メンタルヘルスケーススタディ~自傷行為や希死念慮がみられる場合~

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事例で学ぶケース対応として、外部で発表した内容(事例は組み合わせて加工しており、フィクションです)がありましたので、こちらで共有し、ケース対応の学びにできたらと思います。
ポイントとしては、
・メンタル不調を抱えて入社してきてくる社員(入社後わかるケース)へのフォローをどこまで職場が担っていくか。
・仕事の適性が厳しい場合、支援の方向性や、誰がどうフォローするか。
・職場のメンバーや上司へのケア、フォローはどのようなことができるか。

などの視点を持ちながら、ケース対応を考えていけたらと思います。
途中途中で、私が思う対応の解説を入れていますので、みなさんも自分だったらこう対応する、を考えてみてください。



【事例】

~若手社員の自傷行為、希死念慮がみられ、職場定着が困難なケース~
23歳 女性 大卒 入社1年目、一人暮らし
<対応経緯>
X年6月 上司から新入職員のことで相談があると保健師に連絡あり。飲み会で隣の席に座った際に、大学時代メンタル不調になって休学したことを話され、「大学時代にリストカットをしていた。大学の同級生には自分の存在自体を忘れてほしい。職場でも仕事をなかなか覚えられず、役に立たない人間だと思う。消えてしまいたい。」などと言った。どう声をかけたらいいかわからない。職場では最近ミスが頻発し、業務指導を受けていると涙が止まらず、トイレに閉じこもるなどの行動が見られ、ほとんど仕事になっていないと相談があった。

これ以降、網掛けの部分が実際の状況です。

(対応)


私はこのとき、とにかく本人と話してみないとわからないので、上司に「本人と話せるか」と尋ねたところ、相談してみるとよいとすでに話しているとのことで、勤務時間中に、個室から電話ができる配慮をしてくれているようでした。

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