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180日で会社を辞めるワニ、あと182日

さて、今回は会社から独立してどのようなことしたいのかをお話したいと思います。が、その前にIT業界特にSI業の仕組みについてお話します。

今、勤めている会社はIT関連企業で、二次請け、三次請けのSI業者です。SI業者って?ITに馴染みのない人はあまりピンとこないかもしれませんが、この業界は建築業界で言うとゼネコンとそれにぶら下がる二次請け、三次請けの業者の構造とよく似ています。

大手、○○建設とかよくコマーシャルで見ると思います。この大手、○○建設が発注元であるお客様からビルの建設を受注し、請負ます。全ての工事を○○建設が行うことはありえません。ビルを1本建設すると行っても色々な分野が多岐に渡りそれぞれの分野のスペシャリストがいます。基礎、鉄骨、コンクリート、電気、水道等の配管、内装、外装、等など、後それを管理監督する業務。ゼネコンは主に管理監督する業務を行い、その他の分野はそれぞれのスペシャリストの下請け企業に発注します。そうして、ビルがめでたく完成します。

SIも似たような構造で一次請けのSI業者がシステムの発注元であるユーザからシステムの開発を請負ます。一次請けは基本的にプロジェクト管理と発注元とのパイプ役(主に、打ち合わせ)しかしません。他は二次請けの会社に発注します。二次請けは更に、三次請け、三次請けは更に四次請けに・・・と一体、何層まであるのか、誰にもわからない。そんな体制で、SI業界は成り立っています。

まー、このSI業というのも、日本独自の文化が生み出した、他の国ではない業種です。SI(System Integrator:システムインテグレータ)と他の国で言っても通じません。「何それ?」と言われます。

このSI業というのが、このIT業界の闇でこの辺の話は日経BPの木村岳史氏の極言暴論を読んで頂けるとよくわかると思います。

よーは、日本の終身雇用、「言われたことは、なんでもやります。お客様のニーズに合わせた、オーダメードのシステムを作ります」という御用聞き主義が生み出した業種なんですね。

まー、こうやって、「お客様のニーズに合わせた、オーダメードのシステムを作ります」は聞こえはいいけど、同じ業種であっても会社が違えば全く違うシステムをどんどん、昭和の後期から世に送り出していた訳です。我々の業界は。

そんな、こんなでSI業界としては潤ったのはいいが、あまりにもシステムが乱立しすぎてしまったのです。IPAが発表しているDX白書を見ると、日本はDXに大幅に遅れており、世界的に見ればなにひとつ先行しているものはありません。全部遅れています。

当然と言えば、当然の結果かもしれません。業界、業種毎にある程度システムが標準化されているなら、まだ話はわかるけど、同じ業界、業種でもA社とB社では全然システムが違うんだから。それぞれの会社の独自のニーズ、業務フローをひとつひとつ紐解いていかないといけないんだから、そりゃ膨大な時間がかかります。なかなか進まないのも当然。

日本は昭和の後期からこのようなやり方で「オーダメードのシステム」を乱立させてきたわけですが、発注元であるユーザ企業もそろそろ気が付き始めています。今まで、いかに無駄にシステムを作っていたかを。

従来のやり方だとまず、発注元であるユーザ企業と、SIの一次請け(よーは、建築会社のゼネコン)がどんなシステムを作るのかの大枠を決めます。(要件定義)その大枠がだいたい固まると(ここの「だいたい」というのが微妙)SIの一次請けに発注します。一次請けは更に分割して二次請けに発注、二次請けは更に分割して三次請けに発注・・・と、いった具合に何層にも(一体、何層あるんだ?)別れて、ピラミッドのような構造になっています。

この中で、作り始めると「やっぱり、ここはこうじゃない・・・」ということが多々起こります。てか、大概起きます。起きない試しがない。しかし、ユーザ企業と、SIの一次請けの契約はほとんどが請負契約であるため、契約締結時の内容で完成させる(たとえ違っていても)・・・それが請負契約です。大抵の場合はそういう場合は「仕様変更」扱いとなり、SIの一次請けはその仕様変更にかかる費用を別途請求し、スケジュールを調整します。

こういった具合に、ユーザ企業と、SIの一次請けに丸投げで発注するやり方は途中で方針変更がやりずらいし、色々交渉事が多くて期間がかかります。

今の時代、インタネットで情報が伝達されるのが速いです。そのためなのか市場の飽和も速いです。折角、開拓した新しい市場も、システム開発でモタモタしているとライバル企業に先を越されると先に市場を取られてしまいます。ライバル企業がどんどん参入していきて、そして市はあっという間に飽和。もう、市場価値はなくなってしまいます。

ユーザ企業もそれに気が付き始めていて、要件定義を固めてからSI業者に発注したんじゃ、間に合わない・・・と思い始めています。それまではユーザ企業は自分達でシステムを開発するということはしていませんでした。それは何故?と言われると、そこは日本の終身雇用という文化が絡んでいるのです。(木村岳史氏の極言暴論を参照)システムの開発部隊はなく、あったとしても社内の要件を取りまとめて、発注するだけの部署ぐらいしかありません。こうなると、自社で開発部隊を持たないと、ライバル企業に先を越されてしまう。そのスピードに勝てない。

そうなると・・・SI業者から、ユーザ企業への人材の移動が起きてきています。

しかも、今までは、事業部門のニーズを細かく取り込んでいたが、よくよく考えると、「〇〇部長仕様」とか「〇〇取締役仕様」とか、個人の我儘としか思えない仕様もたくさんある。こんなの作るのは無駄だ。できるだけ標準パッケージで済ませたい。

これは、SI業者からから見れば死活問題です。今まで、「お客様のニーズに合わせた、オーダメードのシステムを作ります」を看板に人を抱えていたのが、パッケージに。それに付随するちょっとした改良しか開発がない。しかも、人材がユーザ企業の方へと流出してしまうと、SI業者のビジネス自体がどんどんシュリンクしていってしまいます。

なので、SI業者がこのままSI業だけに傾倒していくとリスクが高いです。何か違う「価値」をユーザ企業に提供できないと、生き残れません。おそらく、SI業者は長年やっていたやり方に固執し、やりかたを変えることができず、どんどんシュリンクしていき、少ないパイを取り合うことになるのではないかと思います。

私が独立しても、このSI業にぶらさがっていいる限りは今となにも変わりません。同じ泥の船に乗って、少しづつ沈んで行くのだと思っています。なので、独立しても単純なSI業にはなりたくありません。

今までは会社がSI業だったのですが、長年客先に常駐して色々なシステムを経験し、失敗も多かったですが、色々なことを学びました。そこでのノウハウを活かして、システムアーキテクトのコンサル業務をやりたいと思っています。

単純なSI業だと、設計要員にしろ、製造要員契約は1人月分で、1人月の単価以上の収入はありません。一月の間、ひとつのプロジェクトに縛られてしまい、他のことができなくなっていまいます。コンサル業務だと、単価は設計要員、製造要員よりも高く、一月の間、ひとつのプロジェクトに縛られることがないので、複数掛け持ちも可能です。そんな中で、弁護士の顧問契約みたいな契約(アドバイザーみたいな契約)がいただければ、毎月固定で収入が入ってきます。

さて、思い描いた通り、うまくいくかどうかはわかりませんが・・・自分の努力次第だと思っています。

会社をやめるまであと182日

100ワニをパクって退職エントリでバズろうとしたけど、全然バズらなかったワニ。 副業のオファーあればよろしくお願いします。 Twitterのフォローもよろしくおねがいします。@180wani