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母・・・
認知症専門 4度目の転院
転院前の病院で
点滴を抜こうとする理由で、両手を拘束されていた母
体は冷たく、表情は硬かった。
声を発することは無く、
ましてや会話など出来るはずがない。
ただただ、手を口に入れては出しての繰り返し。
![](https://assets.st-note.com/img/1719910615740-iNh922xI84.jpg)
転院先の病院に着いた。
車のドアを開けた途端に、土砂降り・・・
そういえば、二人で中華街に行った時
同じ場所で何度か土砂降りにあったっけ
傘は買わず、しばらく店の軒先で
雨宿りをしたことを思い出した。
駐車場から病院の入口へと走った。
振り返ると小雨になっていた。
記憶の片隅にある元気な母の姿が、
面会に行こうとする私の足を止める。
心臓の奥がきゅっと痛む 途端に涙があふれた。
![](https://assets.st-note.com/img/1719910778534-dwRx1qVOSs.jpg)
病室に入ると、母は真白なタオルを握っていた。
それを口に入れたり、出したりしている。
けれど、表情は穏やか 肌もほんのり温かい。
顔を近づけると、ニコッと笑った。
職員の方が「挨拶をすると笑ってくれるんです」と言う。
辛い状態だろうに、微笑むなんて・・・。
愚痴ばかり聞かされていた私は不思議に思った。
愚痴の半分を笑顔に変えていたら、
病気などせずに過ごせたかもしれない・・・。
子供のための番組が始まったようだ。
元気な人がテレビを見ているのだろう、
と思ったら、小さなラジカセで音楽を流していた。
カーテンは開け放している。
患者さんたちは、天井を見つめているだけ。
動けず、眼を見開いたままだった。
ベッドに横たわる母の写真です👇
![](https://assets.st-note.com/img/1719916586654-DGe25K2JzB.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1719916681240-9jKiC0Kx34.jpg)
「わたしのことが わかったかな?」
やけどをしている私の右手✋
母は、ぎゅっと握ってくれたけど、
壊れそうな母の手を握り返せなかった・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1719919024893-jP5ofUWTi3.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1719919039734-bWcYrDrZrd.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1719920007109-pFZyMAzEty.jpg)
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