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時空を超える旅 〜『旅の絵本』で旅をする〜



どこかへ遊びに出かけたいけれど、がまん、がまんのゴールデンウイーク。
でも、この絵本を開けば、世界の国々へ 素敵な旅をすることができます。


― 今日は、私が大好きな絵本についての おはなしです。 ―

安野光雅 作
『旅の絵本』 シリーズ
福音館書店


世界的な画家・絵本作家の 安野光雅(あんの みつまさ)さんによって描かれた世界。
大人気のこの絵本シリーズは、重版に重版を重ね、世界的ブームを巻き起こしたと言われていますので、ご覧になっている方も多いかもしれません。

シリーズは全9作、出版されています。残念ながら 安野さんは、昨年の暮れに 空の彼方へ旅立たれてしまいましたので、もう増えることはありません。

『旅の絵本』
 Ⅰ 中部ヨーロッパ
 Ⅱ イタリア
 Ⅲ イギリス
 Ⅳ アメリカ
 Ⅴ スペイン
 Ⅵ デンマーク
 Ⅶ 中国
 Ⅷ 日本
 Ⅸ スイス


私は気になる本から1冊ずつゆっくりと買い求め、現在5冊が手元にあります。
必ず全て揃えたいと思っていますので、一度に全部 購入してしまえば良いのかもしれませんけれど…  この「買い足してゆく」という過程がまた、しあわせなのです。
まだ見ぬ国への期待感。旅する範囲が 少しずつ広がることの喜び。そんな気持ちは、最初から全てを手に入れていたら、味わえないでしょう。


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本を開くと、独特の素敵な世界が広がります。
幻想的でありながら緻密に描かれた、その国の風景、人々の暮らし、祭り、行事、遊び、時に事件。
繊細でやわらかくて、あたたかくて懐かしさを感じる その絵の中には、あちこちに “隠し絵” も散りばめられていて、遊び心も満載です。
隠し絵は、その土地ゆかりの人物や建築物、有名絵画など様々。絵にすっかり溶け込んでいるので、何度目かに「あっ!」と気づくことがあり、発見する喜びも得られます。隅々まで何度でも楽しめる、大人の絵本です。


本の中では、淡いブルーの服を着た “旅人” が、各国を旅しているのですけれど、(これがまた “ウォーリーをさがせ” みたいに楽しめるのですけれど)
私のカメラの中では 有田焼の小鳥が旅をしました。





Ⅱ イタリア 

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絵本の外にまで広がるような 緑一面のトスカーナの丘陸地、フィレンツェ、水の都ベネツィア、ジェンツァーノの花祭りなどなどの風景の中に、隠し絵でイエスの生涯が描かれています。
どのページも美しくて、美しくて。


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Ⅲ イギリス

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湖水地方、歴史を感じるロンドン、スコットランドのバグパイプ楽団にグリニッジ天文台など、たくさんのイギリスがつまっています。その中にはシェイクスピアの主人公やピーターパン、ホームズなどの姿も。
最初と最後の扉に描かれた ダイアナ妃の結婚式のパレードも素敵。


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Ⅵ デンマーク

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アンデルセンの故郷オーデンセや、コペンハーゲンなどの見どころに、随所に隠されたアンデルセン童話。私が知らないものも含め、あまりにもたくさんの童話が隠されているので、まだまだ見つけられないでいる主人公たちがいます。
ですから 私のこの旅は、まだ当分続きそうです。


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Ⅷ 日本

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電気が普及する前の 懐かしい日本の風景と人々の暮らしが、春から夏にかけて、季節を追って描かれています。
お花見、田植えに豊年の祈りの祭り、嫁入り行列、そして陸前高田の「希望の松」など。本の中には「七人の侍」なども隠れています。
相撲のページは、熱狂して転げる観客の様子など とても楽しげで、わくわく。


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Ⅸ スイス 

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雄大な山々や、美しい街並みの中に 暮らす人々。そして牛や羊たち。
その中に、安野さんが敬愛する画家の姿や、ウィリアム・テルなどがさりげなく描かれています。
中立を願うスイス。首都ベルンのページには、美しい建物の合い間合い間に、各国の旗が描かれています。


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以上が、私の手元にある5冊でした。



私の休暇は今日からスタート。嬉しい4連休です。
普段は、気が向いた時に、短い時間で1ページだけの旅をすることも多いのですが、この連休は、すこしゆっくりとした旅をしたいと思います。


おいしいコーヒーを飲みながら
時間と空間を超えて。


今日は、ひょうが降ったり 雷が鳴ったり、おかしなお天気の中の旅ですが、
明日は 窓の外の鳥のさえずりを BGMにできるかなあ。



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ここまでお読みくださいまして、ありがとうございました!
どうぞ安全で素敵な休日をお過ごしください。







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※ こちらも素敵。
同じく安野光雅さん作『御所の花』。
130点の草花が、まるで贅沢な図鑑のようです。





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