「弾薬推進」と「負傷兵後送」を同じ自転車部隊にさせているベトナム軍の省力発想。(写真はすべて Vietnam メディアより)

画像1 弾薬箱相当の重さの土嚢を、折り畳み棚上に載せ、それに加えて、担架用の竹棒×2本も、特設の「T字支柱」に載せている。竹棒1本が、負傷兵1人用である。すなわちこの自転車1台で、2名を後送させ得る。2022年の訓練風景。
画像2 「負傷兵」に日光が直射しないようにカモフラシートをかけている。橋の手摺りは「割り竹」だ。そして、手前の工兵(?)のピッケルが、おそろしくちびているように見えるのだが……?
画像3 2022年のベトナム軍自転車部隊の訓練風景。パニヤ代わりの両側金属ラックには弾薬箱を積み、カモフラ布をかぶせて防雨する。前輪ブレーキは左ハンドルにあり。長い竹棒は、それ1本がひとつの担架用である。
画像4 この自転車にはすでに「負傷兵」役の兵隊を2名、吊るしているのが分かるかな? 「吊るし担架」は、おそらく寝袋の改造品か。負傷兵は頭を後輪側、脚を前輪側にしているようだ。
画像5 なぜか車体右半分には「竹棒担架」を掛けずに、「負傷兵」が後部荷台に腰掛けている。こんな下り坂道の制動には「檣状の押し棒」を後輪ブレーキレバーとして使えることが合理的だと理解できる。
画像6 手前の兵隊は、細いロープで自転車を牽引している。すなわち3人がかりで輸送用自転車1台を押し引きして登坂しているところ。
画像7 2023年の訓練風景。左手奥に、カモフラされた弾薬貯蔵所がある。そこから弾薬箱を引っ張り出し、これから最前線へ届けようというところ。「T字状の支柱」もとりつけられている。
画像8 2023年の訓練。「一本竹担架」のシュラフは竹棒に巻きつけられている。
画像9 竹棒担架を架け渡すための、物干し台のような「T字支柱」がおわかりだろうか?
画像10 「一本竹」の担架は、畚(もっこ)のようにハンモック式に負傷兵を吊るす。まず地面の上で患者を包み、それを2人で担いで、竹棒を自転車の「物干し台」に掛け渡す。
画像11 すくなくも2種類の輸送用自転車があることがこの2024年の写真から判る。
画像12 左手の「弾薬貯蔵所」から、弾薬箱を最大限に積んだ輸送用自転車が走り出す。「T字状支柱」も取り付けられているが、そこにかけわたされるべき「竹棒担架」は見当たらない。前輪ブレーキのレバーは左手ハンドルについている。
画像13 「T字状支柱」は脚部が音叉状になっており、それで前方の支柱の荷重はトップチューブで受けてもらえる。謎なのは、後方のT字支柱の取付け強度だ。この自転車は、右手ハンドルに、前輪ブレーキのレバーが見える。
画像14 渡河要領の演練だと思われる。渡渉中、「患者」は自転車に吊るしたままとはせずに、戦友が背中に背負う。弾薬も、水浸しにしないように、兵隊が肩に担ぐ。自転車は、それ単体となって、川を押しわたる。
画像15 自転車による渡渉の要領。患者も積荷も、自転車に吊るしたままで川に入ろうとしてはならない。積載重心が低いから、すぐに水をかぶってしまうだろう。

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