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呵責液
2019年8月15日 11:01
カッサンドラとは、古い言葉で不吉という意味でした。誰が名付けたのか、何も目的が無く、ただひたすら目に見えるもの全てに向かって火を吐いて、無闇矢鱈と破壊して進む竜を見て、そのような名付けをする事は、無理もないことでしょう。カッサンドラの竜は、この世に生まれ落ちた時から怒りしか知りませんでした。途方もない大きさの卵の殻を割った時に見えたのは、母親の顔ではなく果てしなく続く、この世界の果てでした。