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創作大賞2024~2030 全応募句集『桜晩夏』

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「さくらばんか」と読みます。このマガジンの俳句の記事は、縦書きでも出版できる形で執筆しています。
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2024年6月の記事一覧

「彼待つや」六月三日

「彼待つや」六月三日

彼待つや薄桃にじむ七変化

レジの残業とバスの遅れで、十分ほど遅れて彼氏が到着すると、見覚えのある傘をさした彼女と目が合いました。七変化は紫陽花の別名。応募していませんが、プレバトのお題「初デート」に挑戦しました。

三十五句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句

「マスカラや」六月八日

「マスカラや」六月八日

マスカラやレジは朝から五月晴れ

コンビニで、朝勤をしています。近くで工事があると、六時台か、七時台が忙しいです。お客様に喜んでいただけるように、どの時間帯も、みんな笑顔で接客をしています。

四十三句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句

「珈琲や」六月七日

「珈琲や」六月七日

珈琲や窓は白雨傘の列

雨のカフェ。窓の向こうには、すべり落ちる雨粒、しらさめにかすむ街、傘をさす人の列。幻想的で、どこか神秘的でした。応募していませんが、プレバトのお題「雨の行列」に挑戦しました。

四十句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句

「庭にひとり 」六月六日

「庭にひとり 」六月六日

庭にひとり夏の星たちかくれんぼ

「夏の星」を実感して一句、と思って庭に出ましたが、曇っていました。宇宙では瞬いているのに、残念。

三十九句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句

「走り梅雨」六月十六日

「走り梅雨」六月十六日

走り梅雨大音響のミストかな

今朝未明。キッチンで水を飲むと、雨音が。庭に出れば、雨は驚くほどの大音響。多湿なのに肌がほのかに涼しいのは、雨のミストが混じった空気のおかげでした。

四十六句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句

「明易い」六月十六日

「明易い」六月十六日

明易いけれど日曜おそく明け

私は朝型です。日曜日は、朝の四時過ぎに季語の検索などをしています。寝坊できる人や、疲れをとりたい人への気遣いもあるのか、十時が近くなっても、まわりは静かです。

四十八句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句

「虹」六月十八日

「虹」六月十八日

次の虹待つざわめきや青嵐

空に架かる虹。美しい「あの形」を、アーチと呼びます。

アーチのもうひとつの意味。それがすべてではありませんが、私たちは彼に期待してしまう――でも無理はせず健康に、末永く活躍してほしい。今日は元気そうでした。

五十句目
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #俳句