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こよみだより *清明*

〜 それと、桜におもうこと 〜





今日は、二十四節気の『清明(せいめい)』入りです。

清明とは、「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」の略で、春の清らかで生き生きとした様子を表しています。


江戸時代の書物 『こよみ便覧(こよみべんらん)』には、
「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と記されているそうです。

『こよみ便覧』とは、太玄斎(たいげんさい)こと 松平頼救(まつだいら よりすけ・常陸宍戸藩の5代目藩主)の書いた 暦の解説書 のことで、天明七年(1787)に出版されたものです。二十四節気を説明する時に、よく引用されています。

陽の光は明るく万物を照らして、すべてが清く明らかになっていくような季節。草木も芽吹いて花が咲き、何の花だったのかが明らかになる。そんなふうに、著されている季節なのです。




空は澄んで晴れわたり、

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溢れるように花が咲き、

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やわらかな日差しに 景色はキラキラと輝いて、

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全てのものが清らかに、そして鮮やかに感じられるという、素敵な季節。


私が一番好きな節気です。





この時季の 百花 咲き競う風景は、私にとって、思い出もはらんだ特別なものです。

子どもの頃には、よくシロツメグサであそびました。
また、カタクリの花は、父が愛した花でした。
花々を見ると、そんな思い出が、ふわっと蘇ります。

この季節の花の記憶は、とくに あたたかく心に残るようです。


そして何より、私の中では、「清明」と言えば 桜! なのです。(※)

新しい年度、新しい生活が始まる時。
ここ数年は、(私の住む地域では)葉桜になりながら迎えるこの節気ですが、
桜は 清明の言葉の意味を語るかのように咲き、“始まりの時” を情緒深く祝福してくれる花のように感じています。


だから、今日の写真は桜にしました。
 

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私の職場(学校)には、桜の木があります。


ちいさなグラウンドをくるりと囲むように、大きな木が 二十数本。 

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頭上に枝を伸ばして広がっています。

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毎年、固いつぼみを蓄えてから、やがてぷっくりと膨らみ、ピンク色に色づく過程を眺めていると、この時期独特の慌ただしさを忘れるようです。 

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朝陽のあたる時間は、とっておきのひととき。

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桜の時季は、始業前に豊かな時間を過ごすことができます。贅沢。



今年は、清明には1週間も早く満開になりました。
今日の写真は、3月27日(土曜日) に撮影したものです。
この日は 初めて職場にカメラを持参して、朝と、お昼休みと、残業の後に、パシャパシャと撮りました。
この日を逃したら、満開の桜は来年までおあずけだと思ったのです。

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桜の季節は、出会いと別れの季節でもあります。

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お別れに はちょっぴり泣けてくることがありますけれど、
そんな時も 桜は、それぞれの人の決断や旅立ちを優しく見守り、
そして、少しの寂しさを包んでくれるように感じます。

心が浄化されるよう。






たおやかに

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雄大に

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うららかに

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そして厳かに、

また どこか奥ゆかしく咲いていたこの桜も、


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現在は、すでに若葉が 溢れるように芽生え始めています。

日本の季節の移り変わりの、象徴的な姿を観るようです。



季節はめぐります。

あたたかな春風の吹く清明が、
このnoteをご覧くださった方にとって、とびきり素敵な時季となりますように!





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(※) 気象庁HPで、過去の桜の満開日を見てみました。東京の 10年ごとの満開平均値は、長らくの間、4月3日になっているようです。
満開日とは、“標本木で約 80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日” のことだそうですので、やっぱり清明は、桜の時季でした!



おしまいに、その後の職場の桜の様子をあと数枚。
一昨日、昨日と、スマホで撮ったものです。
はらはらと舞うはなびらが、新入生を迎えました。


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長くなりました。最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。


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