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真夏の九州うつわ旅・1日目(その2)~来た甲斐があった! お豆腐会席~


8月8日~12日の日程で九州北部をめぐった「九州うつわ旅」の記録をしています。

この旅はとにかく楽しみにしていましたので、食にもずいぶん気合を入れました。
”うつわ旅” というよりは、”食べ歩き旅” になったかもしれません。(食べ歩きとは本来、「歩きながら食べること」ではなく、「土地の名物料理やめずらしい食べ物などをあちこち食べてまわること(日本国語大辞典)」とのこと。)
分不相応な贅沢をしたかもしれませんけれど、それも記録してゆきます。

前回は、レトロな薬屋さんに出会ったおはなしをしました。


今日はその続き。とびきりのお豆腐会席を頂きます。




1日目:8月8日(火) 晴れたり曇ったり

福岡空港着から一路、佐賀県唐津市へ。
1つ目の目的地、ざる豆腐発祥のお店『川島豆腐店』へGo!


「唐津でどこかおススメのお店はありますか?」と地元の方に伺うと、必ずこのお店の名がかえってくる人気店。
お席はカウンター席8席のみだから、予約必須。


前回記録したとおり、山内薬局でタイムスリップしたような時間を過ごしたあと、期待に胸を膨らませて暖簾をくぐる。


すてきなお店。
唐津焼のうつわが並ぶ光景に、ほんとに唐津に来たんだって実感。
おいしい予感も漂っている。
ともに旅する親友「チャル」も 私もお豆腐が大好物だから、その予感に「うわぁ」と声がもれる。


こちらのお店では、おもに「隆太窯」さん(唐津焼)のうつわを使われているよう。お湯のみと箸置きだけでもテンションがあがっちゃう。
隆太窯については後日。


さて、まずは飲み物。ノンアルコールビールとトマトジュースのカクテルを。

ルビー色のグラスに気持ちが華やぐ。

使用しているトマトジュースは、なんと日本一に輝いたという「太陽のたまもの」。唐津産。
フレッシュで のどごしなめらか。台風騒ぎのなか、唐津までたどり着けたことを思うと、乾杯が なお胸にしみる。


このランチ会席のメニューは、当日手に入るベストな食材をつかい、 その日その日に決められるとのことで、お店にもネットにもメニューはない。まさしく ”おまかせ” 会席だ。
もちろんお豆腐がメインだけれど、その他に何がでてくるかは、席についてからのおたのしみ。

さあ、そのお食事のはじまり はじまり。
まずは、ざる豆腐。

さすが発祥のお店。卒倒しそうなほど おいしい。
こちらのお店は、朝9時(朝食)に来ると、まさにできたてのほやほやのざる豆腐を頂けるという。その生まれたてのお豆腐が絶品で、それを狙って来る方も多いと聞く。私たちが頂いたのはそれから3時間ほど経っているわけだけれど、いやいや朝できてから冷蔵庫にも入れていないから、まだぬくもりがあって、ほやほや感にあふれている。
まずは何もつけずに頂いて、そのあとは、ちょっとのお塩で。とろける。


続いて イチジクの ゆばソースがけ。

ゆばが、とろっとろ。甘いイチジクとの相性のよさにびっくり。


次は揚げ出し豆腐。

揚げたてのアツアツ。たまらない。三島唐津のうつわにも うっとり。


お次は胡麻豆腐。

胡麻豆腐の上に鎮座するウニのおいしいこと、おいしいこと。たぶんこれまで口にしたウニの中でナンバーワン。芳醇でクリーミーで、ウニにありがちな、ぬるっとした感覚はまるでない。
きけばこれは、“幻のウニ” と呼ばれる「唐津ウニ」とのこと。(おそらく「唐津の赤ウニ」。)ご主人曰く、唐津は島が多いため、プランクトンがたくさん発生し、おいしいウニが採れるのだとか。
本当なら夜のリッチなコースの方に提供されるご予定だったのだけれど、台風で1組キャンセルがでてしまい、それで私たちの目の前に! 超ラッキー。
あまりのおいしさに、チャルと「んーーーー」とうなりながら目をあわせ、「やっぱり来てよかったね~」となる。

もちろん胡麻豆腐も、もっちりぷるぷるで美味だった。
ウニも胡麻豆腐も濃厚だけれど、オクラたっぷりのお上品なお出汁のおかげで、合わせて頂いても しつこさを全く感じさせない。すごい。


そして枝豆のスムージー。

枝豆の香りが口から鼻へ広がる。夏のにおい。


続いてヒラメのお刺身。

今日は台風で水揚げが危惧されるなか、「すごくいいヒラメが揚がったので」とのこと。ほんと、ぷりっぷり。
絵唐津の八角皿もうれしい。


お魚が続いて、鯵のたたき

鯵そのものがおいしいのだけれど、たっぷりの薬味とあわせると絶妙。


次は焼き立ての カマスの干物。

脂がのってる。皮はパリパリ。しあわせ。


唐津で水揚げされたという真鰯のオイルサーディン

イワシのうま味がたまらない。シソとトマトでさわやかに。


続いてがんもどきの炊き合わせ。九州ではきっと、「飛龍頭」ですね。


ふわふわの がんもどき飛龍頭 に感動。やさしい やさしいお味がする。


これでさいごかな、お豆腐の炒め物。奥でジューって音がしてたのはコレだったんだ。

「中華風にしようと思ったんだけど、普通の麻婆豆腐じゃつまらないでしょ」ってご主人。ちょっとチャンプルー風。
ごま油の香ばしい香りに、卵の風味、お豆腐のぷるぷる感にトマトの爽やかなアクセント。ぜんぶの相乗効果でおいしさがふくらみ、ご飯は別腹だと思えてくるから恐ろしい…。

ご飯ははじめからこの量でよかった…。


エソの煮干しで出汁をとったお豆腐のお味噌汁もありました。

エソとは、見た目はちょっとコワイけれど うま味が強く、高級かまぼこの原料にも使われている白身魚とのこと。
ちょっと甘みがあって、普段のお味噌汁とはひと味ちがう。


デザートは、うれしいお豆腐のプリン。

プリンというけれど、たぶんお豆腐そのものだったんじゃないかな。ほろにがいカラメルソースをまとって おいしさが際立つ。

それにしても、乳白色の粉引こひきのうつわに 真っ白なお豆腐の組合せが、やわらかで慎ましやかで、うつくしいなぁ。
おしまいに余韻を頂いた気がする。




私もチャルも、とにかく大満足のランチだった。
「初日のランチで、もう本当に来た甲斐があったね。このあとはどうなってもいいよね。」(よくない。)

来年は朝食に来ようか。
でも夜のコースも食べてみたくない?
もう1度ランチでもいいかも。

お互いのなかで、すでに来年も来ることは確定していた。朝食かランチか夕食か。どの時間に訪ねるのかは、ゆっくりと考えることにしましょ。


駅前の商店街の中にあります。アーケードがあるから雨が降っても安心。



ところで台風は。

食事の途中で検索した進路予想。(6号と7号)
こちらも。(7号)

7号については、数時間前に羽田で確認した予想図とは大幅に変わり、速度
がずいぶん遅くなっている。帰り8/12も飛びそう!


・・・


川島豆腐さんの ざる豆腐などは、こちらから購入できます。おそらく現地で頂く出来たてに 勝るものはないのだと思いますけれど…。




8月8日(火) 晴れたり曇ったり
福岡空港→唐津。「山内薬局」→「川島豆腐」でおいしいランチ会席を頂く。


このあとは、いよいよ窯元に伺います。



最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。





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