見出し画像

スマッシング・パンプキンズ ねじまき句会用候補川柳


 ワイアット・アープが縮むだけの葱
 花火屋の縮図に書いておくしめじ
 縮みゆく男が背負う五円玉
 木耳と縮刷版のガロを買う


 霜月のポン・デ・リングを撒く死海
 幕内下位力士踏む霜柱
 霜焼けの王と呼ばれる和田誠
 霜と書くだけの会社が沈む海
 
 早朝の根源的な落とし蓋
 ザ・フーへと巨根の市長あゆみ寄る
 日没し根がボクサーの飼育員
 委員会全てにピンカートンの根
 根であった事実だけ書く冒険家
 
 低炭素社会日暮れる昆虫図
 相関図にも書きすぎるミルク粥
 図書館の脱肛本が除籍され
 雪夫人絵図の餌皿を洗う役
 煙突が折れるとあった大図鑑
 呼吸法図画工作にまみれれば
 図にすると主に筒子のチー多し
 やすり手に図工教師が恋へ落ち
 濁音の図からはじまるズーラシア
 意図通りさんま自体を借りてくる
 立体図円錐がみな遠い友
 醜劣な自画像えがくムーミン家
 
 まだ公家の修理業者に五円玉
 新人がテキサス学を修めると
 聖堂に津島修二のキック冴え
 宇宙館修司の捨てたマッチ箱
 修の字を時間のなかで書き了る
 修士らのサンタクロース胃弱説
 妻と寝て栄螺パンチが未修なり
 吸いさしが溶ける修学旅行中
 逆賊が修了証をなくす夏
 修禅寺に薬科大生足を揚げ
 のり巻きのきにたくさんの修得者
 パンゲアに必修の薔薇散りはじめ
 人波の六分の五が修道女
 
 七人の姉の言葉がわからない
 七月に霧笛と言ったことがない
 星ぼしのおおかた七のつぎが八
 電子捕る明日が七月六日ゆえ
 じゃがりこを折る七帝の柔道部
 殉死者を七・二秒ごと測る
 三に足す七を失くして酔夢譚
 条例の七がひと筆書きでなく
 駅長も七を分解しに帰る
 コスナーが七回生まれ変われた日
 塩おおき七つの海のティコの葬
 羽ペンで七七七ななど書く
 七号がジョッキーである中隊規
 火を持った世界七番目のアリス
 コピー後に七頭立ての牛車ゆれ
 
 版画師が版画にされる首府の夜
 童貞の概念がある洞窟画
 
 熱気球時刻のわかる機械手に
 晴れた日の胡瓜を刻む北杜夫
 
 城攻めの前も後にもなかった無
 東京が無かった氷枕の日

 綿の国星に潜水する死者ら
 石綿を抱きしめている地球上
 
 アパートに貼られた宇宙播種説
 
 螺子を買う欠陥品であるわたし
 品川が遠い改造した魚類
 ふんどしが品質管理室に落ち
 物質の芋あつまれり品川区

 しゃぼん玉噴いて潜入捜査官
 藤原氏ジャングルジムに潜入し
 時および豆腐潜在するTOKIO
 味噌樽に潜らなかったラカニアン

 無意識に一指もふれずはとむぎ茶
 茶器類を連想しないひと壊し
 つの多し茶室の下の化石群
 
 ねじ舐める黄色い部屋の改修後
 バイク錆びあとの世界がすぐ黄いろ
 黄帝がさんまを知っていたか知れ
 黄落す運搬上の問題で
 黄昏のハンマー投げにつづく部屋
 
 主語失くし流川楓の靴盗み
 テクストの誤字ということ流星雨
 流動するスネアドラムのの眩しき
 
 パンの木のパンつくり出す蝿の王
 そびえるなそこが王権神授説
 王者去りこれが睡眠薬の寺


*「ねじまき句会」の「17人の選者による17題のネット句会」用に作った川柳、応募前に自分で捨てたやつです。なんか勿体ないので(もったいないお化けの世代)、放流しました。だんだん力尽きてるのがわかりますね、はい。最後の方でこんなこと言うのも何ですが、読み捨ててください。

画像1


 
#川柳 #ねじまき句会 #没句 #詩歌

もしお気に召しましたら、サポートいただけるとありがたいです。でも、読んでいただけただけで幸せだとも思います。嘘はありません、