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日本の美 佐賀の旅 ~鍋島藩窯公園~
有田焼が大好きな私は、有田旅行を 毎年の恒例行事にしています。
今年は無理かな、と思っていたのですけれど、Go Toで実現しました。(させました。)
このような感染状況になってしまいましたから、出発があと少し遅かったら、きっと躊躇していたと思います。行けて良かった。
今回は、有田から伊万里、武雄と行動範囲を広げ、嬉野温泉にも宿泊して佐賀県を満喫。
有田の窯元めぐりに ほとんどの時間を割いていた時期と比べると、ちょっぴり趣が異なりますが、さまざまな日本の美を堪能した 大満足の旅でした。
食も存分にたのしみ、最終日には長崎にも立ち寄って 幸せいっぱい。
写真は たくさん撮りました。でも未だカメラを使いこなせない私は、まだまだ失敗だらけ。
これから少しずつ写真を整理して、なんとか投稿に耐えられそうなものを アップしていきたいと思っています。
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今日は早速、伊万里市の大川内山にあるこちら。
鍋島藩窯公園
地元 鍋島藩は、1640年代から廃藩置県となるまで、お抱えの窯元がつくる美しい器を 徳川幕府へ献上していました。
それぞれの窯元が、より美しく、より美しく、競うように磨き上げた鍋島焼は、日本磁器の最高峰と言われるようになるまで成長を遂げています。
大川内山は、その藩窯があった山。
鍋島藩窯公園は、歴史ある窯元群と隣接したに丘陵地に位置しています。
私は三年くらい前の 春を待つ季節に、一度訪れたことがありました。今回で二度目です。
この時 私は、一緒に旅している親友と しばし分かれて単独行動を。
ひとり、窯元の煙突が立ち並ぶ山道を登り、公園入り口を入って、今度は少し坂を下ると、それまでとは別世界のような景色が広がっていました。
この景色が目に飛び込んできた時、静かな感動が胸に染み渡った私。
色づいている木は 決して多くはなく、青空でもなく、加えて紅葉は終盤にさしかかっていました。それでも、私の目には それはそれは美しい光景にうつったのです。
有田・伊万里の山あいは落葉樹が少なく、山が染まるような紅葉を愛でることは、諦めかけていた時でした。
あたりを囲む山々は 全体的に少しグレーががっていて、それはそれで、「水墨画みたいでキレイだね」って、少し前に友人と話していたところ。
違う表情もあったよと、友人に会ったら真っ先に報告しよう。そう心に誓いました。
どこか慈悲深さをはらんだ この美しさが、私の写真では きっと伝わらないのが残念だけれど。。
深い深呼吸をして、慎ましく色づく景色をじっくりと眺めたひとときです。
辺りは私ひとり。
ただ その静けさと美しさに包まれる、贅沢な時間。
360度、どこを観ても飽きません。
鍋島焼の美しいタイルが施された壁面。
静寂の中、歴史と文化と、自然が 共鳴する場所。
じーん。
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しばらくすると、背後から「わぁ、キレイですねえ。」という女性の声が。
振り向くと、私のよりも 大きなカメラを首から下げた女性が、にっこり。
髪は金色に染め上げられて、笑顔が なお眩しい。
心から「ほんとうに。」と答えた私に、
「紅葉、終わりかけちゃってますけど、誤魔化しながら撮りましょうね。」と、彼女は またにっこり。
とってもチャーミング。
きっと彼女も紅葉は諦めかけていたのだろうな、と思いながら、
そして、「あの、どうやって誤魔化すのですか?」と教えを乞いたいと思いながら、
でも、彼女の時間は邪魔しちゃいけないし、それぞれ感じるままに たのしめば良いのだと 心の中でつぶやきながら、
また、カメラを覗きます。
笑顔クイーンの金髪カメラ女子と 私は、その後言葉は交わさなかったけれど、互いが写り込まないように動きました。
彼女が川上にレンズを向ければ、私は川下に。
私が左にレンズを向ければ、彼女は右へ。
少し離れた場所から、たぶん同じ感動を味わっているであろう人の存在を、
たぶん 互いに、かすかに意識しながらファインダーを覗くとき。
確かに彼女も私も 日本人だな、と、
なんだか あたたかな気持ちになりました。
声をかけてくれてありがとう。
素敵な笑顔をありがとう。
人との出会いは、やっぱり旅の醍醐味です。
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鍋島藩窯公園で静かな時を過ごしたあとは、再び友人と落ち合い、始終ケタケタと笑いながら、愉快な旅をつづけました。
ご覧くださいまして ありがとうございました。^^
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