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友人の結婚式

12月末に高校時代の友人の結婚式に参加した。メンバー全員で顔合わせしたのはほぼ2年ぶりであったが、顔を見ると昨日も一緒にいたかのような気分になった。懐かしさを感じる間もなく、控室でおしゃべりをしながら式に向けての身だしなみを整える。

みんな話したいことが山々で、ワイワイしながらも慌てて準備をして式場へ向かう。式場の中へ入ると一気に空気が変わり、なんとも厳かなそれでいて温かい空気に包み込まれてしまった。

私は素人カメラマンとして友人の晴れ舞台を写真に収めるべく、旦那から拝借した一眼レフで参列者を撮る。しばらくすると式の開始のアナウンスが始まり、神父と新郎が入場。少し間を開け、扉が開くと美しいウェディングドレスを纏った新婦と新婦父が入場。

なんとも言えない気持ちがこみ上げる。見慣れた友人の姿であるはずなのに、どこか別人のような、そしてどこか遠くに行ってしまいそうななんとも美しい姿がそこにあった。シャッターを押しながら新婦父の嬉しくも寂しいような複雑な表情をレンズ越しに覗き、自分の結婚式のことを少しだけ思い出した。隣からは参列した友人たちのすすり泣く声が聞こえ、会場は厳粛な雰囲気と感動が入り混じっていた。


※こちらは2020.1.6に最終更新された未公開話となります

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