見出し画像

日本の美 佐賀の旅 ~鍋島藩窯公園~


有田焼が大好きな私は、有田旅行を 毎年の恒例行事にしています。
今年は無理かな、と思っていたのですけれど、Go Toで実現しました。(させました。)
このような感染状況になってしまいましたから、出発があと少し遅かったら、きっと躊躇していたと思います。行けて良かった。


今回は、有田から伊万里、武雄と行動範囲を広げ、嬉野温泉にも宿泊して佐賀県を満喫。
有田の窯元めぐりに ほとんどの時間を割いていた時期と比べると、ちょっぴり趣が異なりますが、さまざまな日本の美を堪能した 大満足の旅でした。
食も存分にたのしみ、最終日には長崎にも立ち寄って 幸せいっぱい。

写真は たくさん撮りました。でも未だカメラを使いこなせない私は、まだまだ失敗だらけ。
これから少しずつ写真を整理して、なんとか投稿に耐えられそうなものを アップしていきたいと思っています。


*
*



今日は早速、伊万里市の大川内山にあるこちら。

鍋島藩窯公園


地元 鍋島藩は、1640年代から廃藩置県となるまで、お抱えの窯元がつくる美しい器を 徳川幕府へ献上していました。
それぞれの窯元が、より美しく、より美しく、競うように磨き上げた鍋島焼は、日本磁器の最高峰と言われるようになるまで成長を遂げています。

大川内山は、その藩窯があった山。
鍋島藩窯公園は、歴史ある窯元群と隣接したに丘陵地に位置しています。 
私は三年くらい前の 春を待つ季節に、一度訪れたことがありました。今回で二度目です。

画像1


この時 私は、一緒に旅している親友と しばし分かれて単独行動を。

ひとり、窯元の煙突が立ち並ぶ山道を登り、公園入り口を入って、今度は少し坂を下ると、それまでとは別世界のような景色が広がっていました。


画像2


この景色が目に飛び込んできた時、静かな感動が胸に染み渡った私。


画像3


色づいている木は 決して多くはなく、青空でもなく、加えて紅葉は終盤にさしかかっていました。それでも、私の目には それはそれは美しい光景にうつったのです。

有田・伊万里の山あいは落葉樹が少なく、山が染まるような紅葉を愛でることは、諦めかけていた時でした。

あたりを囲む山々は 全体的に少しグレーががっていて、それはそれで、「水墨画みたいでキレイだね」って、少し前に友人と話していたところ。
違う表情もあったよと、友人に会ったら真っ先に報告しよう。そう心に誓いました。


どこか慈悲深さをはらんだ この美しさが、私の写真では きっと伝わらないのが残念だけれど。。

画像4


深い深呼吸をして、慎ましく色づく景色をじっくりと眺めたひとときです。


画像5


辺りは私ひとり。

ただ その静けさと美しさに包まれる、贅沢な時間。

360度、どこを観ても飽きません。


画像6



鍋島焼の美しいタイルが施された壁面。

画像7


画像8


画像9



静寂の中、歴史と文化と、自然が 共鳴する場所。

画像10



じーん。



*


しばらくすると、背後から「わぁ、キレイですねえ。」という女性の声が。


振り向くと、私のよりも 大きなカメラを首から下げた女性が、にっこり。
髪は金色に染め上げられて、笑顔が なお眩しい。

心から「ほんとうに。」と答えた私に、
「紅葉、終わりかけちゃってますけど、誤魔化しながら撮りましょうね。」と、彼女は またにっこり。
とってもチャーミング。


きっと彼女も紅葉は諦めかけていたのだろうな、と思いながら、
そして、「あの、どうやって誤魔化すのですか?」と教えを乞いたいと思いながら、
でも、彼女の時間は邪魔しちゃいけないし、それぞれ感じるままに たのしめば良いのだと 心の中でつぶやきながら、
また、カメラを覗きます。


画像11



笑顔クイーンの金髪カメラ女子と 私は、その後言葉は交わさなかったけれど、互いが写り込まないように動きました。

画像12


画像13



彼女が川上にレンズを向ければ、私は川下に。

画像14



私が左にレンズを向ければ、彼女は右へ。

画像15



少し離れた場所から、たぶん同じ感動を味わっているであろう人の存在を、
たぶん 互いに、かすかに意識しながらファインダーを覗くとき。


確かに彼女も私も 日本人だな、と、
なんだか あたたかな気持ちになりました。


画像16



声をかけてくれてありがとう。

素敵な笑顔をありがとう。


人との出会いは、やっぱり旅の醍醐味です。


画像17

*

画像18

*

画像19

*

画像20

*

画像21

*

画像22





* * * * *



鍋島藩窯公園で静かな時を過ごしたあとは、再び友人と落ち合い、始終ケタケタと笑いながら、愉快な旅をつづけました。


ご覧くださいまして ありがとうございました。^^


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?