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自分と他人を比べないようにするには

人間とは「自分と他人を比べてしまう」ことに悩んでしまうものです
私も、この問題について非常に悩みました
そして考えて考え抜いた結果を、ここに書き記してみます
まず、何故そんな事を考えてしまうのか、原因を挙げてみたいと思います

何故自分と他人を比べてしまうのか

●競争主義の社会を生きているから

社会とは、「人と人同士の関わり」から形成されていくものと私は考えています

「国」「機関」「団体」「会社」「学校」という大規模なものから
「家族」「友人グループ」「部活」「クラブ」という小規模なものまで
「人との関わり」を持って活動するものを、すべて「社会」としています

しかし、それらには「競争主義」が定着しているように感じています
「学校」では、テストの点数で順位やランクを付け、「会社」では、営業成績・こなした仕事の量を評価し表彰、など

日常のいたるところで「優秀な人物を決める」催しが行われています
もちろん、優秀な人物は社会に利益をもたらし、評価されるべきです
しかし同時に、「優秀でない人物」を可視化することでもあります

そういった「人々を競わせて成長させる」ことが一般的な社会の在り方として定着しています
なお、競争主義を「悪」と決めつけているわけではありません
あくまで「自分と他人を比べてしまうひと」を生むことに関係しているというだけです

●SNSで「人の価値」が数値化されていると考えてしまうから

「SNSで情報を共有する楽しみ」はごく一般的なエンターテインメントとなりました
しかしこれらの「なんでも数字で表す」という特性が、本題となります

SNSでは「いいね数」「フォロワー数」「閲覧数」が各アカウントで表示されますが、それを「自分の価値」と考えてしまう人が多くいる印象を受けます

そしてそれは「他人のアカウント」と比較できてしまうのです
あらゆる数字が多い人のアカウントを見ると「これがその人の価値」とも考え、「自分の価値」と比べて優越感を得たり落胆をしたりするのではないかと思います
SNSのこういった仕様も、「自分と他人を比較してしまう」ことに繋がっていると思います

以上が私の考える原因です
共通していえるのが「人を数字や順位で表す」ことがそういった悩みに繋がるのかもしれません

自分と他人と比べないようにする考え方

私はずっと「絵描き」「漫画」の世界で活動し、どうしても他人と比べて落ち込んでしまう問題がつきまといました

そして上記のような原因を洗い出し、そこから考えたことは
「私は多分、誰からも評価も支持もされなくても絵を描き続ける」
ということでした

自分は人に褒められる・良く思われるためではなく
「描くことの楽しさ」のためにやっているのだから
他人が好成績を持っていようが、私の目的とは関係ないのです

極端な話、私以外の人類が絶滅して
誰も私の作品を見ることがなくなっても
自分が死ぬまで絵を描き続けるだろうなと思います
そう思うと、ずっと持っていたどす黒い気持ちが魔法のように消えました

医療漫画の金字塔「ブラックジャック」にも、その考えの一助となるようなエピソードが存在します
「六等星の男」というエピソードです

とある大病院に、ブラックジャックも一目置くほどの名医がいました
名前は「椎茸先生」…しかし病院内の看護師でも、彼の存在を全く認知していませんでした

彼は知名度や権力に全く興味がなく、ただ医療の技術だけを懸命に磨いていたため、ただの院内をウロウロしてるおじさんだと思われていました
その後、院長の死をきっかけに次期院長を決める権力争いが起きます
次々と名の知れた院長候補がワイロに手を染め、最終的には全員逮捕されてしまいました

そんな中、大病院に重篤な患者が運び込まれました
ただでさえ医師が不足してる状況で、頼れるのはあの椎茸先生だけ
看護師達が不安を抱える中、椎茸先生は素晴らしいオペを披露しました
彼らは思いました「本当に次期院長にふさわしいのは、椎茸先生だ」

私はかなり昔にこれを読んで、「椎茸先生みたいな人間になりたい」と思いました
そして最近の「私はただ描くことだけを極めればいい」という気づきが、
この一番印象深いエピソードと繋がりました

「地球から遠くにある星というだけで六等星といわれているが、その星自身は強く光り輝いていて一等星よりも強く輝いているのかもしれない」
というようなブラックジャックの台詞もすごく良いです

他人からの評価はその人のフィルターを通したものでしかなく、自分自身が心血を注いで一生懸命やったのであればそれが真実なのです

「優秀な人を称える」という社会の在り方、またそれを加速させるインターネット社会に
抱えきれないほどの苦しみを感じている方に、この考えが届くといいなと強く思っています

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