見つけた方がいいかも知れないですが、実際に本人やバックアップしてあげる親の関与の強いものは付け焼き刃では難しいため、これからもまだまだ、チャリティ活動参加ツアーとクラウドファンディングあたりの需要は続くのでは無いかと思っています。

うちは・・
なーんもやっておらず、これで良いのか少々気になって来た。

インド人の友人から息子さんがチャリティクラファン始めたからっていうSNS一斉送信メッセージが来たのだけれど、開いてみたらインドのローカルクラファンサービスで海外からはクレジットカード以外使えず、会社の信頼性を調べてたらいろいろ口コミが出て来て・・みんな頑張ってんねやな〜みたいな。お子さんに、或いはご自身のちょっとした自己顕示欲みたいな感じでチャリティクラファンされてるのを見るのは、初めてじゃないもので。
それは良いとして、クラファンのターゲットが今月末までなのですが、今だに信頼して良いのかどうか答えも出ておらず、寄付できてません。(寄付できてないのに途中まで入力したメールアドレス情報から寄付催促の自動メールが入ったので余計に不信感持ってる)本当はクラファンというシステム自体があまり好きではなく、法律である程度取り締まるべきだと思っていますが、そうならないのにはきっと行政側の無知や怠慢以上の何かブラックな理由があるのかも知れないですね。

そうだ息子はそう言えば「養蜂クラブ」になら入ってるのだった。
養蜂クラブ頑張った経験だけで大学入れるでしょうか・・