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180日で会社を辞めるワニ、あと129日

日本と外国で、技術者の地位、評価、給与がずいぶん異なるという件について、以前に書きました。

そのひとつの原因に日本独自のIT業界の商習慣、SES契約というのがあります。

簡単に言えば、技術者を右から左に流してそのマージンで利益を上げる、人買い、人売企業ですね。私も長年この業界にいるので、このような光景はよく見てきました。私の会社もSES契約で協力会社の人を集めて、社員ひとり+5人くらいの協力会社の割合でチームを構成し、プロジェクトをこなしていくことが日常的にあります。

その中でも、SES契約で集まってくる人は玉砕混合です。勿論、ちゃんとした人、スキル、能力も持っていて、モチベーションも高い人もいますが、そうでない人も多いです。私は遭遇したことはありませんが、ショーン川上(古!)バリの経歴詐称なんて話もよく聞きますし、職務経歴書を多少盛るくらいは日常茶飯事です。そんな人達のモチベーションはとても低いです。とりあえず、自分に与えられたの目の前の仕事さえなんとかなればいい的な乗りです。よくあるのが、契約終了のちょっと前の手抜きが、契約終了後の居なくなった後に発覚し、残ったメンバーがその対応に当たるなんてこともよくあります。(イタチの最後屁、トカゲのシッポ切りとも言われる)

このSES契約ですが、日本独自のIT業界の商習慣で、海外にはありません。

何故、このSES契約が日本独自のIT業界の商習慣になっているかというと、終身雇用と深い関連があります。日本はメンバーシップ型雇用で簡単に解雇できません。ITのシステム開発は山、谷があり、山に合わせると人が余る。谷に合わせると人が足りない状況となります。その穴をうまい具合に埋めてくれるのがこのSES契約というわけです。

なので事業部門をもつエンドユーザは自社に開発部隊を抱え込まなくても、ITベンダーに丸投げすれば、あとはITベンダーがプロジェクトの山、谷に合わせてSES契約で人を集めてよろしくやってくれるので、とても楽です。

しかし、ココ最近ではそうはいかなくなってきました。ITベンダーに丸投げしようとするとそこには必ず契約行為が発生するので、時間がかかります。一旦、契約してしまったら、方針変更はなかなか効きません。

そうなると、今の変化の激しい世の中、ライバル企業に先を越されてしまう可能性がでてきます。ライバル企業よりも一歩先に出るためには、小回りの効く体制が必要ということに気が付き始めました。そこで、事業部門をもつエンドユーザも丸投げはやめて、自社に開発部門を持つようになったのが最近の動きです。

これは、IT技術者にとってもいい流れだと思います。SES契約の多重契約のピラミッドの底辺にいるよりも、事業部門とより近い立場のほうがモチベーションも上がるし、業務スキルも上がると思います。

こういった、内製化の動きで、SES契約のピラミッドが崩壊し、IT技術者が少しでも地位向上するようになればいいなと思います。給与も多重契約のピラミッドによるマージン中抜きがなくなるので、今までよりも良くなるのではないでしょうか。

会社を辞めるまであと129日

100ワニをパクって退職エントリでバズろうとしたけど、全然バズらなかったワニ。 副業のオファーあればよろしくお願いします。 Twitterのフォローもよろしくおねがいします。@180wani