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生き様

これは広島の流川にあるニュージャパンEXというサウナに行った時の若者達の会話に突っ込みたくて、でもそれどころではなかった話だ。


そこのサウナは3種類あり、50度のミストサウナ、80度のセルフロウリュができるフィンランドサウナ、そして目玉の30分置きのオートロウリュがあり、5分程バズーカのような熱波が流れ続ける90度の遠赤外線サウナがある。

人それぞれ個人差があるが、僕はだいたい下記①〜④を1セットとして大体3〜4セットやっている。

①サウナにだいたい10分近く入る→②水風呂1分→③サウナ椅子に座り休憩10分→④水分補給

①はとても熱く苦しい時間だがそこで耐えることで、②の15度の水風呂がとても気持ちよく、③のサウナ椅子で休憩した瞬間の心地よさが最高のご褒美となる。

2セットまではフィンランドサウナでじっくりむされて、3セット目を90度の遠赤外線サウナへ行くことにした。

サウナ室では先客で2名の20代前半らしきマイルドヤンキーがいた。なんとなく洗練された感じではなく、田舎のヤンキーという印象がある。

サウナでは原則会話は控えることになっているが、2人しかいなかったから話をしてたのだろう。僕には気にすることもなく会話を続けるので、熱さとともに、マイルドヤンキー達の会話も我慢する。

その会話が、僕の価値観を強烈に揺さぶった。

マイルドヤンキーA:「Cの野郎はホントにダメだな。あいつ地元の町内運動会で目立とうとしてめちゃくちゃ痛い行動に出たらしいぜ。ダセーよな。彼女もいるのに、地元の女どもに手は出すし、あいつ周囲から嫌われてることに気がついてないんだろうな。」

マイルドヤンキーB:「ある意味幸せな野郎だ。それがヤツの生き様なんよ。」

僕はサウナの熱さに耐えながら「地元の女に手を出すのが生き様?」と引っかかる。


僕がカッコイイ生き様だと思うのは、例えばメジャーの球団からの20億のオファーを蹴ってカープに戻りカープを優勝へ導いた黒田さんだったり、

ライブで熱く熱く語って歌う、見た目ではない美しさのあるサンボマスターのボーカルの山口さんだったりする。

生き様って、その人がそれまで生きてきた考えや行動がにじみ出るものだと思ってる。


マイルドヤンキーB:「お前はキャバクラが生き様なんだろう?」

マイルドヤンキーA:「そうだな。キャバクラは最高だぜ!そうゆうお前の生き様は風俗なんだろ?」

マイルドヤンキーB:「おうよ!俺の生き様は風俗に通うことよっ!!」


僕はサウナの熱さで考える力を奪われていた。あまりにも堂々と生き様について語るので、僕の生き様に対する認識が間違っていたのかなと思い始めていた。

そこで音楽とともに30分に1回のオートロウリュの時間になる。

90度のサウナではまるでゲームのラスボスのような音楽が流れ、ラスボスの攻撃を受けているような熱い熱い熱波に耐え続けた。


熱い!とにかく熱い!

熱波が終わるとサウナ室を出て、体の汗を流し、水風呂に入り頭と体をクールダウンさせ冷静になる。

感情を取り戻し、ツッコみたくなる衝動が湧いてくる。

「全然かっこよくねーよっ!何だよ夜のお店に通うのが生き様なんて、すげぇダセーよ。なんなら地元で手を出すCくんのほうが若干マシだろっ!浅いっ!あまりにも浅い生き様だっ!生き様っていうか生き甲斐といいたかったんじゃないのか。だとしたらすげぇ恥ずかしいぞ。生き様ってもっとにじみ出てくる男が惚れる男的なもんじゃねーのかよ!」


そんな想いが僕の頭を駆け巡るが、サウナ椅子に座ってととのっていると、そんな不毛な感情もリセットされて、どうでも良くなるので不思議だ。


僕の生き様はきっとこれだ。

サウナと水風呂に入ってととのう、これが俺の生き様よっ!!









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