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官民連携と公民連携の違いとは

先日、公民連携を学び、実践する勉強会を立ち上げたい!と先輩職員に相談しました。
そのときにもらった質問で、われながらうまく伝えられたな、と思うことがあったのでシェアします。
※間違ったこと書いてあったらぜひ指摘コメントお待ちしています。

ー 民間主導のまちづくりが必要と君はいうけど、官民連携じゃダメなの?公民連携と官民連携って何か違うの?

色々と前提条件を伝えた上で回答したのですが、結論から言うと、官民連携と公民連携の違いはこうです!と以下のように整理して伝えました。

図1

ー そもそも官民連携と公民連携ってどういう意味?

さて、もう結論は出ているのですが、ここからは順を追って説明したいと思います。
まちづくりに関心のある方であれば一度は聞いたことはあるであろう「官民連携|公民連携」
もともとは、米国で1950年代に都市経済開発分野で取り組み始めた「Public-Private-Partnership(PPP)」から来ています。

PPPについて、定義を調べてみました。
日本で唯一のPPP研究センターがある東洋大学の特別論文から抜粋すると

PPP(Public/Private Partnership)は、公共的な事業を官、民、市民が連携して行うことの総称的概念 ー PPP研究の枠組みについての考察(1)/根本祐二 東洋大学教授、PPP 研究センター長

つまり、公共サービスを行政がすべて行うのではなく、企業や市民も連携して関わることを日本語訳して「官民連携・公民連携」と呼んでいるようです。

ー 官と公の違いって何なん?

こちらも東洋大学のレポート(公民連携における官民公私の関係に関する一考察|2010.1)を参考にさせてもらいました。

「官」と「民」とは主体に関する概念であり、両者を区分する点は政府であるか否 かである。政府とは、国民(市民)の信託に基づいて国家もしくは国土の一部を統治する機関で あり、国の政府および地方公共団体を指す。政府機関とは、政府により設立され法律(条例)に 基づいてその権限の一部を独占的に付与された組織である。一方、「民」とは「官」以外の組織で ある民間企業、非政府非営利団体を指す。

めちゃ簡単に言うと、「官」「民」は、主体のことで「WHO:だれがやるか?」ということ。

では「公」とは何なんでしょうか?

これに対して、「公」と「私」は、主体が有する行動原理に関する概念である。すなわち、連携の活動によって発生する効果の及ぼす範囲を、もっぱら自分だけにとどめるよう行動するものが 「私」であり、自分ではなく他者の「私」の部分、もしくは特定の「私」に属さず広汎に及ぶよ うに行動するものが「公」と考えられる。プラスの効果を「益」という用語を用いて表現すれば、 両者は「私益」、「公益」と表現される。

「公」「私」は、行動原理だから「WHY:なんのためにやるのか?」ですね。

これを整理すると以下のようになります。

官民公私

①:行政が公益のためにやること。つまり、行政の本来業務ですね。

②:民間が公益のためにやること。ここが公民連携になります。
また、NPO法人などの非営利団体が行う事業や、企業のCSRもここになります。しかし、NPO法人やCSRは法人が自ら公のためにやりたいことをやるものなので、行政や地域が求めることを「やってもらう」という強制力はありません。

③:行政が私益のためにやること。これは普通にアウトですね…。ダメ、ぜったい。

④:民間が私益のためにやること。これは営利企業が自らの利益を最大化するために行う営利事業全般ですね。

以上のことから、じゃあ官民連携は?となりますが、
「官:行政」と「民:企業や市民」がどちらも主体として行う事業になります。
「官」も主体である以上「なぜやるのか?」は必然的に「公」になりますね。

一方、公民連携は、資金調達も運営もすべて民間が行う事業もあります。
逆に言うと、官民連携は「官」が主体に必ず入るものなので、ここが公民連携との違いだということがわかります。

イメージとしては、公民連携の中に官民連携がある感じです。

さて、というわけで冒頭の結論に至ります。

図1

官民連携は、行政主導。
公民連携は、民間主導。

ー なぜ行政主導ではなく、民間主導が求められているの?

行政主導の官民連携では、しばしば「公に関わるのだから利益を上げるのはいけない」と誤解されていることがまだまだあります。また、道の駅や第三セクターによる事業のように、結局経営が成り立たず、補助金頼みになるケースが全国で散見されます。

民間主導でしっかり経営に向き合うことで、補助金や委託金頼みではなくなり、サービス水準の向上や持続可能性が高まります。

公民連携は、経営的知識や契約スキームなど奥が深いことから、まだまだ行政職員でも正確に理解している人は少ないです。(わたしも含む)

公民連携に関するインプットを重ね、プライベートでは、まちのイベントで民間とつながり、稼ぐことを学ぶことで経営感覚を養う。

そんな「新潟公民連携ゼミ」を通して、多くの公民連携事業が新潟で生まれるといいな!という想いを掲げ、これから始動しますー!

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