こんな映像を観てきた(Netflix独占配信作品)
*2023/1/2 加筆・修正
映像で楽しめる舞台関連作品のまとめ。
今回は、Netflix独占配信作品編。
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その他の映像系のまとめはこちら。
①ザ・プロム(2020年)
ブロードウェイミュージカル”The Prom”の映画版。
コメディテイストのハッピーミュージカルながら、現代的なテーマが散りばめられた一作。
郊外で暮らす高校生と、ブロードウェイのミュージカル俳優がひょんなことから交流するいう設定が、斬新で面白い。
中でも、”Love Thy Neighbor”という曲がお気に入り。
聖書の「隣人を愛せよ」というフレーズを元に、一曲の中で物語が展開していくミュージカルらしいナンバー。
ショッピングモールをうまく使った振り付けも良い!
歌っているのが”The Book of Mormon”のオリジナルキャストでもあるAndrew Rannellsというのがまた憎い。(褒め言葉)
②ダイアナ: ザ・ミュージカル(2021年)
ダイアナ妃の人生を描いたミュージカル。
ミュージカル映画ではなく、舞台作品を収録してそのまま配信している。
ブロードウェイでの上演が短命に終わったり、その年に公開された中で最低だった映画を決めるラジー賞を受賞したりと、決して評価が高くない本作。
私は最後まで観たものの、確かに印象に残る作品ではなかったというのが本音。
ミュージカルの要ともいえる楽曲がパッとしないし、何よりダイアナ妃の人生を淡々と描いているだけで物語としての面白さがあまり見えてこない。
ラストもあっけない感じなので、「あれ、これで終わり?」と思ってしまった記憶。
日本からも演劇の製作会社が投資していたようだけれども、上演はされなさそうかな…。
③tick, tick... BOOM! (2021年)
RENTの作者ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルを映画化した作品。
ミュージカル界でノリに乗っているリン=マニュエル・ミランダが監督を務めている。
ジョナサン・ラーソンが描く、何も結果が出せていない現状に焦る若者の姿はいつ観てもリアルで胸が熱くなる。
ミュージカルファンとしては、有名な俳優さんが数多くカメオ出演していたり、色々な作品のパロディが詰まっているところも愛おしい。
(リン=マニュエル・ミランダもちゃっかり出演している。)
最後に歌われる“Louder Than Words”というナンバーがまた素晴らしい。
教訓めいたことは言わず、「答えは自分で行動して探しない」と諭されているような気持ちになる。
(あと、個人的には、小学生のことに何度も見た「ハイスクール・ミュージカル」シリーズでヒロインのガブリエラ役を演じていたヴァネッサ・ハジェンズが歌っている姿を久しぶりに見て、感慨深くなった)
もちろん予備知識なしでも楽しめるが、ジョナサン・ラーソンの生涯や彼のヒット作”Rent”のことを知っていると、より楽しめる一作だと思う。
④マチルダ・ザ・ミュージカル(2022年)
児童文学を原作としたミュージカル「マチルダ」の映画版。
トニー賞などのパフォーマンスで数曲見たことはある程度で、舞台版は未見。
児童文学とはいえ、ダークユーモアのきらいがあるので、好き嫌いは別れそう。
大人たちは一部を除いて、結構倫理観が欠如したキャラクターが多く、普通に虐待めいた行いをするので、そこに嫌悪感を覚える人もいるかも。
その筆頭ともいえるのが、マチルダが通う学校の校長先生であるミス・トランチブル。舞台版では男性が演じている役柄だが、この映画ではエマ・トンプソンが演じている。観ていて、日本なら古田新太とかが怖さとチャーミングさを共存できそうとか思った。(既にミュージカルの日本公演のキャストは決まっているけれど…)
とはいえ、「ヘアスプレー」で主人公トレイシーの母役を男性が演じているのと同様、こういう一部の役だけ性別を変えたりするのは、結構議論の余地があるよなとは思う。
細かいところでいうと、冒頭のマチルダの生まれるシーンが、「チャーリーとチョコレート工場」の映画っぽくて、「監督はティム・バートンだっけ?」と思ったくらい。
(ちなみに、「マチルダ」も「チャーリーとチョコレート工場」も原作は共にロアルド・ダール。)